CSムービープラスでシリーズ3作連夜で放送されていたので観た。言わずと知れたアメリカのイタリア系マフィア。
1、2は一度はTVで観てたかなー。いずれにしろきちんと観てはいないので初見に近い。さすがにオールタイムベスト上位に毎度位置するような映画で今更ながら大変面白かった。ただどれも約3時間と長尺で、実在の歴史や事件を扱い、1891年生まれ初代首領ヴィトー・コルレオーネのシチリアでの少年時代からアメリカでファミリーをつくって2代目マイケルの晩年となる1980年辺りまでカヴァーされ、様々な人間関係の糸が織りなす悲劇が描かれる映画なので、ちょっと感想をとはいかないのでひとまず雑感。
全体を通じて場面場面での映像の「明と暗」のコントラスト、またストーリーに対応しての「動と静」「喜と悲」「生と死」のコントラストの表現が素晴らしく長さを全く感じさせない。重要な役どころでイタリア系俳優を配したのも効果的で、作品全体の雰囲気をリアルなものにしていると思う。移民、大恐慌、第二次世界大戦、キューバ革命、教会の腐敗などアメリカの現代史を背景に超大国の闇の部分をストレートに扱っていることろも見応えがある。それにしても人が次々に死ぬ映画である。根がヌルい当ブログ主がその昔観た時に何だかコワい映画だなと思い敬遠してしまったのもそこなんだよな・・・(濃密な家族愛も悲劇の伏線だしなー)。さすがにもうおっさんなのでもう楽しめるようになったが。言及するのが後になってしまったが、1は1972年で2は1974年の作品だが、3は離れて1990年作。というわけで、本質的には1・2の2部作に後日談として3があると考えていいようだ。まあたしかに最後の3は1・2よりは少し完成度が落ちる様な気はする。が、正式な続篇として題材含め3も大変面白く、内容的にも結局はシリーズ3作としてとらえるのが普通だろう。
他気づいたことを
・マイケルとヴィトーには確執を経て結局ファミリーを継ぐ流れになるが、元々の確執を描写するシーンがあまりない印象がある。これは意図してのことなのかどうか。
・若き日のヴィトー演じるロバート・デニーロはかすれ声を出していて、たぶんマーロン・ブランドの演技とつながるようにだろう。(何より若くてスリムなデニーロに驚かされる)
・コルレオーネファミリーの巨漢の幹部ピーター・クレメンザ役のリチャード・カステラーノは印象的だが、叔父ポールは本物のマフィアらしい
・シチリアの人形劇が2回ほど登場する。これは有名な伝統芸能らしい。
・2には若き日のヴィトーが観劇するイタリア系の芝居があったが、その時代ならではのものなのだろうか。
・キューバのシーンでクラブで歌う女性歌手などはモデルがいるのだろうか。
・他にもマイケルのパーティでのタンゴ風のダンスを演じる男女ペアとか、シリーズ通じて音楽やダンスなどで印象的なシーンは多い。