異色もん。

ドラえもん、もやしもん、くまもんに続く第四のもん。いつか鎌倉の老人になる日まで。

筒香にまつわるいくつかの誤解

 ドン底だったわれらがベイスターズをどうにか<普通の>チームに持っていった最大の功労者といってよい筒香。長年の夢であるメジャーリーグ挑戦を果たすも、やはりその道は険しく、戦力外になること二回。もう無理かと思ったところから、まさかの快進撃。これまでプロ野球からチャレンジした選手ではみられないパターンとなった。なにはともあれファンとしてめでたい限りである。
 しかし注目を集める一方、Twitterではいくつかの誤解が生じている。さすが弱小チーム出身者、扱われる情報が少なかったからなあ・・・。ただやはり気になるので、ここで誤解を解いておきたい。

その1.アナウンサーが、「ツツギョー!」と絶叫しているのは発音できないせい?
 普通に考えて、そんなに難しくないですよねえ、tsutsugoの語尾。あれってtsu-tsu-tsu-gio!みたいな発音ですよね?そもそもtsuが一つ多いですよ?

www.youtube.com
 もちろんこれはPhil Collinsの往年のヒット曲からです。
youtu.be
いや当ブログ主も語呂合わせのクォリティが高いとは思っていないですよ。自分の気に入ったネタをゴリ押ししている感が強いし、そもそもネタが古い。案の定、アナウンサー60歳とな(苦笑)
パイレーツ・筒香2戦連発に「ツ、ツ、ツ、ギョー!」名物実況も大興奮!元ネタはフィル・コリンズの名曲― スポニチ Sponichi Annex 野球news.yahoo.co.jp

 まあでもね、発音ができていない、というのは違うでしょう。それはさすがに失礼。

その2.突然の活躍はパイレーツというチームの水が合ったから?
 うん、そういう面がなかったとはいえない。しかし、そんな簡単な話でもない。筒香がマイナー落ちしてから知ったのだが、今はマイナーリーグもリアルタイムで試合の経過が追える。

www.milb.com
 筒香が心配でたまらないファンたちは、OKC Dodgersの筒香出場試合はハラハラしながら見ていた。当初マイナーでも、打撃は上向かず、「これはほんとうにマズいかも」とおそらく皆胸を痛めていたに違いない。ましてやふくらはぎ痛で欠場、もう完全に追い込まれたかに見えたのだ。ところがほどなく復帰すると徐々に成績が向上、そこからパイレーツ移籍に至る。以下の記事にあるように、打撃が改善し、他チームと交渉できるチャンスが生まれたから、ドジャース自由契約になったのだ。そしてチーム事情によっては、他チームとの契約も許すという度量の大きさもあった(もちろんレイズが年俸を負担しているという気楽さはチームにもあったろうが)。筒香自身、活躍後もドジャースに感謝をしている。
column.sp.baseball.findfriends.jp
hochi.news
ということで、ドジャース筒香の再生に大きく関与しているといえそうだ。実際ドジャース筒香獲得をした際には、現在レギュラーであるマックス・マンシーやジャスティン・ターナーを再生した自信があったからだという記事もあった。
news.yahoo.co.jp
 当ブログ主は基本KCロイヤルズとNYメッツを応援しているが、ナショナルリーグ西地区ではなんといってもバスター・ポージーのSFジャイアンツを贔屓にしている。当時から常勝チームであった同地区ライバルのドジャースに何度となく苦汁を舐めさせ、ワールドシリーズ制覇本命といわれていたタイガースを撃破し、5年の間に3度もチャンピオンになった勝負強さに心を奪われたのだ(その中心が強打のキャッチャーのポージーであり、強打のエース(笑)のバムガーナーだ)。なので、本来はアンチドジャースの立ち位置だ。スター選手をジャンジャン獲得するチームは元々好きではない。なにしろホエールズベイスターズファンだ(苦笑)。しかしスター選手をかき集めるだけではない、ドジャースの底力(と度量)を筒香の再生で思い知った。そこは素直に脱帽だ。やはりドジャースは現在のメジャーリーグのコア中のコアとなっているチームといえるだろう。また筒香の最初のチームとなったレイズもタイミングこそ合わなかったものの、筒香のポテンシャルを正しく評価していたし、条件を考慮して(負担を受け入れて)リリースした。メジャーリーグでの評価法の正確さ、そして契約はシビアな一方で、選手の可能性を簡単にはつぶさない姿勢や仕組みがあることに感心した。
その3.筒香は食事に苦しんでいた?
 ほんのわずかといっていい程度だが、日本人選手と日本食、なんてネタがらみで筒香が出てきたりする。これもうーんとなるんだな。筒香はレギュラーになってもドミニカのウィンターリーグに参加したりしていた。

sportiva.shueisha.co.jp
 今から思えば、これもメジャー挑戦が視野に入っていたに違いない。イレーツに入団した頃のインタビューで食事に関してこんな話が出ていた。


