異色もん。

ドラえもん、もやしもん、くまもんに続く第四のもん。いつか鎌倉の老人になる日まで。(単なる読書系ブログです)

読書(ミステリー)

2022年3月に読んだ本と100分で名著ポー・スペシャル

◆『ニュー・ゴシック―ポーの末裔たち』鈴木晶・森田義信編訳 1992年刊行の日本で編訳された本。「偉大なアメリカ小説(グレート・アメリカン・ノヴェル」の伝統から長編を中心としてきたアメリカ文学の歴史が、1960年代以降変質して短編小説が大きな潮流とな…

2021年11月に読んだ本と聴いたイベント

イベントの方から。ヨーロッパ文芸フェスティバルというのが11/17~11/26オンラインで開かれていることを知り、またレムの企画もあったのでちょっと聴いてみた。いろんな大使館が協力している企画のようだ。 eulitfest.jp ◎日常の亀裂~恐怖を描くこと – ヨ…

はてなブログ10周年特別お題「好きな◯◯10選」に挑戦!(短篇集10選!新しめで)

はてなブログ10周年特別お題「好きな◯◯10選」はてなブログ10周年か。 hatenablog.com ブログ自体は2006年で15年前からやっているけど、前のブログからこちらに引っ越したのが2013年11/23。 funkenstein.hatenablog.com おお、引っ越しは11月だったんだな。と…

2021年9月に読んだ本と読書会など

なんとなく数年来(苦笑)たまっていた雑誌などを消化することが多いです。雑誌は全部読むのは大変なので、創作などそこそこ読んだものという感じ(それから、感想も随分前に読んだものが結構含まれてる)。 ◇群像 2019年1月号 ○フィクション 「命日」瀬戸内…

2021年7月に読んだ本、SFセミナーも参加

調子はまあまあ、といった感じです。 『夢の木坂分岐点』筒井康隆 サラリーマンの主人公が、多重的な人生を夢経由で移行していき、全体がメタフィクション化する幻想文学作品。ただユングやフロイトを背景にしたところやサラリーマンの生活や内面といったフ…

2021年3月に観たTVドラマ、ドキュメント、映画など

・シリーズ江戸川乱歩短編集 - NHK NHKの満島ひかりの乱歩シリーズ、今回は少年探偵団もの。期待通り面白かった。アニメなど変化に富んだ映像表現も良かったが、特にキャスティングがツボ。仲本工事、坂井真紀など、こちらの年齢層をターゲットにしていたの…

2020年8月に読んだ本(スプロール・フィクション特集で少し調べてみました)

少し早めに更新。 久しぶりにシミルボンに投稿しました。 筋金入りのパンクSF。かなり激しい小説だが、多く読者に手に取ってほしい作品である。 『タイムラインの殺人者』アナリー・ニューイッツ →早川書房のリンク SFマガジンを読んだ。 まずは(進みはのろ…

TH No.83にレビューが掲載されます! あと2020年7月に読んだ本

発売中のTH No.83 『音楽、なんてストレンジな!〜音楽を通して垣間見る文化の前衛、または裏側』で、特集で韓国ロック黎明期を描いたイ・ジン『ギター、ブギー、シャッフル』、特選品レビューで陳楸帆『荒潮』を紹介しました。今回は音楽特集ですよ~♪よろ…

2019年9月に読んだ本、読書関係イベント

なかなか読書の調子が出ない(諸般の事情もあり)。 『ピカルディの薔薇 幽明志怪』津原泰水 伯爵・猿渡コンビのオカルト探偵ものの傑作といえる『蘆屋家の崩壊』の続編だが、後書きに「似たようなものを書き続けることほど小説家を疲弊させる行為はない」に…

2019年7月に読んだ本

7月はいろんなつまみ読みが多くて、雑感としても書けるのはこの程度 『愛なんてセックスの書き間違い』ハーラン・エリスン SFアイディアがない分、エリスンのエモーショナルな面がわかりやすく出ていて面白い。自信満々に見えたエリスンだが、解説にある「自…

2019年3月に観た映画・美術展

『恐怖の報酬』(Sorcerer)(1977年) William Friedkinのサスペンス映画ということで観に行ったが、実は1953年の作品Le Salaire de la peurのリメイクなのね。わけいありの男たちが高い報酬目当てにニトログリセリンの運搬を行うという筋立て自体がよい。…

2019年3月に読んだ本

もろもろあってかなり少なめ。 『渚にて』ネヴィル・シュート 破滅SFの中では静かに終末を迎える人々を描いていることで知られる。パニックに陥らず日常を送ろうとする主人公たちの姿は美しく切ないが全体的なトーンは古いハリウッド映画のように感じられて…

2019年2月に観た映画など

『悪霊島』(1981年)(TV視聴) 1月に観ていた。再見だったが、結構話を忘れてたのでそのままミステリとしても楽しめた。鹿賀丈史は金田一耕助この映画だけなのね。世代的にCM何度も見てたせいか何度かやってたかなと思っていた。古いインプットは強いものが…

2019年1月に観た映画など

「ど根性物語 銭の踊り」(1964年)(TV視聴) 若かりし勝新がその腕っぷしと気っぷの良さから正義のための殺し屋(現代の必殺仕事人)として闇の組織にヘッドハントされるという、なんとノワールもの。とはいえ、闇の組織はあっさり親分ともめ始めるし勝新ら…

2018年11月から12月に観た映画、展覧会、イベントなど

そういえば11月あたりから観た映画をつけてなかった・・・。(「ボヘミアン・ラプソディ」<アラン・ロブ=グリエ レトロスペクティブ>以外) 「メアリーの総て」(Mary Shelley)(2017年) メアリー・シェリー本人とフランケンシュタイン創作の話は、バイ…

