異色もん。

ドラえもん、もやしもん、くまもんに続く第四のもん。いつか鎌倉の老人になる日まで。(単なる読書系ブログです)

読書(ホラー/ファンタジー)

『失われた者たちの谷~ハワード怪奇傑作集』(ナイトランド叢書) ロバート・E・ハワード

ナイトランド叢書の2冊目。次のブラム・ストーカーも順調に出ているようで喜ばしい限り。問題は遅読のブログ主がちゃんと追いつけるかどうかだ。 以前トライデントハウスで予約制として企画された時に予定として挙げられていた作品で実は一番期待をしていた…

『ポー詩集』ポー

NHKカルチャーラジオ文学の世界でボブ・ディランの歌詞がテーマになった。本格的に解説したものを聞いたり読んだりするのは初めてで大変面白かった。ブルースとの関係や過去の詩人の影響などもよく分かりポピュラー音楽での歌詞の進化という視点でいろいろ知…

『幽霊海賊』(ナイトランド叢書) ウィリアム・ホープ・ホジスン

美しいイラストに装丁と良質なホラー短篇小説を提供してくれる雑誌<ナイトランド>がアトリエサードから<ナイトランド・クォータリー>としてめでたく復活、さらには前回惜しくも刊行にいたらなかった≪ナイトランド叢書≫も復活となり喜んでいたのだが、実…

『豊﨑由美アワー 第39回読んでいいとも!ガイブンの輪』( ゲスト西崎憲)に参加してきた

海外文学のトークショーとしてはすっかりお馴染みの‛よんとも’だが、参加するのははじめて(のはず)。今回は小説家・翻訳家で日本翻訳大賞の発起人ツイッターでもアクティヴに情報発信をされているお馴染み西崎憲さんがゲストで怪奇小説の話で西崎さんのオー…

『幻獣辞典』 ホルヘ・ルイス・ボルヘス

ボルヘス凄いなあ、と思いつつも実はまだちょっとしか読んでいない。これも以前から興味があったのだが、ついつい後回しになってい早20年余(苦笑)。とうとう文庫になったので購入し読んでみた。 幻獣といっても一角獣や竜のようないわゆる獣らしいものだけ…

『教皇ヒュアキントス ヴァ―ノン・リー幻想小説集』

幻想文学にはそれほど明るくない当ブログ主でヴァ―ノン・リーのことも全く知らなかったのだが、翻訳や大変面白い評論で幻想文学の紹介者として自分にとっては良い道案内となってくれる中野善夫さんの選・訳の本で、装丁もまた素晴らしいので購入し読んでみた…

『全滅領域』<サザン・リーチ>1 ジェフ・ヴァンダミア

ジェフ・ヴァンダミアの名を初めて知ったのはSFマガジン2004年6月号のスプロールフィクション特集Ⅱだったと思う。このスプロール・フィクション、保守化していく主流派に対しジャンルを越境し革新を図っていく伴流<スリップストリーム>文学をギブスンのス…

『聚楽 太閤の錬金窟(グロッタ)』 宇月原晴明

元々あまり歴史に強くないのだが、NHKの軍師官兵衛を観ていてその頃の人物関係に多少知識がついてきて、あの時代を背景にした小説が前より楽しめそうだなあと思っていたら古書市で山田風太郎『妖説太閤記』とこの本が並んでいて、いそいそと購入。「秀吉の天…

『スニーカー』<ナイトヴィジョン> モダンホラーセレクション

1990年5月31日発行と書かれている。原書は1988年、NIGHT VISIONS 5とありググるとDark Harvest Booksから12まで出ているアンソロジー・シリーズだったんだね。基本3人の作家で作品数もバラバラという思いきったというかユルいところがちょっとユニークで、ハ…

『郵便局と蛇』 A・E・コッパード

郵便局と蛇: A・E・コッパード短篇集 (ちくま文庫)作者: A.E.コッパード,Alfred Edgar Coppard,西崎憲出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2014/09/10メディア: 文庫この商品を含むブログ (4件) を見る 独特な味わいで短篇小説の愛好家などの支持を集める幻想…

『砂男/クレスペル顧問官』 ホフマン

「砂男」 子供の頃に出会った怖ろしい砂男が大人になってまた近くにやってきた。寝しなに現れる砂男の伝説は古くから知られまたメタリカの傑作「エンター・サンドマン」にも登場し現代でも広く知られているが、本作は望遠鏡・実験器具・自動人形といった当時…

『世界の涯の物語』 ロード・ダンセイニ

世界の涯の物語 (河出文庫)作者: ロード・ダンセイニ,中野善夫,中村融,安野玲,吉村満美子出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2004/05/01メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 11回この商品を含むブログ (64件) を見る「トールキン、ラヴクラフト、稲垣足穂…

上野に行ってジャック・カロ展とバルテュス展観てきた

話題のバルテュス展を観に東京美術館に行ったが上野駅からすぐの国立西洋美術館でジャック・カロ展がやっていてポスターの絵にトラップされそちらも観てきた。 ジャック・カロは全く知らなかったが17世紀初頭の版画家。中に入ると小さい銅版画が多いので貸し…

『ピース』 ジーン・ウルフ

ピース作者: ジーン・ウルフ,西崎憲,館野浩美出版社/メーカー: 国書刊行会発売日: 2014/01/28メディア: 単行本この商品を含むブログ (6件) を見る 「アメリカ中西部の町に住む老人ウェアは静かに回想する、自分の半生を、過去の不思議な出来事を、説明のつか…

<ナイトランド叢書>!

ホラー&ダークファンタジー専門誌《ナイトランド》から新たな企画が! 美しい装丁に素晴らしい国内外の素晴らしい短篇セレクションの雑誌からの企画だけに、非常に楽しみなラインナップとなっている。ただしこれ受付期間(第一期分は2014年3月31日)までに予…

『白魔』 アーサー・マッケン

イーガンが控えてることから、ガチガチのハードSFの前に短めの王道のホラーを挟んで・・・と思い積読本からこれを選択。ところがね、ちょっとこれ予想と違っていた。「白魔」 びゃくま、と読みます。古典探偵小説や怪奇小説ではお馴染みの何やら一家言ありそ…