異色もん。

ドラえもん、もやしもん、くまもんに続く第四のもん。いつか鎌倉の老人になる日まで。(単なる読書系ブログです)

読書(ホラー/ファンタジー)

2022年4月に読んだ本と参加した読書イベント

◆『九(ここの)』岩田宏 ブラッドベリなどの翻訳で名高い小笠原豊樹(の方が本名らしい)、小説家・詩人として名である岩田宏によるオムニバス型の長編。プロローグから推測するに、終戦から20年ほど、1960年代半ばくらいが舞台。鎌倉の空き家に一人暮らしを…

2022年3月に読んだ本と100分で名著ポー・スペシャル

◆『ニュー・ゴシック―ポーの末裔たち』鈴木晶・森田義信編訳 1992年刊行の日本で編訳された本。「偉大なアメリカ小説(グレート・アメリカン・ノヴェル」の伝統から長編を中心としてきたアメリカ文学の歴史が、1960年代以降変質して短編小説が大きな潮流とな…

2022年2月に読んだ本

諸般の事情でまた低調気味。 まあ仕方ありませんな ◆『HHhH』ローラン・ビネ 実際にあった、ナチス高官ハイドリヒ襲撃事件を題材にした小説。とはいえ通常の歴史小説とはやや趣が異なり、語り手が事件の取材を進めていく過程と実在の人物の歩みが重なるユニ…

2022年1月に読んだ本と聴いたトークイベント

古い雑誌ばかり読んでましたね。 あとちょうど先ほどオンラインイベントを聞いたのでまずそれから。 ・【月刊ALL REVIEWS】牧 眞司 × 豊崎 由美、アドルフォ・ビオイ=カサーレス『英雄たちの夢』(水声社)を読む 小説の紹介者として大変信頼すべき(しかも息…

2021-2022年冬の丸屋九兵衛さんイベントはWINTER IS COMING 2021-2022!

さて昨年から続く冬の丸屋九兵衛さんイベント。今回も聞いたよ~。 ・【Q-B-CONTINUED vol.65】外伝『ゲーム・オブ・スローンズ』。素晴らしき裏設定の世界! 未だ原作・ドラマどちらもノータッチの世界だが、実際の歴史や民族との交錯、ドラマと原作の落差…

2021年12月に読んだ本と参加したトークショー

あけましておめでとうございます。今年もボチボチですが、ブログ継続しますのでよろしくお願いいたします。 さて新年一発目は12月に読んだ本と読書関係で参加したトークショー。 まずはトークショーの方から。 最近訳書が連続して刊行されたシルビナ・オカン…

2021年ベストブックス

SFベストは森下一仁さんのところに毎年参加させていただいているけど、今後は年末までにベストブックを列挙しようかな。 ◎新刊 ・『中国・アメリカ 謎SF』柴田元幸編 ・『人之彼岸【ひとのひがん】』郝景芳 ・『三体Ⅲ 死神永生』劉慈欣(2020年刊行の『三体Ⅱ…

2021年11月に読んだ本と聴いたイベント

イベントの方から。ヨーロッパ文芸フェスティバルというのが11/17~11/26オンラインで開かれていることを知り、またレムの企画もあったのでちょっと聴いてみた。いろんな大使館が協力している企画のようだ。 eulitfest.jp ◎日常の亀裂~恐怖を描くこと – ヨ…

丸屋九兵衛さんイベント【秋の万物文化祭2021】

さて丸屋さん。 2021年10月から11月にかけては、<文化と読書に縁が深い3つのトピックをセレクトしたオンライン・イベント・シリーズ【秋の万物文化祭2021】>とのこと。 ・【Soul Food Assassins vol.24】 ~ジョーダン・ピールとキャンディマンに捧ぐ、ト…

2021年9月に読んだ本と読書会など

なんとなく数年来(苦笑)たまっていた雑誌などを消化することが多いです。雑誌は全部読むのは大変なので、創作などそこそこ読んだものという感じ(それから、感想も随分前に読んだものが結構含まれてる)。 ◇群像 2019年1月号 ○フィクション 「命日」瀬戸内…

2021年9月に観た映画やTV番組など

・「わが谷は緑なりき」(1941) ほぼ観たことがないんじゃないかというジョン・フォード(西部劇のイメージが強いが、検索したらいろんな映画撮ってるんだな。それから、例の「国民の創生」にも俳優で出ているのか…)。これは19世紀末のウェールズ、実直な炭鉱…

2021年6月に観たDVDやTV番組

「草の上の月」(1996) ロバート・E・ハワードの伝記的な映画があると知り、DVDを購入。ハワードの生涯には興味があるのよね。ハワードの短い生涯で唯一交際したノーヴェリン・プライス・エリス (Novalyne Price Ellis) による、ハワードの回想録"One Who Wal…

2021年6月に読んだ本

まあなんとかかんとかやっていて、本も読んでいます。 『博物館の裏庭で』ケイト・アトキンソン ケイト・アトキンソンの処女長編。『ライフ・アフター・ライフ』と共通する、イングランドの平凡な家族の日々を戦争の影を映しながら苦いユーモアを交えて描い…

2021年5月に読んだ本

体調の方は横ばいですね。 正直いろいろ困ったことになりました。 それはともかく読んだ本について。 『変愛小説集2』 1の方は未読。まあ野生のチアリーダーの作品が読みたくて購入(笑)。 「彼氏島」ステイシー・リクター いい男をとっかえひっかえできる…

