異色もん。

ドラえもん、もやしもん、くまもんに続く第四のもん。いつか鎌倉の老人になる日まで。(単なる読書系ブログです)

2014-12-01から1ヶ月間の記事一覧

『売女の人殺し』 ロベルト・ボラーニョ

久々のバーチャル世界旅行(まだ一応あきらめてないシリーズ(笑) チリ生まれでクーデターに遭遇するなどメキシコやヨーロッパを放浪した作家。今回初読。特に面白かったものに○。 「目玉のシルバ」○ 中南米からヨーロッパを転々とする主人公は同じく転々と…

『全滅領域』<サザン・リーチ>1 ジェフ・ヴァンダミア

ジェフ・ヴァンダミアの名を初めて知ったのはSFマガジン2004年6月号のスプロールフィクション特集Ⅱだったと思う。このスプロール・フィクション、保守化していく主流派に対しジャンルを越境し革新を図っていく伴流<スリップストリーム>文学をギブスンのス…

第26回SFマガジン読者賞に投票

第26回SFマガジン読者賞投票した。 来年からSFマガジン隔月になるということで、ちょっと今回は区切りとしてなるべく読み切り作品を読んで投票してみることにした(もちろん誰に頼まれた訳でもないが(笑) なにはともあれ期限が近付いたのでとりあえず投函。気…

『白き日旅立てば不死』 荒巻義雄

ご覧のように古書の方を読んでの感想です。「ある晴れた日のウィーンは森の中にたたずむ」の長篇版という認識だったが、大分印象が違う。「ある晴れた~」は主人公と宿命の女ソフィーとの関係がルーレットによる確率性に翻弄され幻想的に歪んでいくウィーン…

映画『ホビット 決戦のゆくえ』『インターステラー』

2本観てきた。 (以下どちらも内容に触れるので未見の方はご注意を)『ホビット 決戦のゆくえ』 ホビット3部作のいよいよ完結編。『ロード・オブ・ザ・リング』3部作からずっと観る者を魅了し続けてくれたピーター・ジャクソン監督有難う!(感想終わっちゃった…

『みずは無間』 六冬和生

復活したSF作家の登竜門ハヤカワSFコンテスト第1回の大賞受賞作。 平凡な理系大学生である雨野透の人格が転写されたAIを搭載した無人探査機が宇宙を旅していく話。寂しい宇宙空間でまれに起こる他のAIとのコンタクトや退屈しのぎに行った一人遊びが気が遠く…

『向井豊昭傑作集 飛ぶくしゃみ』向井豊昭著 岡和田晃編

新進気鋭の評論家として多方面でに活躍の場を広げている岡和田晃さんとは当ブログ主は以前からやり取りをさせていただいておりSF関係のイベントなどでもお会いしているが、その岡和田さんが再評価に尽力をされているのが向井豊昭である。本書はその著作の一…