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異色もん。

ドラえもん、もやしもん、くまもんに続く第四のもん

『後宮楽園球場』 石川博品

ライトノベル

後宮楽園球場 ハレムリーグ・ベースボール (集英社スーパーダッシュ文庫)

イスラム帝国を模したと思しき架空の国の後宮に選りすぐりの美少女たちが皇帝の寵愛を争う野球リーグがある。覚え目出度き者は出世しあわよくば閨を共にする幸いに預かることも出来るのだ。そんな後宮に皇帝・冥滅(メイフメツ)への復讐を誓った一人の少年・海坊(カユク)がその身を偽り少女・香燻(カユク)として入ることに成功する。

後宮に野球リーグがあるという驚愕の設定だが、少女たちなので野球は短い回での勝負のルールになっていたり、トレードのあるリーグのシステムなどなど非常によく考えてある。基本的には青春野球小説であり、試合のシーンが熱気を帯びているのが魅力。ところどころ懐かしい野球ネタがちりばめられているのも楽しい。
(以下多少ネタばれ)
 終盤成功したカユクの噂を聞いて、後宮入りの手引きをした男が「奴は成功すると思っていたよ。奴より野球のうまい者はいたし、奴より女らしい容貌の者もいた。だが海坊には品があった。勝ち方、負け方に人を惹きつける何かがあった。(以下略)」という台詞があるんだけど、これは黒人初のメジャーリーガー、ジャッキー・ロビンソンに対し「技量に加えて我慢強い選手であることが必要だった」と関係者が言っていたという様な話があったことを思い出した。
 ラストについては続きを予感させるものだったが、どうなるのかな。