7月はいろんなつまみ読みが多くて、雑感としても書けるのはこの程度
『愛なんてセックスの書き間違い』ハーラン・エリスン
SFアイディアがない分、エリスンのエモーショナルな面がわかりやすく出ていて面白い。自信満々に見えたエリスンだが、解説にある「自分がインチキではないかという疑念」につきまとわれていたというのは非常に興味深く、たしかに一部の作品には作家の不安が描かれている。
『霊応ゲーム』パトリック・レドモンド
抑えめに不安を高めていく前半と、畳みかけてくる後半のコントラストが効果を上げていて、それなりの長さを感じさせない。ポイントとなる登場人物が、巧みに予想とずらされていてそれも良かった。ただストーリーやエピソードはかなりキツめなところが多く、未読でそういうのが苦手な方はご注意を。
『ドイツのロック音楽―またはカン、ファウスト、クラフトワーク』明石政紀
最近ドイツのロックいわゆるクラウト・ロックをよく聴いている。Brian EnoがらみでDavid Bowieのベルリン三部作だとかEno & C;lusterだとかKraftwerkとHiphopの関係性だとかそういえばいろいろ面白いかもと思ったのだが、一番のきっかけはHolger Czukayが早期からワールドミュージック的なアプローチをしていたのとDubにも取り組んでいたことに気づいたのである。
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Holger CzukayのCool in the PoolはParliamentのCrush Itに妙に似ていたりするのも面白いと思った(Holgerの方がより混とんとしていて少し早い)。
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さて本の方は20年前でちょっと情報としては古いのだが、名の知られたバンドにしぼられていて初心者としてはわかりやすくまとまっていた。曲が秒数表示なのはわざとかもしれないがちょっと一般的ではなくあまりいいとは思えない。
『ワンダーブック 図解 奇想小説創作全書』ジェフ・ヴァンダミア
ファンタジーやSFの創作方法をユニークに解説した本。