異色もん。

ドラえもん、もやしもん、くまもんに続く第四のもん。いつか鎌倉の老人になる日まで。(単なる読書系ブログです)

CSで映画『座頭市御用旅』

座頭市 御用旅 【期間限定プライス版】 [DVD]

森繁久彌が共演したシリーズ第23作。盗賊に襲われた母親に代わり、赤子を塩原へ届けることになった座頭市。しかし時を同じくして、札付きのヤクザ・鳴神の鉄五郎が塩原に乗り込んで来る。さらに市は母親殺しと十手持ちの藤兵衛殺しの嫌疑を掛けられ…。」

 CSでやっていたのを録画視聴。
 冒頭女が追い回され襲われるところを救う市だが、女は身重でいきなり陣痛が始まり、市が赤ん坊を取り上げるという意外なオープニング。女は死んでしまうが、最期の言葉を手掛かりに赤子を塩原にいる女の義妹八重の元へ届けると、八重をはじめそこではヤクザ鳴神の鉄五郎の傍若無人なふるまいに苦しむ人ばかりであった。見かねた市だったが逆に命を狙われる。
 大筋はいつもの座頭市。ひょんなことから弱い者たちの苦境に出会い、周囲の誤解もあって協力の得られない中で独力で悪党と対峙するというパターン。その悪党鉄五郎に三國連太郎、その子分に石橋蓮司蟹江敬三も子分で出てたのか!正直気づかなかった)、クールな雇われ浪人に高橋悦史、鉄五郎が唆そうとする頑固な老目明しに森繁久弥、八重に大谷直子などなどそうそうたる顔触れが揃って、それぞれ存在感を出している。特にやり過ぎかとも思うぐらいの顔面蒼白メークの三國連太郎の嫌らしい悪役ぶりは見事で、正義感は強いが衰えを感じしかも息子はヤクザの子分に成下がってしまった目明し森繁久弥の抑えた演技と好対照をなし、コントラストが生きている。終盤の火を用いた殺陣など所々見られる斬新な映像も迫があり、ストーリーとしては最後駆け足気味になるものの個人的には傑作と感じた。
 コメディリリーフとして正司玲児・敏江、笑福亭仁鶴田辺一鶴とシブーい面子が並んでおり、そこもなかなか良かった。