異色もん。

ドラえもん、もやしもん、くまもんに続く第四のもん。いつか鎌倉の老人になる日まで。(単なる読書系ブログです)

2017年2月に読んだ本

『剣の王―紅衣の公子コルム3』マイクル・ムアコック
 実はコルムまだここまで。最後は豪華キャラクターで盛り上がりを見せたなあ。ジャリーの飄々とした狂言回しぶりがよい。さて後半3部作はいつになるか・・・。

『マンボ・ジャンボ』イシュメル・リード

『中国遊園地大図鑑 北部編』関上武司
 丸屋九兵衛meetsハマザキカクの異色編集者対談でも話題に上がっていた、ハマザキカクの大当たり企画。先日ustreamを見ていたら、廃墟化した遊園地で農作物を植えてニワトリを食用にしソーセージを作りサバイバルする従業員という想像を遥かに越える世界が繰り広げられていたので(それは北部編ではないのだが)、第一弾である北部編を購入。やはり面白かった。予想していたより多くの場所が登場し、遊園地、抗日テーマパーク、公園だけでなく学校まで出てくる。こうした光景が広大な中国で繰り広げられていると思うといわゆるパクリだとかそういう単純な言葉では語り切れないものがあるような気がしてきた。まったくもって世の中知らないことが多い。物の見方も変わるほどである。各地のニセモノたちの顔つきや雰囲気にどこか共通するところがあるのも面白かった。もしかしたらパクりにも伝搬する経路があるのかもと考えるとまた楽しい。

『遁走状態』ブライアン・エヴンソン
 自分の存在が不確かになるような話が多いが、淡々とした中に胸がざわざわするようななんとも嫌な感じが漂うところに特徴がある。なかなか面白い個性の作家だと思う。

『夢の本』J・L・ボルヘス
 最近はじまり非常に楽しく参加させていただいているkazuouさんの“怪奇幻想読書会”第4回の夢テーマに合わせ読了。古今東西の夢に関するエピソードや散文が(自身のものを含め)並ぶ。ボルヘスらしい切り口で緩やかに連なり、印象的なものも多くさすがといった感じ。

ストーナージョン・ウィリアムズ
 第一回日本翻訳大賞の読者賞受賞作。一人の不器用な文学教師の人生が描かれ、訳者の思いや主人公と妙にマッチした地味な著者の名とか本というのは内容以外にもいろいろからなる不思議なものだなと思う。全体として面白かったものの、主人公自体かなり独特の人物で妻や子の視点からはどういう小説になったかつい考えてしまう。でもそういった主人公であることも美化せず書いてあるということでもあるんだよなあうーむ。