これまた久しぶりに劇場で鑑賞。
「ブラックパンサー ワカンダフォーエバー」(Black Panther: Wakanda Forever)(2022年)
ティ・チャラをチャドウィック・ボーズマンに重ねてのオマージュにはやはりグッとくるものがある。ヒーローの<不在>をテーマにしたヒーロー映画というもの自体は自己矛盾的な側面がなくもないが、継承というところが芯にあるので作品に一貫性はある(正確に<不在>なのかはさておき)。筋として図抜けた部分はないものの、ガジェット・衣装など見どころも多い。ただ近年の大作は少々長過ぎる気は以前からしていて、本作もそれにあたる。
あとはCSの録画視聴。
「マルコヴィッチの穴」(Being John Malkovich)(1999年)
公開時劇場で鑑賞、今回は再見。よくこんな事を思いついてマルコヴィッチ自身がOKだしたな、というのと今ひとつよく分からないアイディアでもあるなという感じは初見と変わらず。ロッテとマキシンの関係とかは当時としては新しかったかなと思ったものの、≪以下ネタバレ気味なので念のため字の色をかえます≫、1996年のBoundやもう少し友情っぽい範疇でも1991年のThelma and Louiseが既にあるからそれほど新しくもないかも。NYが舞台なんだなとは今回意識したな。NY映画はその要素だけで別に見所を感じてしまう質なので、スパイク・ジョーンズなら「脳内ニューヨーク」を観るべきなんだろうなあ(なかなか時間がないのだが)。
「黒いジャガー アフリカ作戦」(Shaft in Africa)(1973年)
録画したのは2年前だが、なかなか消化できていなかった(こんなことばっかなのよね)。シャフトがエチオピアで潜入捜査する話なのだが、1973年作(キンシャサの奇跡の1年前)でアフリカ回帰的なムーブがあってのアフリカ舞台なのかな。エクスプロイテーションなのでゆるく荒っぽく、約50年前というタイムラグもあり、女性の扱いなどかなりヒドいものがあるのだが(苦笑)、出鱈目な分のパワーがあったりもするのだからなかなか面白い。またそんな荒さの中にも、アフリカンアメリカンとアフリカの文化のズレがチラッとのぞくのもまた一興。ところで、アクション演出にクレジットされてるTakayuki Kubotaはこの人なんじゃないかな。
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アクションやスタントもまた当ブログ主の疎い分野なのだが、どうやらすごい方のようだ。
さてタローマンが話題で気になっていた、岡本太郎展行ってきた。
taro2022.jp
大部分(ほとんどかな)撮影可で自由な雰囲気が楽しかった。岡本太郎らしいというか。
岡本太郎自身強烈なインパクトのある人だったから、それにこちらが負けてしまって、作品などについて考えていなかったことに今さらながら気づかされた。岡本かの子の息子だったのか…。祖父が書家だったり30歳で戦争に行っていたり、(それでキャリアが遅れたのか)縄文土器の洗礼を受けたのが40歳だったりと驚くことが多かった。最近山田五郎の美術紹介youtubeをよく見ていて、美術史にちょっと興味が出ているが、1932年にパリに渡って前衛美術の衝撃を受けている世代なんだなあ。