絶賛体調不良中の現在だが、ちょっと前にいろいろ行った疲れも原因の一つではあるなー(体力の低下を実感(悲)。
9月21日にはBlue Note Jazz Festival Day1へ。
bluenotejazzfestival.jp
ジャズフェスとは名ばかりで、この日はいわゆるジャズミュージシャンはゼロだね。
ACT1 .ENDRECHERI.
堂本剛だけではないが、元ジャニーズについてはジャニー喜多川の件を無視して言及するのは難しい。彼らの多くが(理由はどうあれ)言及を避けているので立ち位置がわからないことも、逆に触れざるを得ないところがある。性的加害が長年放置されていた構造上の問題含め、加害者側ではないとしても、個人としてはともかく集団としてでもいいのでなんらかの態度の表明があってもいいのではないかと思う(たとえば堂本光一は決別を宣言しているが、決別したという以前に直接態度を表明しているところが評価できる)。
音楽自体は大変素晴らしいものであった。P-Funkの本質的な部分、性的な要素を含むユーモア、グルーヴ全てを正統に継承するファンクを展開していた。解像力と演奏力の高さは特筆すべきものだ。たしかTV番組でギターを始めたという流れだったと思うが、ここまでに至る道のりの努力は尋常ではないものがあるだろう。そしてその真摯さは現況を反映したものかもしれない。(俳優業の方もやっていることは知っているが)彼のキャリアが問題のあった人物に引かれたレールであるという批判はおそらく長く続くであろうし、そのこともよく理解しているだろう。元々ファンクは垣根の低さの一方で(Princeが典型的だが)精神性の高い音楽である。よりその精神性を突き詰めていく方向に彼は進むのではないかという予感がする。もはや彼には音楽しかないのかもしれない。
ACT2 Tank and the Bangas
ニューオーリンズのバンドで、いかにもニューオーリンズというよりはヒップホップの感覚を通過した、現代ブラックミュージックという感じ。新進気鋭(グラミーの新人賞も受賞しているっぽい)ということだが、個人的には突出したなにかを感じることが出来ず今一つだった。
ACT3 Misia and Takuya Kuroda Band
日本のディーヴァとしてもう別格の存在として扱われるMisiaであるが、ライヴは初めて。どちらかというと初期の曲が好きで、バラードよりリズミカルな曲の方ばかり愛好する当ブログ犬にも嬉しい選曲。もちろんバラードも見事。脂の乗り切ったトップシンガーの最高のパフォーマンスを体験することができて大満足。素晴らしかった。
ACT4 Parliament Funkadelic feat. George Clinton
御年83歳となるP-Funk総帥George Clinton。ライヴ引退じゃなかったんかい!というツッコミをよそに、来日も当ブログ犬は体力的に無理なフェスへの出演があり、涙をのんでいたが、今回は屋内。いやあまたお目にかかることができるとはありがたやありがたや。元気なお姿に信者としては後光が差して見えましたわ。いうことはありません。ただただ最高。
ACT5 Nas
体力的な限界もあって、序盤だけ観て帰宅(ファンの方ゴメンナサイ)。でもすごく良かったです。本格的なヒップホップのライヴは恥ずかしながら初めてで、お客さんの雰囲気だとか盛り上がりのタイミングとか未体験のものがあって発見が多々あった。またトリだけあって、ステージの映像効果も豪華でカッコよかったね。ちゃんとヒップホップの単独公演をNasあるいは他のアーティストでも観てみたいな。
楽しかったが半日でもこの時の疲労が間接的に影響してか体調を崩したので、参加方法をこれからは検討しないとな(情けなやー)。
ちょっとしたきっかけがあって、10月30日は生まれて初めて宝塚公演を観た。
kageki.hankyu.co.jp
『記憶にございません!』三谷幸喜の政治風刺映画の舞台化(映画は未視聴)。首相が記憶を失ってしまうが、それを隠して活動することによって起こる騒動を描くコメディ。
序盤に音楽をメドレーでテンポよく畳みかけ、ある程度キャラクターや話の骨格を見せてから地のお芝居が始まるというかたち。雑感を並べると
・男役めちゃカッコええ!脚長!
・出演者多!壇上で人がいっぱい!
・音楽パート多!生オーケストラ最高!
元の映画がどうかはわからないが、選挙キャンペーンで登場するアイドルグループがダンスとかいかにもそれっぽいというところもベタながら可笑しかった。あまり観劇経験はないのだが、ミュージカルはやはり楽しいね。特にラテン、ファンク風、和風などなどくるくると曲調が変わり飽きさせない。少々諷刺が甘めなのが、惜しかったが、内容的にはタイムリーな題材でもあった。
それから主人公の首相と野党の政治家、首相の妻と政治秘書のダブル不倫が上下の舞台組みで同時進行するというなかなかしゃれた演出があったのだが(歌も重なるという凝りぶりがニクい)、ここで女性の方が男性に迫るという図式になっているのが良かった。インモラル要素を含みつつ、女性をエンパワメントするところはフィクションの特性をよく生かした宝塚らしさなのかもしれないとちょっと思った。
観客層にも驚かされた。もちろん予想通り圧倒的多数が女性なのだが、時に老夫婦、男性単独客、10代らしき若者、親子連れと年齢層の幅ではこれまでにいろんなジャンルの公演で見たことのないものだった。非常に新鮮な体験であった。
宝塚もまたハラスメントの問題が残念ながらあった。報道にも注視していきたい。
www.kyoto-np.co.jp