異色もん。

ドラえもん、もやしもん、くまもんに続く第四のもん。いつか鎌倉の老人になる日まで。(単なる読書系ブログです)

復活!丸屋九兵衛トークイベント!2023年6-7月

 丸屋九兵衛さんの単独トークイベントは1年ぶりとのことで、あれ?そんなに間が空いていたっけ??と思ったら、たしかに前回は1年前だったわ...。
funkenstein.hatenablog.com
(関係ない『ベースボール・イズ・ミュージック!』の表紙が表示されてしまっているが(苦笑)
 で、<BLACK MUSIC MONTH 2023 / HIP-HOP 50 YEARS!>ということで今回も視聴。
 今回はなかなか明るくならない(少しずつは聴いているのだが)、しかも丸屋さんの専門(の一つの)ヒップホップということで知らなかったことが沢山あって面白かった。
①【Soul Food Assassins vol.30】ヒップホップ哲学を読み解く15のエピソード! 50年の歴史を彩る、リスペクト&バトル&ユニティの物語
 ヒップホップ創成期の文化の話が特に面白かった。コアのオリジネーターたちは、生で聴かせることにこだわりを持っていて、レコードにすることに抵抗を感じていたこと、シュガーヒルギャングは企画ものだったことなど。詳しい人たちには知られていたことなのかもしれないが、驚かされた。こうした瓢箪から駒的なところはポピュラー音楽ではしばしばみられる気がする。まあそのハプニング的な部分も楽しみだったりもするけど。プロレス的なバトルもいろいろあるのだな。これも実にポピュラー音楽らしい。
②【Soul Food Assassins vol.31】こんなにいるぞ、ラッパー兼アクター! 映画と音楽が出会うとき、「二足わらじ軍団」編
 時間がないことがまずあって、なかなかブラックムーヴィー関連を観ていないのだよな...。それどころか映画自体、あんまり観ていない。なので、正直とっかかりもあまりない感じの回なのだが、気分的には日常系の”Barbershop”や"House Party"あたりを観てみたいかなあ。
③【Soul Food Assassins vol.32】ヒップホップ/R&Bレーベル興亡史! トミーは俺のボーイじゃない
 3回の中ではこれが一番面白かった。もちろん知らないレーベル、ミュージシャンが大挙登場するのだが、音楽ビジネスの栄枯盛衰、拠点が全米各地域に及ぶことなど(特に南部勢力の拡大)などなど情報量が満載。特に”暴れたくなる”東海岸拳突き上げ系のRuff Rydersガルパン文化と近しい(!?)No Limit Records(デコレ戦車ジャケットのセンスには度肝を抜かれた)、怪奇色の強そうなHypnotize Mindsが気になる。
④【Soul Food Assassins vol.33】嘘つきラッパー名鑑! イメージと実像の耐えがたき落差
 何が真実かわからないヒップホップの世界、世代的に元々プロレス的な虚実ない交ぜの世界がピンと来なかったので(頭が整理できないと楽しめないスクエアな人間なので)、いろいろと疑問があった。しかしN.W.A.を初めとする西海岸ヒップホップの知られざる実像をわかりやすく紹介してくれる丸屋さん、今回もいかつく見えるヒップホップのミュージシャンたちにも様々な顔があることがわかった。ヒップホップにはその強面のイメージを良くも悪くも利用したビジネスモデルがある中に様々な”嘘”がありつつ、一方で観ているこちら側にも”落差”を感じる思考パターン/偏見があるのではないかという指摘は自問させられた。経歴詐称ネタのヒップホップコメディ映画「CB4」が特に観てみたい。
⑤【4GOTTEN RELMZ】〜思い出したい曲がある〜あの頃だってヒップホップ黄金時代!
 今回も【Soul Food Assassins vol.32】ヒップホップ/R&Bレーベル興亡史の流れで地域性に重点を置いた解説。1999-2011年の兎年to兎年という斬新な切り口が丸屋さんらしい。この回も面白かったが、メンバーがラップができなくて、掛け声担当だけで、ラップ(時には掛け声すら!?)というグループのLil Jon & The East Side Boyzは斬新だなーと感心した(その発想はなかった)。またField Mobの方言をいかしたり奴隷制時代を扱ったラップを使う独特のセンスにも惹かれた。