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異色もん。

ドラえもん、もやしもん、くまもんに続く第四のもん

『怪奇小説傑作集2』英米編Ⅱ

読書(海外SF) 読書(ホラー/ファンタジー) 読書(ミステリー)

 kazuouさんの怪奇幻想読書俱楽部に参加しているので、まずは『怪奇小説傑作集』は読まないと。というわけでようやく2。(でも3は読んでるんで1~3まで終わったんですよ!<誰へのアピールか(笑)
 2巻は1巻の19世紀末から半世紀、20世紀前半の作品が収録。

「ポドロ島」L・P・ハートリー よせばいいのにいわくつきの島に向かう一行。この人の作品はニューロティックでいいよなあ。同名の短編集も積んでいるから読まないと。
「みどりの想い」ジョン・コリア 有名な作品で何度目かになるが妙なユーモアが癖になる。
「帰ってきたソフィ・メイスン」E・M・デラフィールド これはコメディにしか読めないんだが。
「船を見ぬ島」L・E・スミス 話そのものはよくありそうな孤島ものだが、なかなか雰囲気がある。
「泣きさけぶどくろ」F・M・クロフォード これも珍しい筋ではない気がするが、独白の語り口と終盤の映像的なインパクトがよい。
「スレドニ・ヴァシュタール」サキ サキも積んで長いんだが、早熟な少年と抑圧する保護者という図式が効果的。
人狼」フレデリック・マリヤット 話はタイトルで丸わかりなんだけど家族ものでもあるので現実にあるさまざまな出来事を想起させて何とも身の毛もよだつ話になっている。厭ホラー。
「テーブルを前にした死骸」S・H・アダムズ 切れ味の良い掌編。ただオチのネタそのものはどこかで聞いたことがあるような気もしないでもない(むしろこっちが元ネタなのかもしれないが)。
「恋いがたき」ベン・ヘクト これまたサイコ的な風味のある腹話術ものだが割としんみりしている。ジョン・キア・クロス「義眼」も腹話術ものだったが、あっちは不気味さが強かったな。
「住宅問題」ヘンリー・カットナー 部屋を間借りしている人物が大事にしている覆いのかぶった鳥籠。SF作家としてよく知られる著者だけにアイディアストーリー的なカラーが強い。個人的には非常に面白かった。
「卵形の水晶球」H・G・ウェルズ これも名作で何度目かになるが、怪奇小説集の中にあると謎に理論的に挑む要素が目立つね。
「チェリアピン」サックス・ローマー フーマンチューのことはよく知らないのだが、怪しげな人物を描く欲求が強いのかな。
「こびとの呪い」E・L・ホワイト 未知の第三世界への怖れといった視点が感じられる今となっては時代を感じさせる内容だが終盤の映像的な不気味さはいいね。

 古典的な怪奇小説から、人間心理の怖ろしさに視点を置いたものや科学的解明にアプローチしたものやユーモアに寄せたものなど多様性が出てきたのが時代の変化なのかなという気がした。