異色もん。

ドラえもん、もやしもん、くまもんに続く第四のもん。いつか鎌倉の老人になる日まで。

TH No.84「悪の方程式~善を疑え!」にレビューが載りました。あと2020年9月と10月に読んだ本(と近況)(長い)

 9月下旬に突発性難聴になりました。
 が、幸いにも早期発見での治療が奏効、後遺症なく治癒しました。まあプライベート含め、多少無理がたたったのかなという自覚があります。皆様もお体に気をつけてお過ごしください。

 というわけでバタバタしていたのですが、TH No.84「悪の方程式~善を疑え!」にケイト・アトキンソン『ライフ・アフター・ライフ』のレビューを載せていただきました!一種の時間ループものなのですが、巧みな仕掛けに苦みのあるユーモアがちりばめられた傑作です。よろしくお願いいたします。BBCに作者がこの作品について、読者の質問を受けた番組があったのでそれもリンクしておきます。
athird.cart.fc2.com
www.tsogen.co.jp
www.bbc.co.uk

 さて、そんなこんなで読書も低調気味。
ドン・キホーテセルバンテス岩波文庫
 少しずつ読んでいたため、数年かかってしまったがようやく読了。さすがに古い作品だけあって、時代の違いがあるので、勢いにノッて読んでいけなかったこともあり、時間がかかってしまった。それでも内容自体は面白いのは間違いない。周知されているメタフィクショナルな構造や今でも通じるユーモアセンスをはじめ、斬新さと先駆性にたびたび驚かされる。後篇の自由度が大きいのだが、特に終盤の流れが予想を超えていた。いいラストだったなあ。
『零號琴』飛浩隆
 オタク・SF文化の歴史を異様な漢字表現やダブルミーニングなどをふんだんに盛り込んで、奇怪な宇宙SFに投射したメタフィクショナルな要素の濃い作品。廃園シリーズとはまた違ったインパクトがある。既に同様な意見があるようだが『家畜人ヤプー』を連想した。
『時間旅行者のキャンディボックス』ケイト・マスカレナス
 時間旅行者にかかる精神的な負荷、というテーマはトマス・M・ディッシュ「後期ローマ帝国の日々」(『334 』)でも一部扱われたことがある。本書はそれを本格的に取り上げたSFミステリ長編。パラドックスについての視点やタイムトラベラーの行動、かなり癖のあるタイムトラベル監視組織など通常の時間ものとかなり異なっており、タイトルから受けるようなソフトな印象はあまりない(陰鬱、というわけではないのだが)なんというか全体に"病んだ"空気の漂う、なかなか独特の個性を放っている作品。またセーシェルにルーツを持つ著者の経歴が反映されたエピソードなどもあり、それも本作に色を添えていて、読みどころとなっている。ちなみにディッシュ『334 』のAmazonの感想が少ない上にあまりにも残念な内容なので、昔の感想をアップしておく。いやホント面白いのよ(入手困難だけど)。

funkenstein0.hatenablog.jp