 冗談っぽく「ピッツバーグにチポーレはあるの?」「あるならオレは大丈夫」といっている。チポーレ(チポレ、チポトレともいうらしい)は記者のtweetにあるようにメキシカンファーストフードのチェーン。ウィンターリーグ仕入れた情報か、アメリカに行ってからかはわからないが、お気に入りのところ(でどこでも行けそうなところ)をちゃんと見つけているのだ。
tripnote.jp
 なにせメジャーリーグは彼の長年の夢。いろんな機会に情報収集し、準備をしていたはずで、食事も年単位のレベルで覚悟して渡米していると思いますよ。
その4.最近の筒香は大谷と入れ替わっている?
 最大の問題はこれだ。これについては検証ができていない。ただひょっとするとひょっとするのではないかと疑っている。識者の意見を待ちたい <そんなオチか

2021年8月に観た映画やTV番組など

メジャーリーグ2(1994)
 1は好きだが、2はちゃんと観たことがなかったような。1から5年も経っていたのね。話は、1で奇跡の快進撃をしたチームがすっかりゆるんで、という流れ。冒頭にシューレス・ジョーの「嘘だと言ってよ、ジョー」のパロディがあるね。ただまあ、他にいろいろわからないギャグがありそうだな、字幕も十分には拾えてないっぽいし。それから現在では、ジョークさすがに文化面等でいただけないところが多々あるね(おそらく見直せば1もそうなのだろう)。それでも、若手が投手への返球だけできないというイップスっぽいネタが既に出てるとか、石橋は野茂より一年早くメジャーリーガーになってるとか、本塁での衝突があるポージー・ルールの前とかいろいろ気づくことはある。ウィリー・メイズ・ヘイズは前作のウェズリー・スナイプス(そうだったっけ⁉︎)、からオマー・エップスになり、先日観た「ジュース」のQ役ではないか!北野武の映画にも出てるんだな、知らなかった(BROTHER)。あと傲慢で、すぐライヴァルのホワイトソックスに移籍する捕手を演じていたデヴィッド・キースは「愛と青春の旅立ち」に出ていたみたい(覚えていないが、wikiとかで役はなんとなく思い出した。主人公の友人で悲劇的な目にあう人だな)
メジャーリーグ3(1998)
 邦題は3だが、原題Major League: Back to the Minorsで、スピンオフといった位置づけのようだ。すっかり忘れてたが、もしかしたら、これは観たことがあったかもしれない。まあ基本的には同じテイストで、シリーズ第3弾ということで問題ないかな。 2からさらに4年、1から9年経ってるという意外とダラダラしたシリーズだなあ。多少homophobicだったり、主人公が昔気質だなというのは古い映画なのでどうしてもあるが、コメディとしてアウトなほどではないかな。長男と観てたら、これはメトロドームで東京ドームがモデルにした球場てはないかといわれなるほどと思った(いつの間にオレより詳しくなってんだよ(苦笑)。当時の球場の記録が残ってるのはファンにとって嬉しいかも。
・トレーニング デイ(2001)
 デンゼル・ワシントン演じる不法行為もバンバン行う先輩麻薬取締官に振り回される新米警官の話。デンゼル・ワシントンはこれでアカデミー賞主演男優賞を獲ってるんだな。たしかに、独善的だが魅力も備えている人物を好演している。また通常のエンターテインメント刑事映画に比べ、実際のLAらしいストリート感がよく出ていて、白人社会と黒人社会のルールの違いに関する視点もある。と思って調べたら、黒人監督作品なのね、なるほど。車椅子の麻薬売人役とはスヌープ・ドッグらしいシャレっ気だが、Dr.ドレやメイシー・グレイも出てたのね。そうそうトム・ベレンジャー(メジャーリーグ)も。
伝説巨神イデオン 接触篇・発動篇(1982年)
 あまり予備知識がないのだが、旧友たちが絶賛していて、長く(<長過ぎ)気になっていたがようやく観た。TVアニメをまとめたものなのでかなり駆け足な上に飛躍も多々あるのはまあ置いておいて、冒頭か戦闘が続く陰惨な展開、登場人物たちの関係もヒリつき次々に登場人物たちが非業で無惨な死を重なるというヘヴィな作品。そして最後はとんでもないテンションとスケールのエンディングに。なるほど大きなインパクトを与えたのもわかる。WOWOWプラスの<アニメ術>録画で観たので富野由悠季の考え方もわかり面白かった(『未知との遭遇』を目指したが、いまだに評価してもらえていないなど)。
 ちなみに多くのロボットアニメでもファンタジー的な伝説の要素が土台になっているのかなとも感じた。それが、原点がハードSF(かつそこに批評的なニューウェーヴの視点が合流)の自分には縁遠い感じだったようにも思ったり。
ウルトラQ 
 も観てるよ(見逃しちゃったのもあるけど)。印象に残った回について。
第14話 東京氷河期  
季節労働者がポイントとなるなかなかヘヴィな社会状況が反映されているがあっさりとした表現に思えるのが時代の違いか。
第15話 カネゴンの繭 ちゃんと観たのは初めてかも(一方で、オチはなんとなく記憶にあった気もしたり)。子どもたちの世界に視点があり、誇張された大人の登場人物たちがからみ寓話的なエピソードが連なる、楽しい作品だ。レギュラーメンバーが登場しないのも演出としては当然か。イデ隊員の二瓶正也や脇役でお馴染みの野村昭子が出てくる。特撮ものでお馴染み造成地の工事現場や土管に遊び場にする子どもたちといった当時らしい風景も、今となっては味を添えている。
第19話 2020年の挑戦 マン・レイ風(?)の映像効果や遊園地の悪夢的な場面などシュルレアリスムの影響がよく出ている印象がある回。また宇宙人の巨大化などウルトラマンのフォーマットの原型を感じさせるなど重要なエピソードと思わせる。面白かった。