2018年11月に読んだ本

『オスマン帝国 イスラム世界の「柔らかい専制」』鈴木董 当ブログ主が現在最もはまっているのがTVドラマ「オスマン帝国外伝」なのだが、おかげでオスマン帝国自体にも興味が出てきた。で、丸屋九兵衛さんの選書フェアで並んでいた本書を読んでみた。奴隷上…

2018年10月に読んだ本

『記憶よ、語れ』ウラジミール・ナボコフ ナボコフの自伝。激しく社会変動し戦争の世紀でもあった20世紀、個人としても貴族の家系で祖国を追われるなど歴史の波にのまれてきた傑出した作家がなにを見つめたか。そうした様々な歴史的な出来事との関わり、ある…

『怪奇小説傑作集2』英米編Ⅱ

kazuouさんの怪奇幻想読書俱楽部に参加しているので、まずは『怪奇小説傑作集』は読まないと。というわけでようやく2。(でも3は読んでるんで1~3まで終わったんですよ!<誰へのアピールか(笑) 2巻は1巻の19世紀末から半世紀、20世紀前半の作品が収録。「…

2016年(11月までに)観たTVドラマなど

落穂拾い的備忘録の続きで、TVドラマ。リメイク版『ルーツ』 全米で今年放送されたばかりのもの。オリジナルは一度しか観ていないので差について詳しくはいえないが、描写だけではなく、ストーリーの方もよりハードになっていたかな?大変素晴らしかった。個…

『虚構の男』 L・P・デイヴィス

"唖然とする展開、開いた口がふさがらなくなるラスト……早すぎたジャンルミックス作家L・P・デイヴィスによるストーリー紹介厳禁のサプライズ連打小説! 本邦初訳。時は1966年、イングランドの閑静な小村で小説家アラン・フレイザーが50年後(2016年!)を舞台に…

『ブラウン神父の知恵』 G・K・チェスタトン

“「どこかおかしいんです。ここまで正反対にできているものは、喧嘩のしようがありません」―謎めいた二人の人物に隠された秘密をめぐる「イルシュ博士の決闘」。呪われた伝説を利用した巧妙な犯罪。「ペンドラゴン一族の滅亡」など、全12篇を収録。ブラウン…

『新ナポレオン奇譚』 G・K・チェスタトン

“1904年に発表されたチェスタトンのデビュー長編小説、初の文庫化。1984年、ロンドン。人々は民主主義を捨て、籤引きで専制君主を選ぶようになっていた―選ばれた国王は「古き中世都市の誇りを復活」させるべく、市ごとに城壁を築き、衛兵を配備。国王の思い…

『ウィスキー&ジョーキンズ:ダンセイニの幻想法螺話』ロード・ダンセイニ

“ダンセイニの人気シリーズ、待望の邦訳。初老の紳士ジョーキンズがウィスキーを片手に、実話と称して語り出す若かりし日の思い出。香り豊かで軽やかなテイスト、心地よい後味にほろ酔い気分。どこから読んでも楽しめる愉快な短篇23作。”(amazon紹介より) …

『アメリカ語を愛した男たち』小鷹信光

ハードボイルドの紹介で知られる翻訳家・ミステリ研究家である著者のエッセイ集。ハードボイルド小説は古典含めほとんど読んでいないのだが興味はあり、以前買った『“新パパイラスの舟”と21の短篇』が面白かったこともあり、今回ブックオフで初めて見かけす…

『太陽黒点』山田風太郎

“昭和30年代後半の東京。才気に満ちた美貌の苦学生・鏑木明は、アルバイト先の屋敷で社長令嬢・多賀恵美子と出会い、偶然にも特権階級への足掛かりを手にする。献身的だが平凡な恋人・容子を捨て、明は金持ち連中への復讐を企て始める。それが全ての悲劇の序…

『歩道橋の魔術師』呉明益 『流』東山彰良

去る8月19日丸善&ジュンク堂渋谷店で行われた<豊崎由美さんの読んでいいとも!ガイブンの輪>第40回に参加した。今回はアジア文学特集ということでブログ主はまだあまり読んでいないジャンルの貴重なお話をうかがうことができた。中でも2012年に旅行をした…

『プロット・アゲンスト・アメリカ もしもアメリカが・・・』フィリップ・ロス 『ユダヤ警官同盟』マイケル・シェイボン TV映画『ヒットラー』

ナチスのユダヤ人差別をテーマにした歴史改変ものを続けて読んでみた。 もしも第二次大戦時に元飛行士で反ユダヤ主義者リンドバーグが大統領になっていたら・・・。 7歳の少年の目線で差別にさらされる恐怖と家族・民族・国家を描く、ロス最高傑作とも評され…

『さよなら神様』 麻耶雄嵩

いちおう子供向け叢書であるはずのミステリーランドから出た『神様ゲーム』だが、お構いなしのオチで読者の度肝を抜いてその曲者ぶりをいかんなく発揮した著者の同じ設定による続篇。2015年本格ミステリ・ベスト10の第1位を獲得するなど各種ミステリランクの…

『チャーリー・モルデカイ1 英国紳士の名画大作戦』 キリル・ボンフィリオリ

30年も前に存在していた文庫のまさかの解説本『サンリオSF文庫総解説』が登場して驚かされたが、それからほどなくして飛び込んできたのがこのモルデカイシリーズの刊行のニュースだった(ジョニー・デップの映画化の話はその一年前に知っていた。ちなみにtwi…

Before mercy snowを読んで

殊能将之氏が亡くなられて、その出身である名古屋大SF研究会から会誌などの原稿を集めた同人誌、「Before mercy snow 田波正 原稿集」が出た。氏の若き日の様子を垣間見ることの出来る貴重なものである。 殊能将之は以前書いたように自分にとって特別な作家…