2021年4月に読んだ本、と近況報告

現在体調を崩し、連休中ということもあり自宅療養中です。 まあ以前にもかかった病気で、いわゆる重篤なものではないのですが、経過がいまひとつ芳しくないので、ちょっと生活を見直すことになりそうです。 とりあえず備忘録的に4月の記録だけ書きます。 『…

毎年恒例、森下一仁さんのベストSF2020に投票しました

毎年恒例、森下一仁さんのSFガイドのベストSF2020に投票しました。 今年はこんな感じで。1.『荒潮』陳楸帆 1.5点 現在注目を集める中国SFの勢いを象徴するポストサイバーパンクの傑作で面白かったです。 2.『ライフ・アフター・ライフ』ケイト・アトキンソン…

2020年11月と12月に読んだ本

諸般の事情でやはり読書は停滞気味。まあ例によってあれこれつまみ読みはしているのですが。 今年観た再放送のTV番組に、ナイトランド・クォータリーvol.23特集「怪談(KWAIDAN)」、それから急にハマってきているクンビアなどラテン音楽経由で中村とうようの…

2020年3月に読んだ本

コロナで世界中が混迷状況にあり、個人的にもいろんな問題が生じつつあり今後への懸念も多いのだが・・・それはさておき。 「ナイトランドクォータリーvol.17ケルト幻想」 怪奇、幻想、ほら話と国内外の幅広い短編が載り、井村君江インタビューはじめ、文学…

2019年12月に読んだ本、参加した読書イベント、映画も

もう年内に読み終えられる本がなさそうなので。 『アメリカ怪談集』荒俣宏編 集中No.1は「牧師の黒いヴェール」。牧師が黒いヴェールで他人との間に障壁をつくってしまうというシンプルな話だけでなんでこんなに恐ろしいのか。原罪のイメージが重なられてい…

2019年9月に読んだ本、読書関係イベント

なかなか読書の調子が出ない(諸般の事情もあり)。 『ピカルディの薔薇 幽明志怪』津原泰水 伯爵・猿渡コンビのオカルト探偵ものの傑作といえる『蘆屋家の崩壊』の続編だが、後書きに「似たようなものを書き続けることほど小説家を疲弊させる行為はない」に…

2019年6月に読んだ本

kazuouさん主催の第22回怪奇幻想読書会に参加、kazuouさんも書いておられる通り怪奇幻想色が特に強い会でいろいろ知ることができ楽しかった。 ということでまずは課題図書から。 『イギリス怪談集』 正攻法の怪奇幻想集だったので、個人的には異色作家短篇集…

2019年5月に読んだ本

『郝景芳短篇集』 郝景芳 「折りたたみ北京」の著者の短篇集が登場。1984年生まれで若い頃から文才に恵まれ物理学部に入学、経済学の研究者になったという万能型の天才といった印象の人だが、作風はその科学的な側面と温かな情緒を感じさせる面と両面がある…

2019年3月に読んだ本

もろもろあってかなり少なめ。 『渚にて』ネヴィル・シュート 破滅SFの中では静かに終末を迎える人々を描いていることで知られる。パニックに陥らず日常を送ろうとする主人公たちの姿は美しく切ないが全体的なトーンは古いハリウッド映画のように感じられて…

2019年1月に読んだ本

『ドラゴン・ヴォランの部屋』J・S・レ・ファニュ 「ロバート・アーダ卿の運命」ある人物の呪われた運命が二つの視点から描かれる。話自体の出来もよいが、ジャンルの分化が進んでいない時代の書き方としても興味深い。 「ティローン州のある名家の物語」裕…

2018年11月から12月に観た映画、展覧会、イベントなど

そういえば11月あたりから観た映画をつけてなかった・・・。(「ボヘミアン・ラプソディ」<アラン・ロブ=グリエ レトロスペクティブ>以外) 「メアリーの総て」(Mary Shelley)(2017年) メアリー・シェリー本人とフランケンシュタイン創作の話は、バイ…

12月に読んだ本、怪奇幻想ベストと映画ベスト

『奪われた家/天国の扉』コルタサル コルタサルの「真の処女作」といわれる初期短編集。 「奪われた家」内面的には充足している兄妹で暮らす家に忍び寄る影。不安の描出が巧みで多様な解釈ができるわずか数頁の傑作。 「パリへ発った婦人宛ての手紙」『悪魔…

2018年9月に読んだ本

あんまり読めていないのは相変わらず。『文字渦』円城塔 シミルボンに投稿しました。 shimirubon.jp『リズムがみえる』トヨミ・アイガス/ミシェル・ウッド(日本語版監修ピーター・バラカン) シミルボンに投稿しました。 shimirubon.jp (サウザンブックス…

2018年8月に読んだ本、と行ったイベント

もう8月も終わり。 『機械じかけの夢』笠井潔 長年通読できていなかった名SF評論集。初めて出会ったのは30年以上前でほとんど歯が立たないといった状態だったが、さすがにこちらも経験値が上がったせいか把握しやすくなってきて、面白かった。正直まだまだ…

2018年7月に読んだ本、読書会

7月はなんだか読了本が少ないな・・・。 まずは参加した読書会の話でも(笑)。 第15回怪奇幻想読書会に参加。 第1部は課題図書フィニイ『ゲイルスバーグの春を愛す』。フィニイは数年前に初めて読んだくらいで、ここのところ入手困難な状態の本が多く同書と…

2018年6月に読んだ本、とイベント

6/23には丸屋九兵衛さんのトークイベントダブルヘッダー。 Soul Food Assassins vol.6 は黒人英語の歴史的な背景からくる文法の話など面白かった。スラング、とステレオタイプに軽んじられる問題についてはしつこく訂正をしないといけないことがよくわかる。…