諸般の事情から本を大量に処分。そちらに時間をとられるなどあり。拾い読みはしているが、読了本としてはさらに低調な日々。
『SFにさよならをいう方法 飛浩隆評論随筆集』飛浩隆
主に評論で少し随筆という内容だが、実に美文家だなあと思う。美文、というのは単に表現が巧みというだけではなくとらえた本質を文章に仕上げ、かつその文章だけを取り出してみても美しい形状で佇立しているというものなのだなというのを知らしめてくれる。そんな一冊である。
『ゼーロン・淡雪』牧野信一
小田原が故郷ということで以前から気になっていた作家の短篇&エッセイ集。この奇妙なタイトル「ゼーロン」は馬で、他にも「夜見の巻」にもゼーロンが登場する。驢馬と重ね合わせられる文章もあったり、ユーモアなど『ドン・キホーテ』の影響を感じさせる。「淡雪」は当時の家や血統による因縁が淡々とつづられ印象的。
『大東亜科学綺譚』荒俣宏
著者ならではの博覧強記が光る、太平洋戦争前の先駆的科学者たちについてのエッセイ。おのおのまるでフィクションの主人公のような波瀾万丈の冒険が綴られる。有名人の関係者が多いのも楽しい。


