異色もん。

ドラえもん、もやしもん、くまもんに続く第四のもん。いつか鎌倉の老人になる日まで。(単なる読書系ブログです)

2021年9月に観た映画やTV番組など

・「わが谷は緑なりき」(1941)
 ほぼ観たことがないんじゃないかというジョン・フォード(西部劇のイメージが強いが、検索したらいろんな映画撮ってるんだな。それから、例の「国民の創生」にも俳優で出ているのか…)。これは19世紀末のウェールズ、実直な炭鉱労働者家族の人間ドラマ。監督はアイリッシュなんだな。賃金の切り下げ、炭鉱の事故、子どもの教育など社会問題的なエピソードが出てくる。例えば、算数のような問題を子どもと一緒に真面目に取り組む父親の描写がある。義務教育が普及しておらず、田舎町では成人してから少しでも学ぼうとする人もいたのだろうと思わせる。ただ問題提起といった意図はさほど感じられず、敬虔で誠実な家族の歩みが、当時末っ子だった少年の回想という形式で描かれる。原作があり、Richard Llewellyn"How Green Was My Valley"がそれ。少年は学校でいじめにあったり、先生の無理解(田舎町出身で差別される)もあり、結局教育を受けさせたい父の願いに反し、炭鉱夫になるのだが、さほど強く葛藤が描かれることはない。この辺り、通常のドラマトゥルギーと違うので、実際の話や体験などが背景なのかなと思いきや、原作者(も監督も)炭鉱労働者家族ではないっぽいね、むむむ勘がはずれた(苦笑)。ただまあアイリッシュ系ではリアルな話だったのかもしれない。映像は全体に美しく、いわゆる<地の塩>的というか、家族の心の結びつきなど温かみのある作品。ただ如何せん、クライマックスの炭鉱事故犠牲者救出のシーンまではかなり地味というのが正直なところ。
・NHKBSダークサイドミステリー 「悪魔と天使を呼んだ男 20世紀最大の魔術師クロウリー伝説」
 アレイスター・クロウリーについては名前しか知らなかったので、こうした概観できる番組があるのはまず良かった。裕福な生まれで明るい人柄だったとか、登山も行うタフな人物で世界を周り、鎌倉で大仏見て一瞬出家を決意するとか、常にへこたれない人物だったこととかが印象に残った。あと魔術の世界の説明で<幻覚>と<ヴィジョン>の違いとか、<ヴィジョン>の見方とかも興味深かった。で、この番組これで終わるのね。時々しか見てなかったが、見たやつは割と面白かったので、ちょっと残念。
ウルトラQメモ
 第20話 海底原人ラゴン クトゥルー回かなあ。
 第24話 ゴーガの像 ちょっとだけ古谷敏(のちのアマギ隊員)が出てる(クレジットはないらしい)。
第25話 悪魔ッ子 催眠術によるショーを続けたために起こる騒動。怪奇趣味が強い回。