「天才スピヴェット」L'extravagant voyage du jeune et prodigieux T.S. Spivet
(2013年)(TV録画視聴)
『T・S・スピヴェット君 傑作集』はグラフィックが入りレイアウトなど趣向の凝らされた良質の作品であったが、その意匠を映画のフォーマットに巧みに援用している。ただ、永久機関という言葉のしょぼい印象が尾を引いてどうも内容が素直に入ってこない(永久機関、といえば詐欺のイメージがあるからね)。
田村高廣と勝新太郎の落伍兵士コンビによる兵隊やくざシリーズの第5作。玉砕した部隊で生き残った二人が別の部隊に入るが、という話。勝手に地位を偽ったり、コミカルな風味が楽しい。
「兵隊やくざ 脱獄」(1966年)(TV録画視聴)
第4作でこっちの方が大脱走より前だった。やはりこのコンビはいいね。座頭市も好きだけど、こちらのコミカルな路線(でも軍隊を諷刺している)もまたよいね。
「犬神家の一族」(1976年)(TV録画視聴)
俳優陣の懐かしいことといったら・・・(気分は昭和モード)。観るのは大分久しぶりにだったが、さすが市川崑で完成度が高いことが確認された。音楽が大野雄二だったのは意識してなかったなー。
でNHKBSアナザーストーリーズ「犬神家の一族」も観た。事前の噂で話を大分盛っているということで警戒して観た(苦笑)。まあそれなりに面白い番組ではあった。大野雄二は映画音楽初めてだったらしく、その辺のセンスは素晴らしいね。あとトランクは石坂浩二が購入した話も良かった。
NHKBS BS世界のドキュメンタリー「素顔のボヘミアン・ラプソディ」
デビューから70年代中盤に人気が爆発するまでのドキュメント。思ったよりレアな映像が多くて楽しめた。ただ個人的にリアルタイムだったもう少し後のところまでは含まれていないので少々満足感を欠く。
「Dangerous Days: Making Blade Runner」(2007年)(TV録画視聴)
以前観たことがあるが劇場公開されたことがあったかどうか覚えていないので、その時劇場かビデオかが思い出せない。まあそれはともかく。細部まで追うほどのマニアではないけど、思春期にはまった映画なので特に俳優陣や製作者の苦労話を聞くと完成してよかったなあとしみじみ思う。もちろんこれは製作者サイドなので経営陣については悪く描かれがちだということも注意しなくてはならないが。いろいろ偶然の重なりもあって成功した映画だが(あまり精緻に作られていない面がカルト人気を呼んでいる面もある)、自分としてはとある作家が(やや否定的に)「気持ちよいがボーッと観てしまう」といったことをどこかの座談会で言っていて、それはある意味正しい感じがしている。ついつい心地よい環境ビデオのように観てしまうのだ(しかしその点がこの映画の美点だと思うのだ)。その点では音楽についてのインタビューがないのは惜しい気がした(犬神家の一族も含め、映画においては音楽は重要だなあとあらためて認識)。