11月、映画は観てました。
・「ENO 」(2025)
基本的にはブライアン・イーノの経歴を振り返るドキュメンタリーだが、観るたびに構成や内容が違うとかで、さすがに普通のことはしないのだなあ。一回視聴のみの感想です。楽器演奏を主としない特異なロックミュージシャンとして注目され、ロック、環境音楽、プロデューサー等幅広い活動の紹介、インタビューや音楽&アート映像が挿入される。インタビューでは、表現活動に対するシンプルな初期衝動、発想、社会への考えがストレートに語られている。ポジティヴな語り売りや作品の不評に落ち込んだという告白や、お蔵入りした初期ソロ時代の楽しそうなミュージック・ビデオなどのオープンな姿には、難解なミュージシャンというイメージが変わる人も多いだろう。少年時代の彼を音楽の世界に導いたのはザ・シルエッツやケティ・レスターなど当時のブラック・ミュージックであったという話も印象的。ケティ・レスター↓
前者で声の面白さを知り、後者では(発言から察するに)おそらくsensualなものを感じたのだろう。それから、不評で気落ちしていたので、ジョニ・ミッチェルからの共作の申し出を断って後悔したという話も出ていた。これはさすがに惜しいね。あと庭園好きでインタビューの合間にお茶の時間が入るなどイングランド出身らしさも出ていた。
・「スプリングスティーン 孤独のハイウェイ」(Springsteen: Deliver Me from Nowhere)(2025)
孤独ではあったが、ほとんどハイウェイではない。閑話休題。1981-82年辺りを描いていてエネルギーの塊というイメージのスプリングスティーンの苦悩を描いた、音楽映画というよりは人間ドラマ。にしてもしんみり過ぎだった…。解説とか関連動画をみると基本的にスプリングスティーンがOKを出したというのがポイントなんだろうな。彼自身の伝えたい実像をふまえての映画ということになる。安易に受け手側の考えに寄ってしまうのも問題化もs利絵ないが、ただ、(たしか)初めての伝記映画でそもそも彼のパブリックイメージが浸透していない日本でこの地味な内容だとどうだったのかなあ。当時の状況はいろいろわかったが。
・「ウェストサイド物語」(1961年)
この間配信で「シカゴ」を観直してから、今まで受けつけなかったミュージカル映画が急に気になってきて、午前十時の映画祭で観てきた。実は1961年なので(当ブログ犬のような世代からすると)、さほど古い時代ではないのだなということをまず思う。で、冒頭の空撮でも海付近の摩天楼から西へ進むにつれ、古いアパート群で貧しい地域へと移っていき、作品の背景がすぐにつかめるようになっている。プエルトリカンと白人の対立が描かれるが、さすがに60年以上前なので表現の限界はある。とはいえ音楽。ダンスシーンは全く古びていないし、映像効果も鮮やかにはまっている。
・ミュージカル「タイタニック」(2023年)
ミュージカルに興味があるのだが、現在のところ古い英語ミュージカルをもっとみたいという感じになっている(まあ日本のミュージカルも簡単にはチケットがとれるわけでもないのだが。で、最近松竹ブロードウェイシネマというものがあるのを知って、(秋季だけのようだが)日本語字幕がちゃんとついているし、ちょっと喜んでいる。気づくのが遅く、結局これしか観られなかったのだが。まずは例の映画大作「タイタニック」とは全く関係なし。タイタニック号事故については数えきれないくらいのドラマがあるので、いかようにも映画はできるだろう。最近こうしたミュージカル系の音楽にはまっていることもあって、予備知識ゼロにしては十分楽しめた。舞台に水を流すわけにもいかないので、スペクタクルのシーンはどうするのかと思ったが、その辺の舞台装置もきちんと工夫されていた。構成もきっちりしていて良かった。