毎年恒例、森下一仁さんのSFガイドのベストSF2020に投票しました。
今年はこんな感じで。
1.『荒潮』陳楸帆 1.5点
現在注目を集める中国SFの勢いを象徴するポストサイバーパンクの傑作で面白かったです。
2.『ライフ・アフター・ライフ』ケイト・アトキンソン 1点
変則タイムループものですが、まず小説として完成度が高く、厳しい時代に温かなユーモアを感じさせる作品だったのが良かったです。
2.『図書室の怪 (四編の奇怪な物語) 』マイケル・ドズワース・クック 1点
古典怪奇小説を現代の作家が巧みに復活させた技量と、背景にある怪奇幻想への愛が素晴らしいです。
4.『砂漠が街に入りこんだ日』グカ・ハン 0.75点
韓国ルーツのフランス在住作家のフランス語作品ということが背景にあるためか、作品自体は無国籍でシュールな味わいで、落ち着かない現代人の心理が切り取られていく。静かなトーンだが後を引く。
4.『タイムラインの殺人者』アナリー・ニューイッツ 0.75点
傑作、話題作が多い年(だったよう)で、影が薄くなっているので入れておきたいです。タイムトラベルものですが、近年あまり見ないパンクテイストあふれる、力のある作品でした。