異色もん。

ドラえもん、もやしもん、くまもんに続く第四のもん。いつか鎌倉の老人になる日まで。(単なる読書系ブログです)

2019年7月に観た美術館、ライヴ、TVドラマなど

 ちょっと早いがそれなりにいろいろあったので今月まとめ。いつにもまして身辺雑記風。
学会で岡山に行ったので観光もしてきた。岡山ははじめて(実は母方の祖父祖母が岡山出身でルーツの一つなのだが、二人とも結婚してすぐ神奈川県の川崎市に引っ越したのでほとんどの親戚が東京にいて岡山に行く機会がなかった)。不勉強ながら岡山城のすぐ後ろにあるので後楽園と知った。庭園は基本的に好きなので行けただけでも満足だったが、水田や茶畑があるのが面白かった。
さらに倉敷にも行ってきた。美しい古い街並みが素晴らしかったが、驚かされたのは大原美術館。明治生まれの画家、児島虎次郎が親しかった倉敷の実業家大原孫三郎の後押しで1930年に創設された美術館で、印象派からポップアートまで国内外の有名な作品や美術家がずらりと並んでいた。彼らのセレクションが日本で紹介される芸術家の傾向に相当影響を与えていて、そのため知ってるものばかりに見えるのではないか。そういう意味で非常に日本美術史で重要なコンビのように感じられる。あと工芸館で知ったのは東京高等工業学校(東工大の前身)には図案科や窯業科があったこと(職工の育成も創設の目的だったから当然か)。
星野仙一記念館は少し迷ったが入らなかった(笑)。
Twitterのお告げで古京文庫(土地名でふるぎょうと読むようだ)にも足を運び記念の数冊を・・・(いつものことであった)。
そうそう岡山で食べたままかりは美味であった。また行きたい。
Twitterで偶然気づいたジャネール・モネイZepp Diverⅽity Tokyo)のライヴに慌ててチケットを取り行ってきた。
ジェネール・モネイこそP-funkのアフロフューチャリズムを受け継ぐまさしく後継者といえる存在だからである。とはいえ最近情報に疎いため、いろいろなことを取りこぼしているようなのだ・・・・とはいえ気づいたし行ける日(しかもどうしても行けないフェスを除けばワンデイライヴ!)という幸運の重なりに感謝しつつ参加したライヴは、濃密な隙のないパフォーマンスと徹底したファンサービスの中に差別と戦うストレートなメッセージ性があふれ最高だった。キャブ・キャロウェイ、JB、マイケルにジャネット、プリンス(一瞬見せた猫ポーズは犬文化アウトローであるプリンスの系譜からだろうか)、P-Funkなどの先達の影響や公民権運動など歴史意識といったブラックカルチャーの歩みを強く意識させるところも多くあった。一瞬見せた猫ポーズは犬文化アウトロー、プリンスの系譜からだろうか(笑)。今回のライヴについてはオジサン客が多いことに端を発したTwitterでの小騒ぎがライヴ後にあり(某音楽評論家が若い女性がもっと参加すべきだとTweetし批判が多かったためかそれを削除)、いちおうオジサンの一人として言及しておこう。ジャネールの曲はポストヒューマン的な意匠をまとっているが、近い世代の女性の視点からLGBTの様な社会的弱者へと広がっていくという要素がある(性的な内容もある)。そのため、抑圧する側の年長男性がジャネールの良さを伝えるといった図式に違和感を覚える向きもあるだろうし、自分自身が場違いな存在だと全く疑わなかったわけでもない。ただ臆せずストレートなメッセージを発し非常に高度なショウとして完成させているジャネールの姿はオジサンである自分にも勇気づけられるものがあったのは事実であり、記載しておきたい。

AXNミステリーの「犯人はこの中にいる」録画していたのを観た。原題はOne of Us、60分4話完結。スコットランドの田舎町を舞台にした、タイトル通りの本格ミステリで荒いところもなくはなかったが、スコットランド雄大な自然が謎解きとマッチしていてなかなか良かった。

おまけ。今月の録画消化スタトレ。S9シーズン4の24話 「星に死の満つる時(The Quickening)」、ある星の病の治療法を見つけようとするという点では先日観た宇宙大作戦の「400歳の少女(Miri)」と同じ話なんだけど、後者がシンプルな問題解決ストーリーなのに対し、病の苦しみへのアプローチの問題とか扱われ30年の時代の違いを感じた。

※追記 そうそうホテルのオンデマンドで映画「search/サーチ」も観た。SNSスマホやTV画面の中のみでストーリーが展開するいかにも現代らしい映像表現のサスペンス。それもそのはず監督のアニーシュ・チャガンティはまだ20代らしい。リブート・スタートレックのスールー役のジョン・チョーが失踪した娘を探す、アジア系が主人公なのも親しみやすい。非常に完成度が高かった。以前劇場で予告編を観た時から気になっていたが、劇場よりも家やPCなどの方が向いているタイプの作品だと思う。