異色もん。

ドラえもん、もやしもん、くまもんに続く第四のもん

2017年に観た映画

あけましておめでとうございます。
完全に備忘録となりましたが今年も月1ぐらいでは更新しますのでよろしくお願いいたします。

さて映画の感想も定期的には書かなくなってしまったので、1年のまとめをベスト選びしつつ感想をかかなかった映画についても書いておく。
とはいえわずかしか観ていなのでベストは4作ほど。

1位 「お嬢さん」
 どんなベストでもついついインパクトで選んでしまう悪癖があるのですよ(笑)。感想を以前書いた通り、とんでもない作品だった。
2位 「ゲット・アウト」
 見えなくい人種差別の問題を鋭くつきつつ、これまた多少無理筋と思わるようなアイディアで後半を引っ張ってくところが巧みだった。扱いにくいテーマをしっかり取り上げしかも面白い作品に仕上げた監督の手腕は称賛に値する。
3位 「哭声(コクソン)」
 「お嬢さん」と合わせて続けて韓国映画に驚かされた。感想はこちら。年間99本映画を観たという友人は昨年の韓国映画では「アシュラ」がベストといっていて、そのうちなんらかの形では観たいところ。
4位 「散歩する侵略者
 2017年も黒沢清映画を観ることができてそれだけでファンとしては幸福だ。渇いた終末感、ローテク機器、風などなど黒沢清監督作品の手触りが感じられる世界に心地良く没入した。終盤のアクションシーンはちょっとこれまでの作品より派手めだった印象。スピンオフの「予兆」は未見で、こちらもなんとかしたいなあ。人間がもう人間ではなくなっている世界、しかも引き返すことができない諦念みたいなものが毎回描かれている感じがして、そこが好きな理由である。

大晦日には「オール・アイズ・オン・ミー」観た。25歳で射殺されたヒップホップアーティスト2Pacの伝記映画。時系列的には傑作「ストレイト・アウタ・コンプトン」の続きとしてとらえられる(もちろん俳優は異なっているが)。2Pacの激しい生涯をたどるため「ストレイト・アウタ・コンプトン」の親しみやすい友情ものの要素はなく悲劇性が強まりより重めにはなるが、世代間の意識の差や周辺アーティストたちとの関係などいろいろ知ることができたし全体として本人にとって不都合な点含め丁寧に追っていた印象があり面白かった。2Pac東海岸出身だったことも悲劇につながったのかなあと思ったり。
さて2017年は「ブレードランナー」続編にSW新作が登場というオールドSFファンには驚愕の年であった。
ブレードランナー2049」、まさかの本格的な続編しかもしっかりとした大作で公開当初不入りだったのを目の当たり(しかも原作自体はSFファンによく知られていて期待が大きかったので不入りがかなり悲しかった)にした世代としては本当に感慨深い。内容はあまりにもブレードランナーでちょっと笑ってしまうぐらいなのだが、人間/非人間のテーマが核にあるなど完成度は高く35年の時を経て心の故郷に帰ってきた居心地のよさがあった(それがなぜか新作で味わえるという不思議さ)。監督やスタッフに感謝したい。
スターウォーズ 最後のジェダイ」、個人的には非常に面白かった。傑作、とすら思っているのだが、同い年で古くからSWを観てきた友人がクソミソにけなしていたのでまあ百歩譲って意欲作としておこうか。批判としては出鱈目な展開(レイアの危機のシーンとかね)、肩透かし(終盤の巨大兵器の見かけ倒しぶり)、カタルシスのなさ(リスク覚悟で行動した連中の役立たなさぶり)、伏線の回収されなさ(レイの出自がどうなるか今後も気になる問題ではあるね)などなどである。まあどうやら長年のファンでいろいろ期待していたということはあるのだろうなあ。こちらはそれほど期待せずに観たのでそこは温度差があるとは思う。個人的に感心したのは現代の映画となっていたことだ。従来主役とされていなかったフィンやローズのような白人系ではないタイプにも焦点があたり、ご都合主義で現れる救いの主には裏があり従来成功していた英雄的な行動はことごとく失敗に終わる。そして唯一の正しい行動は撤退して生き残ることなのだ。英雄不在の混迷する世界そのものが表現されていた。もはやSWはいろいろな出自や立場の人たちのためのもので、こういった内容になるのはむしろ従来のSWの路線を打ち切ってより現代的にする英断であったように思う(次で話をまとめられるかという懸念はあるが、そもそももう正史をはじめとしてSWが完結し終了することなどないのだと思っている。これだけファンの厚みが大きくなったら現実問題としては終了すること自体が不可能なのではないだろうか)。そしてこれはキャリー・フィッシャーの遺作でもあるのだ。苦難の多いキャリアの中で再び役を引き受けた重みがちょうどレイアとの苦悩が重なった。スクリプト・ドクターでもある彼女は今回脚本をサポートしたと聞く。その意味で今回の内容には彼女のメッセージがこめられているものと個人的には受け取れた。あえて一歩踏み出し現代化を図ったスタッフに拍手を送りたい。

と持ち上げたあとでなんだが(笑)。「ブレードランナー」「最後のジェダイ」十分楽しんだものの、やはり旧作のベースに乗っ取った創作物でありベストにはいれづらかった。やっぱり新しいものを見せてくれる方を推したくなる。