異色もん。

ドラえもん、もやしもん、くまもんに続く第四のもん。いつか鎌倉の老人になる日まで。(単なる読書系ブログです)

2024年1-2月に観た映画

 最近観た映画。諸般の事情で時間がなく映画もなかなかなあ。
□「コンクリートユートピア

klockworx-asia.com

 奇しくも年明けの震災早々だったが、そのこととはあまり関係なく、J・G・バラードの『ハイ・ライズ』を思わせる作品だったことで観に行った。ディザスターで崩壊した団地で唯一残ったマンションの住民がサバイバルを繰り広げる。大分ホットな韓国版「ハイ・ライズ」で、似た様な題材でもこちらは、激しさの中に小さな幸せに裏切られる人間たちの侘しさが漂う。混乱状況の中いつの間にか周囲に祭り上げられていく得体の知れない人物をイ・ビョンホンが好演。面白かった。
□「哀れなるものたち」

www.searchlightpictures.jp

 アラスター・グレイの原作があることくらいが予備知識という状態(つまりほとんど予備知識なし)で観たが、ごくごく単純化してしまうと女性版<フランケンシュタインの怪物>なのだな。時代設定はヴィクトリア朝時代だが、舞台や衣装はデフォルメされ、各地ともどこにもない幻想世界として描出。ジェンダー・個人の意思など現代的な視点でブラッシュアップされたセクシャルかつグロテスクな寓話。キャサリン・ダン『異形の愛』も連想させたかな。こちらも面白かった。原作と違うところもあるらしいので、原作も読まないとなあ。エマ・ストーンは肉体的にきつい役柄でアカデミー主演女優賞はその辺のところがあったのだろうという感じはした(授賞式でいろいろあったみたいだが)。※4/25追記 Xで「本作がジェンダー的なエンパワメントにつながるとは到底思えず、むしろ搾取を助長する懸念」といった意見を見かけた。たしかにセンセーショナリズムとして処理される可能性のある表現を使いながら、暴力性を返す刀でメスを入れるところまでの作品内容ではなかったかもしれない。刺激の強い表現を使用しているだけに批判はされても仕方ないかもしれない。

 で、話題の「ゴジラー1.0」観ていたのだが......。上映中に電話がかかり(もちろんマナーモードですよ!)、挫折。その昔どれだったかのゴジラシリーズでまた小さかった息子が怖がり断念して以来の途中退場。どうもゴジラは劇場で観られない運命らしい(苦笑)。