異色もん。

ドラえもん、もやしもん、くまもんに続く第四のもん

2018年6月に読んだ本、とイベント

6/23には丸屋九兵衛さんのトークイベントダブルヘッダー
Soul Food Assassins vol.6 は黒人英語の歴史的な背景からくる文法の話など面白かった。スラング、とステレオタイプに軽んじられる問題についてはしつこく訂正をしないといけないことがよくわかる。まだまだ聞きたい感じ。とりあえずBRER RABBIT retold をポチってしまった。

Q-B-CONTINUED vol.23はアーシュラ・K・ル・グイン祭には丸屋さんが多方面でル・グインから受けた影響がいろいろわかり興味深かった。SF話も沢山聞けてよかった。キム・スタンリー・ロビンスンの高評価を聞き、積んでる火星三部作をなんとかしなきゃいかんと思った。(前々から聞いていたtattooが結局こうなったのかという発見もあった)。
お茶会も参加、こちらではタイガー・ジェット・シンやいろんな国の食事の話題なども出た。

というわけで6月はこれまで未読だったゲド戦記読破月間、にしたかったが『影との戦い』『こわれた腕環』『さいはての島へ』『帰還』『ドラゴンフライ』まで(『アースシーの風』を5番目に読むべきだったかなーとも思った)。ヤングアダルト向けのフォーマットだが全体を覆う仄暗さと痛みが印象的なシリーズだ。大いなる力をどう使うかというファンタジーの王道的なテーマに加え、名前や呪文など言葉が大きな意味を持つ世界像が実にル・グインらしい。真の言葉こそが世界を解き救いになるという思いが感じられる。このシリーズについてはいつかもう少し書きたいと思う。

6/24には第14回怪奇幻想読書会に参加。
第1部「新入生に勧めたい海外幻想文学」の方は、SF寄りなものをはずすとまだまだこちらが読めていないからなあ・・・。それに入手しやすいものとなるとまた難しい。とりあえず『影が行く』『闇の展覧会 霧』『虚ろなる十月の夜に』『レ・コスミコミケ『柔らかい月』などを挙げてみた。『闇の展覧会』のシリーズは怪奇幻想入門としていいと思うから他のもまた読めるようにして欲しい。自分のホラー系の入り口はこれ。
第2部は課題図書『不思議屋/ダイヤモンドのレンズ』 で(怪奇幻想読書会初の課題図書!)。以前『金剛石のレンズ』で既に感想は書いている。再読して改めてその現代性とストーリーテリングの巧さに驚かされた。『金剛石のレンズ』には未収録だった「ハンフリー公の晩餐」は貧乏な若い夫婦を描いた完成度の高い普通小説だが妄想で逃避をしようとする描写が秀逸で作者の資質が幻想指向であることを示している。時代的に差別的な視点ものぞくが、一方でエキゾチズム指向の面も持っている感じがある。

あとだらだら読んでいた『東欧怪談集』も読み終わった。様々な作家が収められているが全体にアクの強い(それだけ印象の強い)短編集である。よかったのは、呪われた剣をめぐる騎士物ポトツキ 「「サラゴサ手稿」第五十三日」、小話のようなムロージェック 「笑うでぶ」、多原語文学者家系であることに驚かされる米川ファミリーの一人ヨネカワ・カズミの鮮やかな怪異譚「蠅」、アンチ・ミステリ的なチャペック「足あと」、ユダヤの二編ペレツ「ゴーレム伝説」シンガー「バビロンの男」、心が底冷えするようなフォークロアのキシュ「見知らぬ人の鏡」あたりか。