異色もん。

ドラえもん、もやしもん、くまもんに続く第四のもん。いつか鎌倉の老人になる日まで。

2019年2月に読んだ本

セルジュ・ゲンズブール バンド・デシネで読むその人生と音楽と女たち』フランソワ・ダンベルトン
 
shimirubon.jp

『飛ぶ孔雀』山尾悠子 
 比類ない美しい文体、そして異世界の構築性という点で追随を許さない作家だが、これまで描かれる世界は西洋的な印象の無国籍性をまとっていたが本作では日本の土着的な要素が強い。表彰は異なっていても描かれる世界はまさしくこの作家以外ではあり得ないものでその差異が読者にまた新たな喜びを与えてくれる。日本SF大賞も当然だろう。
『紫の雲』M・P・シール
 伝説の作品の登場。破滅した世界が丹念に描かれるパートが長い陰鬱な小説だが、強迫観念に満ちた本人の独白と各地を転々とするため当時の社会の様子が間接的に伝わってくるなどいろいろ発見が多い。再チャレンジしたい。
『リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン』アラン・ムーア
 このシリーズ前から気になっていたのだが後からジェリー・コーネリアスが出てくることを知り、慌てて読み始める。19世紀末を舞台に様々なフィクションから参戦した登場人物たちが協力したり戦ったりする楽しい作品で、細部への執拗なこだわりのアラン・ムーアなのでさらに安心感倍増。期待通りの面白さだが細部を楽しみはじめると他の作品が読めなくなりそうなのが恐ろしいな・・・。
『ぺガーナの神々』ロード・ダンセイニ
 各章短文の中に詰め込まれた(山尾悠子とは違った)濃密な異世界性がすごい。
『文藝別冊 マーヴィン・ゲイ
 大変充実したムックで鈴木雅之横山剣らビッグネームのンタビューも楽しいが様々な角度から切った記事がどれも興味深く刺激に富んでいた。かなり赤裸々でショッキングともいえる内容が含まれていたがありのままを包み隠さず表現したマーヴィンなので、その表現と大きく関わる諸々であることは伝わり煽情的な意図は感じられず、理解を深めていく一助となっている印象だ。