最近音楽系(まあもちろんポピュラー洋楽系になるが)のツイートをよくしていたので、備忘録としてまとめることにしました。
まずVan Halen関連。
Eddie Van Halenが亡くなったので、雑感を書いた。中高一貫校(男子校)だったので、当時ロックのアルバムを貸し借りし、仲良くしていた連中とは今もつるんでいる。そのメンバーの属性の根本は<メタル軍団>である。当時80年代、メタルが盛り上がりはじめていた頃だったので、まあ全国にそういう連中がいる世代だ。もちろんVan Halenも話題となった。ただ楽器もやらず、その一方でメタル以外の方に軸足が移りかけていた自分には、まあまあ好きぐらいの存在だった。しかし今更だがギター史において(ギター会社の方向性とか)きわめて重要な人物だったらしく、(栗原裕一郎氏の書評)ちょっと振り返ってみる。
むしろDavid Lee Rothのソロなんかの方が、兄が購入してて勝手に盗み読んでいたミュージックマガジンで高評価だったりしていたので、実はDaveに興味があって、Diamon Dave Quartet(この名前はもう残ってない)の代々木体育館のライヴだけ観たことがある。Van Halenから脱退し、Eat 'Em and Smile出してすぐ。Steve VaiやBilly Sheehanまで加わったスーパー・グループで、とんでもないポテンシャルのバンドだった。バンド自体はBillyがすぐ脱退して、終わっちゃうんだけど、Daveが独り立ちしようとして気合が入っていたためだろうか、意外なことにスティールドラムの演奏まで飛び出す、素晴らしくハイテンションなライヴで、これまで観たロックのライヴでベスト5に入る。
なんだけどね・・・。今回ソロSkyscraperとかもうそれこそン十年ぶりに聴き直して、(キツい言い方をすると)Van Halenのよくできた偽物といった要素は否定できないなと感じた。そりゃ売れない時代からオリジナルの4人でつくりあげたサウンドを凌駕するようなものを短期間でできるはずもなく。むしろある程度のものができてしまうところがSteve Vaiの対応力の凄さではある。ただその分、諸々成熟させる必然性も軋轢もなく、売り上げがイマイチでコンビ解消。まあ当然の流れではあった。それからマーケットのニーズという事情もVan Halenのサウンドを意識したつくりにならざるを得ない。メンバーはあまり楽しくなかっただろう。一方、Sammy Hagerが代わりに入ったVan Halen本体も、5150は傑作で、Dave時代には出来なかったろうハイトーンヴォーカルのWhy Can't This Be Loveもあったし、いい方向転換になったかなと長年思っていた。ところが上記の旧友たちとオンラインで最近やり取りしたら、結局売り上げはそんなに爆発的とはいえなかったようだ。SammyとEddieが長年不仲だったというネット情報もあったり、今から思うとビジネス的なニーズの合体だったのかなとも思われる。Daveの脱退については、(映画『ボヘミアン・ラプソディ』にあったような)ヴォーカルに独立をそそのかす業界人の暗躍があったのかもしれないという旧友の指摘もあり、さもありなん。総じてはDave脱退後の本体もそこそこのビジネス成功に終わった、不幸な分裂劇という印象だ(しばらくしてちょろちょろDaveがVan Halenに参加する程度の決定的な不仲でもないところがかえってその印象を強める)。Daveの初ソロEPのCrazy From The Heatに端を発した分裂。バンドが順調だったらあのEPはなく、その場合Daveのハードロッカーらしくないセンスを知ることもなかったし、Steve Vaiとのあのライヴもなかったのだよね。この辺の傍流っぽいものに惹かれがちな当ブログ主には微妙なものがあるねえ・・・(自分の好きなものは大きな潮流にならない傾向が悲しい)。
あとこれも書いておくかな・・・。どうしても典型的な<当時を知っている>オヤジのウザがらみになってしまうのだが。結構ネットでBeat Itの話題が出ていたのだが、ちょっと違和感が。当時DiscoもHMも好きだった人間としては微妙なコラボだった印象。ギターソロもさほど冴えておらず、自分のアルバムの方に比べてイマイチ。dance musicとハードなギターという組み合わせも1982年にもうPrinceの1999が出てるし。新しめの流れをMichaelがやったという意味合いが大きい気がする。月並みかつ後発になるが、メタルとヒップホップを融合させたRun-DMCの方が歴史的意義は大きいような。
さてその傍流好きが反応したEP"Crazy From the Heat"について。基本的にDaveは子どもの頃の憧れがミンストレル・ショウのAl Jolsonだったと英語wikiにあるし、ヴォードヴィリアン体質は元々あるのだと思う(同じユダヤ系ということでの憧れかもしれない)。さてその"Crazy From the Heat"、The Beach BoysのCalifornia Girlのヒットもあるが、より印象的だったのが"Just a Gigolo/I Ain” Got Nobody"
David Lee Roth - Just A Gigolo / I Ain't Got Nobody (1985) (Music Video - Dave TV Version)
これ違う2曲をつなげた変わった曲で、結構以前からあるんだけど、今回ちょっと調べてみた。
さすがに歌唱法とかLouis Primaのを踏襲したもので、細部までそのまんま。
Louis Prima Just A Gigolo I Ain't Got Nobody
このメドレーは1956年のものらしいけど、1945年にはもうアイディア自体はあったらしい。
で、前半のJust a Gigolo、オリジナルはドイツ語。wikiではAustrian tango "Schöner Gigolo, armer Gigolo"とあり、1929年の曲。
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この後、1931年にBing Crosbyらの英語バージョンが出て幅広く知られるようになる。
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一方、後半のI Ain't Got Nobodyは1915年。
ちなみにJust a Gigolo/I Ain't Got NobodyはVillage Peopleのバージョンもある。
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ついでに2曲融合ヒット、Will to Powerのこれもあげとくよ。 "Peter Frampton のBaby, I Love Your Way"とLynyrd Skynyrdの"Free Bird"をくっつけた1988の曲。
Will to Power - Baby I Love Your Way (Official Video)