異色もん。

ドラえもん、もやしもん、くまもんに続く第四のもん。いつか鎌倉の老人になる日まで。(単なる読書系ブログです)

ピーター・バラカン&近田春夫 脱法ラジオVol.6に行ってきたぞ

 80年代音楽育ちの当ブログ主にとって、この二人は音楽の先生といえる存在である。まあ中村とうようという大きな存在があって影響を受けたというのはあり、この二人も中村とうようとのからみがあるともいえるが、世代的に若く脂がのって(今でも十分二人とも元気だが)尖っていた時代をより知っているだけに音楽ファンとして長く引っ張ってもらった存在である。近田さんは評論もVibrastoneも好きだったし。二人ともそれぞれの頑固さがあり、例えばロンドン出身なのにグラムロックをほとんど認めずハードロック嫌いでブラックミュージックを中心とした好きな音楽の紹介に徹するバラカンさん、革新的なものこそを愛し新しさ攻撃性にこだわり続ける近田さんとどちらもある種の極北で全てについていけるわけではないところも共通する(そういえば中村とうようも極端な人であった)。ちなみに余談だが当時重要な人物としては渋谷陽一がいて、当ブログ主の中では「情報源としては大事だし時々なるほどという指摘をする業界的には重要人物だとは思うけどツェッペリンそれほど好きじゃないしあまり興味の持てない音楽評論家」という位置づけであった(要はミュージックマガジン派だったわけだ。当時はね)
 さてこの二人は同じ1951年生まれでロック系の音楽紹介者という部分は共通するものの、上記の様にこだわりも価値基準も全く違いコラボレーションするとは夢にも思っていなかった。つい昨年末遅ればせながらこの二人が揃って音楽イベント<脱法ラジオ>をやっていると知り、しかも内容がアーカイヴされているので聴いてみたら当然のことながら最高に面白い!→こちら 次にやったら絶対行こうと思って待っていたらやっていきました第6回の<脱法ラジオ>!もう矢も楯もたまらず参加ですよ当然間違いないし!(しかし近田さんのくちびるから血が出ている写真はコワいからもう変えた方がいいと思う・・・・)
 そもそもこの企画バラカンさんのラジオ番組を聴いていた近田さんから持ちかけたというんだけど、価値観のズレで話がギクシャクすることが予想されて普通は尻込みするのが当然。「そこが面白いんじゃな~い」ってな具合で盛り上がるだろうとよんだ近田さんの嗅覚がすごいし、挑むバラカンさんもいいと思う。
 今回のテーマはTurning point。そのうちアーカイヴに上がってくるだろうけどまずは本当に好きな曲ばかりで嬉しかったねえ。バラカンさんがいまだに一番好きなThe Beatlesの曲が"Twist and Shout"というはちょっと共感したな。しかし大きなスピーカーで聴くとJohnの声の疲労度合が凄くブルージーになっているのがよくわかる。レコーディングでは疲れきっていたメンバーに音楽ライターの人が「この間のライブでLa Bambaやってたじゃん。あれ録音しないの。あ、La BambaじゃなくTwist and Shoutなの?まあいいや、あれ録音しなよ」といって録音されたとか(ドキュメントでそんな話が出ていたとバラカンさん)。いい話だねえ。"Taxman"もかかった。あのベースラインは凄いねPaulおそろし。"My Generation"の吃音様の部分はモッズ連中がハイになっていたのをRogerが真似したという話も面白かった。ハウスを聴かされたバラカンさんの表情が実に良かったなあ。基本的にバラカンさんが振り回されるのを楽しむようなイベントなんだけど、録音終了後Donny Hathaway"The Ghetto"で踊りだすバラカンさんはチャーミングだったな。辛辣なことを言っていてもバラカンさんは憎めない愛嬌があるんだよね。強引だったりマイペースだったりしてもなんだかキュートな近田さんにもそんなところがある。カワイイオジサンたちだ(とオジサンブロガーのいうちょっとキモい感じ(笑)
 しかし音楽観の違う二人の共通点の一つがSteve Winwoodとは意外だったな。たしかにR&Bに軸足があって革新的な存在であったし。ただ自分としてはTrafficはよくわからずソロも十分には聴きこんではいなかったんだよな(まだ観たことないんだよな来日しないかなもう無理かな)。これからでも聴いたみようかな。

※お土産にもらった煎餅ちゃんと確認していなかった!今見たら脱法ラジオのマークになってるよー。ちょっと食べるのもったいなくなるね(笑)
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