2021年8月に読んだ本

 調子はまあ同じですかね。
 他にランダムにいろいろ読んではいるんですが、読了本数としては低調ですね。今月はちょっとクラークを読んでました。
『太陽系最後の日』(ザ・ベスト・オブ・アーサー・C・クラーク 1)
 いわゆる<方程式もの>の先駆、「破断の限界」が面白かった。他「幼年期の終わり」「都市と星」などの作品に直接間接に連なっていく作品が並び、クラークの着想や視点を垣間見ることができる。ただ、表題作の<人類スゲー小説>(©️瀬名秀明)のノリはさっぱりわからない(当方のSF原体験が敗戦の屈折した感情から生まれた日本SFだからだろう)。あと、クラークは現代SFの源流といえる作家なので、そこにいたる英米のSFのルーツ・影響をコンパクトに振り返る中村融氏の解説も素晴らしかった。SF史がすっきり頭に入る内容。
『白鹿亭綺譚』アーサー・C・クラーク
 クラーク版ほら話=バー・ストーリー(ダンセイニのジョーキンズに直接の言及も作品中にある)。いかにもクラークらしく荒唐無稽な話をハードSFに落とし込んでいく短編集。こちらも安田均氏の解説が素晴らしく、トール・テイルのあらましとSFジャンルにおけるトール・テイルものの紹介が記されていて、参考になる。以下印象的だった2作について。
「隣の人は何する人ぞ」日本人科学者が登場するが、文明と核、人類全体への悲観など日本SFの本質を捉えていることに驚かされる。実作にあたっているとは思えないので本質を見抜くことができるということなのだろう。さすがである。
「尻ごみする蘭」ウェルズの短編みたいだなと思いながら読んでたら「めずらしい蘭の花が咲く」の作品名まで言及されていた。そんな大らかさが(オチなど含め)時代を感じさせる。
 『太陽系最後の日』と合わせ、いわゆるSFアイディアは余さず扱っていたのではないかというくらい様々なアイディアに挑戦している(まあ翻訳されているものでも未読は沢山あるのだが)。最もSF作家らしいSF作家といえる人だろう。ただ、全体に大らかなセンスにはどこか合わないところを感じてしまう。この辺は相性の問題としかいいようがないのだが。

