録画していたのをちょっと見ました。
「ベニスに死す」(1971年)
大昔に観た時は(おそらくこちらが20代)主人公の行動が理解し難かったが、こちらも年を取ったことや原作が1910年代だったことなどをふまえると今回はわかりやすくなった気がする。ただ(ルードヴィヒぐらいは観たことがあるが)映像美で知られるヴィスコンティにしては(室内はともかく)ヴェニス自体があまり美しくないのはどうか。映像のリマスタリングの問題もあるかもしれないが、美しさの背景で死が忍び寄るような「光と影」のコントラストの「光」の部分が弱いような気がするのだ。というのも続けて観たNHKドキュメンタリーのベネチアの方が、「損傷がひどいので維持が大変」といわれながら映画より美しいのだ。これは映画製作時(1971年)の問題なのか、デジタル撮影機器の進歩なのか。あと全体に手堅くまとまっている程度で、それほど冴えた出来でもないと思う。まあそれはともかくとして原作への興味は増した。マンのオブセッションとか。
というわけでNHK番組の「貴族からの招待状 ベネチア・シチリア編」も観た。https://www.nhk.jp/p/ts/5KJ8P5KWRM/episode/te/4LWQRYXK73/
「レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ」(1989年)
音楽自体はワールドミュージック的な面白さは感じるが、映画は退屈だった。とにかくユーモアが野暮ったくて合わなかった。友人で公開当時やたらと気に入っていたやつもいたので、趣味の問題かもしれないが。