異色もん。

ドラえもん、もやしもん、くまもんに続く第四のもん。いつか鎌倉の老人になる日まで。(単なる読書系ブログです)

丸屋九兵衛さんオンラインイベント2023年秋は<万物評論家の秋:文化祭は補習天国!>


さて丸屋九兵衛さんオンラインイベントは秋も目白押し!!
ということで2023年秋は<万物評論家の秋:文化祭は補習天国!>、ということで9/29ー11/3にかけて、怒涛の6イベントが続く(もちろん11/30までディレイ視聴可)。今回は①~⑥限までの授業形式なのねー。
 各イベントのご案内はこちらから。
 もちろん当ブログ主は丸ごと【6イベント in 1パック】で。
・9/29(金)①限:文化人類学【Q-B-CONTINUED vol.78】イモ・病原菌・チョコ:欧州とアメリカが出会って何が変わったか。「コロンブスの交換」大研究
 新世界と旧世界が出会うことで起こった「コロンブスの交換 Columbian Exchange」(特に生態系)の研究。
ja.wikipedia.org
 現在の世界は新旧世界が混ざり合っているのだなあと思い知らされる。一番気になったのはガーナの棺桶アートだったりして、
・10/7(土)②限:音楽史【Soul Food Assassins vol.34】ブラック・ミュージック・エピソディック:米黒人音楽ヒストリーの劇的瞬間
 JB&Bootsyなどレジェンドたちの秘話が続々登場する回。マーヴィンが「人の褌で相撲を取るタイプ」=「other people's pants」に爆笑。
名作What's Going Onですら競作ともいえる制作過程で、パートナーあるいはモチベーター的な存在がないと作品ができないタイプの人という切り口にはハッとさせられた。レジェンド的な存在を安易に神聖化せずにフラットに客観視できる音楽史家丸屋九兵衛の面目躍如といったところだ。多分に想像の入ったマーヴィンのモノマネも最高で、丸屋ファン必見である。他、デオダートとクール&ザ・ギャングの成功(デオダートファンなのだが、この流れは不明にも知らなかった)、ディスコ下降線の機を見るに敏であったダイアナ・ロスの英断(ナイル・ロジャースに黙って曲のスピードをアップさせてメガヒットに結びつけた)など面白いエピソード満載の回。ふと思ったが、シックの匿名性の高い女性ヴォーカル二人の編成って、ヒューマン・リーグが真似した可能性があるのでは。様々な音楽の分岐点を見つめると点では、音楽歴史改変連載、ブルース&ソウル・レコーズ誌で連載中の「完全なる真空管」と共通するものがあるだろう。 ちなみにこの連載の冒頭に掲げられている、のミンガリング・Mとはこの人のようだ。

www.artpedia.asia
・10/15(日)③限:地政学【Q-B-CONTINUED vol.79】ミクロネーション大行進! 西川きよし卿からスロウジャム国家まで
 まずはミクロネーション(規模の小さい国家、基本的には非公式なのかな?)が研究対象となっていることに驚かされる。もちろん『吉里吉里人』を連想するわけだが、ユートピア的な発想で和気藹々としてるのかと思いきや。運営にはやはり稼ぎも必要であったりなど、意外に人間臭い揉め事があったりするのも面白い。
・10/21(土)④限:文化史【Q-B-CONTINUED vol.80】オスカー・ワイルドと19世紀の偉人・奇人・変人たち
 長年の丸屋ファンでトークショーをフォローし続けてきた当ブログ犬だが、いわゆる古典文学にも精通しておられることがわかり、やはり只者ではないことをあらためて実感。たとえばRudyard Kiplingの差別的視点とか、George Cadburyと田園都市とかこちらも情報量満載。ホントは何度も見返さないと消化できないのだが…。
・10/29(日)⑤限:世界史【Q-B-CONTINUED vol.81】トルコ建国100周年の今こそ、BACK TO オスマン帝国! あの寛容と多様性をもう一度
 「オスマン帝国外伝」シリーズ完走組なので、いちおうオスマン帝国本は多少読んではいるか、なんといっても歴史が長いので、なかなか頭に入っていない(年齢的なものもあり(悲)。 気を許しているとジェイムズ・ブリッシュの<宇宙都市>シリーズの話がさらっと出てくるから丸屋トークは油断できない。なにはともあれ、丸屋さんはメフメト2世がご贔屓なのだなあ。ムラト2世の出家願望も印象深い。パレスチナ状況が混迷の一途である現代、タイムリーなトークであるともいえる。益々オスマン帝国に興味を引かれる回であった。
・11/3(金)⑥限:映画史【Q-B-CONTINUED vol.82】大ヒット映画の続編失敗! 可笑しくて、やがて愛しきハリウッド
 諸般の事情でどんどん映画と縁遠くなっているのだが。それはさておき、映画の続編というのも(作品の是非はともかく企画時において)かなり偶然性に支配されているのだなあという印象。人間のビジネス感覚というのも案外振れ幅が大きく、それを刺激してしまうのが映画文化なのかもしれないなとも思ったり。
 ディレイ配信は11/30までで、当然バラ売りありなので興味のある方は是非是非。
 ちなみにさらに11/25-27には関西イベント(momobooksの方は配信ありなのだが、最も興味のある幻想文学のがないのは残念。身軽に生行ける人生だったらなあ!)で、こちらもどうぞ。
momobooks.jp
www.seikosha-books.com