脳機能に異常はないが機械の助けなしでは生きられないヘルヴァが宇宙船となって様々な出来事に遭遇し成長をする連作長篇。1969年作でシリーズものの印象が強いが、2作目は1992年で随分間が空いている上に共作でその後も共作が続いて終りの方はマキャフリー原案という表記になっていたのね。再評価が進んでシリーズが作られるようになったパターンなのかな。
痛みとか治癒といったテーマが多く含まれている。また音楽・演劇といった題材が扱われ、50年代のSFとは違ったカラーが現れているのは時代を反映しているのかもしれない(「殺した船」がストレートなボブ・ディランSFでちょっとびっくり。著者は初期のフォーク時代のディランが好きとみた)。