異色もん。

ドラえもん、もやしもん、くまもんに続く第四のもん。いつか鎌倉の老人になる日まで。(単なる読書系ブログです)

CSで映画『雷撃隊出動』

 

「山本嘉次郎監督による戦争アクション。中部太平洋の基地を舞台に、雷撃の神様と呼ばれた3人の航空士官が強力な米艦隊に挑む姿を描く。」
 

 雷撃についてはこちら
 1944年第二次大戦中に作られた戦意高揚映画をCSで観た。特撮が円谷英二ということで放送されているのかもしれない。
 基本的には苦しい状況の中でも決して諦めず国のために自己犠牲を厭わない戦士たちを肯定的に描いた内容、とはいうものの敗色濃厚な戦局ということでとても戦意高揚とも思えないほど全体に沈痛なトーンが漂っているのが印象深い。たびたび流れるマイナー調の音楽に会話間に度々現れる独特の重苦しい間、常に物不足に悩む基地、戦闘機も不足し長い待機に苛立つパイロット、(慰問で本土の映像が流れるにも関わらず)空襲で母親の映像が断ち切られる兵士の失望、戦争とは対極にあるような文化的な短歌の長い歴史に日本人の自尊心を託す兵士の会話などなど、やはり厳しい戦況を自ずと反映するような映画になるのだなあと思った。
 メカなどには全く疎いのだが海軍が協力したとのことで、当時の貴重な記録にもなっているようだ。円谷英二の特撮はさすがの一語で、クライマックスの戦闘シーンは大迫力。全体に見どころ豊富な映画で傑作。