丸屋九兵衛イベント7-8月は<万物評論家と真夏のテレワーク・デイズ>

丸屋九兵衛イベント7-8月は<万物評論家と真夏のテレワーク・デイズ>。
また聞いたよ!
・【Soul Food Assassins vol.23】ジョージ・クリントン地球降臨80周年記念! アフロフューチャリズム祭
 個人的に深めたいと思っているアフロフューチャリズム研究なのだが、なかなか進んでいない…。ということで、とりあえず今回も丸屋さんから情報収集。ありがたや。白人によるアフロフューチャリズム作品の紹介、現実のアフリカとのつながりが希薄な米国黒人によるアフロフューチャリズムと、アフリカの実情の記憶がある作家によるアフリカンフューチャリズム双方への思いなど、語れるのは丸屋さん以外にはあまりいないだろう。なにはともあれ、丸屋さんはディレイニー作品では『ノヴァ』がご贔屓と知る。
・【Q-B-CONTINUED vol.61】オリンピック強行開催記念! 誤算と無能と大失敗の人類史
 折しも信じられない状況で国際イベントが行われたアジアのどこかの国(嘆息)。思わぬ方向から、初期設定の間違いを乗り越えた事例が紹介され、丸屋さんらしいメッセージで になっていた。ストロスも登場。
・【Q-B-CONTINUED vol.62】終戦記念日に振り返る冷戦時代。スパイ映画からSFまで、エンタテインメントで東西対立を眺めると
 東ベルリンからの亡命者でイメージほど死者が多くないとか、冷戦にも知らないことがいろいろあるのだな。とりあえずシェイプ・オブ・ウォータースタートレック6は観ないとなあ。

2021年7月に観た映画やTV番組など

 
・追憶(1973)
 1944年〜50年代のNYーハリウッドを舞台にした恋愛映画。バーブラ・ストライサンドは日本では(おそらく一部の世代以外には)あまり人気がない印象があって、自分も正直惹かれたことはない。ただNHKBSでこの作品が放送されていたので、ふと思い立ち録画視聴。本国での評価と差があるアーティストには文化の差がよく出たりするよね。政治運動に没頭していく女性像に、本人のユダヤの出自が重ね合わされているだろうことがわかる。彼女の位置づけは、おそらく歌手・舞台女優としての評価とユダヤ系であることからくる政治意識の高さもあってのリスペクトもあったのではないかと思う。日本でとらえがたいのもまあ仕方ないかな。さて作品そのものは恋愛ものに当時学生政治運動の文化などが織り込まれ、しっかりとしたつくりの作品だ。懸命なあまり少々鬱陶しい感じもある女性とソフトで保守的な振り回され気味の男性に存在感があり、バーブラ・ストライサンドロバート・レッドフォード共にハマり役だ。(一部だが)NYものの系譜としても個人的にはうれしい。ただまあ古きなんたらというか、政治的真面目さもホワイトウォッシュ枠内の限界を感じてしまう。またバーブラ自身の考え方を知るには、女性差別を扱いユダヤ系文化がテーマになっているらしい、監督・主演した『愛のイエントル』(原題Yentl)(原作はアイザック・シンガー)を観た方が良いのだろう。なかなか入手困難だけどね。
・ジュース(1992)
 2pacの映画デビュー作。ケチな盗みをするスラムの仲間たちが、銃を手に入れ、強盗を企てる。店主をちょっと脅す程度の計画だったが、射殺してしまい、彼らの人生が狂い始める。2pacは、一丁の銃を手にしたことで歪んだ内面が顕在化する若者を好演。主役のQが、2pacに食われたのはやむを得まい。途中2pacが感化される白黒映画はWhite Heat(1949)ぽい。
・間違えられた男(1956)
 強盗に間違えられ、警察に拘留された男の話。調べてみると1950-60年代前半は有名作品がズラリと並ぶ、いわばヒッチコックが油が乗り切っていた時代。ストーリーはシンプルで、むしろカメラワークや音楽で主人公演じるヘンリー・フォンダの高まる不安感が巧みに表現されている作品。実際の事件を扱っているらしく、ラストの文字解説で何とか衝撃を薄めようとしているが、映画の不幸な結末自体は事実が反映されているようだ。https://en.m.wikipedia.org/wiki/The_Wrong_Man  
・ダイヤルMを廻せ!(1954)
 これ倒叙型ミステリーなのね。再見だが、60年以上前とは思えないシャープさだな。謎解きの見せ方のトリッキーぶりとかシンプルな人間関係とか、刑事コロンボの良いお手本といった感じ。今だと映画でこのシンプルさはさすがにないと思うので、TVドラマの方に影響を与えているといえそう。
・NHKBS ダークサイサイドミステリー「“ヒトラーの予言者”謎の霊能力者ハヌッセンの野望」
 佐藤亜紀先生が出ているということで録画視聴。なるほど悪漢やら有象無象の人物を描く先生が出演されるのもうなづける題材だ。権力にすり寄ろうとした自己愛の強い、いかがわしい人物。いやー面白かった。怪物じみた人物がいくらでも出てくるなこの界隈。恐ろしいともいえるが。佐藤先生のシャープな分析も流石。