1965年に出版されたビートニク文学についての評論本。署名や作家名が当時のままになっているので読みにくい部分が多く感覚的に古いところもいくつか見受けられるが、この題材でまとまった本になっている日本語の本はなかなかないこともあって、多くの詩人・作家が列挙されリアルタイムのビート作家との交流が反映されている本書はそれでも大変貴重な資料となっている。同じジャズの影響を受けながら1920年代のロスト・ジェネレーションは窮屈な地方から都会を目指し、50年代のビート・ジェネレーションは反文明的で自然へ向かったと対照的であったという指摘が印象に残った。