異色もん。

ドラえもん、もやしもん、くまもんに続く第四のもん。いつか鎌倉の老人になる日まで。(単なる読書系ブログです)

2021年10月に観た映画やTV番組

 ということで、久しぶりに映画館で映画「DUNE」を観ました
その他TV録画関連です。
勝手にしやがれ À bout de souffle(1960年)
 ヌーヴェルヴァーグについてはよく知らないのだが、本作は即興的につくられたギクシャクとしたところは独特の効果を生み、斬新なセンスは今観てもカッコ良さにあふれ、完成度といった基準とは別のところで映像を見る面白さを感じさせる。社会からはみ出た犯罪者を題材にしているのも、既存の価値観へのアンチテーゼなのだろう。パリの街並み、ファッションなど、影響を与えたのはよくわかる。まとまりという意味では疑問が残り変わった手法などが含まれる作品を強く意識せず楽しむことをできるようにしているのは、主演の二人の魅力だろう。ジャン・ポール・ベルモンドの人懐っこく憎めない悪党ぶりもさることながら、何より最初のシーンからキュートなショートカットで観る者の目をとらえて離さないジーン・セバーグが作品のコアだろう(ジーン・セバーグはその後若くして亡くなってしまうんだな。あまりに鮮烈で時代の顔になり過ぎたのかな。アイコニックな存在になるのも大変だという気がする)。ふと犯罪を起こし逃亡するカップルという事で「俺たちに明日はない」を思い出したが、この作品の影響でできたみたいね。先行の作品の方がバランスが悪かったり歪なところがあったりする(そして逆にそこが面白かったりする)のもまたよくあるパターンね。
ウルトラQ
 第26話 燃えろ栄光 ボクサーの変な生き物との深い結びつきを描いた一見<奇妙な味>系の話かなと思ったら、どこかシリアスなところもあったりオチもはっきりしなかったりする正直よくわからない回。紙を切ったり、破ったりするような画面の演出など面白い映像効果が使われていて、クライマックスの火のシーンなどは結構力が入ってる。穂積隆信も出ているね。
 第27話 206便消滅す 当初怪獣のシーンはなく、後から追加されたらしい。そのためかストーリー展開に(最低限の)ロジカルさが感じられず、もう一つ。初回放送時はこれが最後の回だったらしいが、パッとしないラストのような。小泉博が出ているが、ググってから思い出すに、クイズグランプリの司会者が一番記憶にあるかなあ。ゴジラシリーズやマタンゴにも出てたみたいね。鎌倉生まれ、政治家の息子らしいが、小泉純一郎の一家とはまた別みたい。
 第28話 あけてくれ 最終回。どうやら本放送では放送されず、再放送から。柳谷寛さんはどこかで見た事があるなと思ったら、19話の刑事役か。事件の鍵を握るSF作家は天本英世で、おおっとなった(いやあオタクの基本知識を欠いておるのですよ)。アンプル入りのビタミン剤を渡すところが現代だと変に印象に残るよね(笑)。オープンエンディングだが、意外と今の時代だと違和感は少ないのでは。歪んだ映像効果も良かった。
 で、一つ見逃したがそれ以外は全部観た。そうだな、全体としての感想としては、一話毎の出来には差があるものの、当時の実験精神が感じられる作品も多くあり、さすがに評価が高いのも当然だなと思った。流れを継ぐ、後のウルトラマンシリーズよりも怪奇幻想寄りのエピソードも目立ち、また別の路線として今後も繰り返しスポットを浴びそうな番組だと思う(熱心なファンの方には今更この程度の感想かと思われそうだが)。
日曜美術館横尾忠則 ART IS LIFE」残念ながらコロナ禍で展覧会は見合わせたのだが、今年の番組。東京都現代美術館で以前に行われた展覧会で横尾忠則のエネルギーに圧倒されてファンになったんだよな。これかな。 ↓
www.mot-art-museum.jp
これからある大分のに行きたくなってしまうなー(まあ無理なんだけど)。番組はどんな状況でも好奇心を失わないパワフルな姿に心を動かされる。同時代に生まれて良かった思えるアーティストだ。