異色もん。

ドラえもん、もやしもん、くまもんに続く第四のもん。いつか鎌倉の老人になる日まで。(単なる読書系ブログです)

2017年4、5月に行った美術展

 ここのところ美術展にいくつか行っていたので、まとめて備忘録。
・大英自然史博物館展
 
大英自然史博物館展

 4月の平日夜は比較的空いていてよかった。歴史的な標本や展示が沢山あって見どころ満載だった。強いていくつか挙げると、始祖鳥、ブラシュカ父子のタコのガラス模型、プラチナコガネ、大プリニウス著『博物誌』かな。捏造のピルトダウン人の展示(どんなものでもちゃんと残しておくことによって、誤りもきちんと検証できるのだという話が印象的)、スコット隊の記録、<伝説の女性化石ハンター>メアリー・アニングなど女性研究者たちも忘れ難い。


草間彌生展「わが永遠の魂」@国立新美術館

kusama2017.jp

草間彌生の大回顧展。創作の原点も興味深かったが、NYに進出して作ったネットペインティングがその後の作風を決定づけたように思われ面白かったな。偏執的ともいえる緻密な構造の繰り返しはインパクト大。あとその頃はいろんなパフォーマンス系のこともいろいろやっていたんだな。本人の語りによる音声ガイドは歌まで入っていて驚かされたが、作品に対する宇宙的スケールの自負がカッコよかったなあ。一部撮影可だった。

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ミュシャ展 @国立新美術館

www.mucha2017.jp

 草間彌生展と合わせて。アール・ヌーヴォーの美しいポスターぐらいしか知らなかったのだが、今回の<スラヴ叙事詩>は歴史的視点というスケールの大きさを反映して作品自体のサイズも圧倒的な大きさであった。ナチスに高齢にもかかわらず逮捕され劣悪な環境下に置かれ、釈放されるも数カ月後に亡くなったという話も今回初めて知った。

ブリューゲルバベルの塔」展 @東京都美術館

【公式】 ブリューゲル「バベルの塔」展

 ブリューゲルとボスの関係とか、バベルの塔の描き方の歴史とか基本的なことからよくわかって面白かった。少々キモいボスモンたちはどうしても惹かれてしまう。(ボス≪聖クリストフォロス≫の熊はいったいなんなんだ・・・)「バベルの塔」自体は意外に大きくない。東京芸大によるCGも今後の美術展示の可能性を感じさせてくれた。


横尾忠則 HANGA JUNGLE @町田市立国際版画美術館

横尾忠則 HANGA JUNGLE | 展覧会 | 町田市立国際版画美術館

 横尾忠則はたしか2002年の東京都現代美術館の展覧会から好きになったんだと思う。横尾忠則現代美術館は気になっているのだが、兵庫にあるためなかなか行く機会がなくフラストレーションがたまっていて、ようやく行ける展覧会が登場して今回嬉しかった。エネルギッシュなところが好きなんだよね。様々なモチーフが変遷していくところやアイディアの源流などがよくわかった。撮影自由なのも楽しい。この人もパフォーマンスっぽいことを初期にはやっていたのも発見だった。

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全く関係ないが、帰り道まったく偶然に「町田市文学館ことばらんど」というところを通りがかり「本の雑誌 厄よけ展」なるものやっていたのでもちろんこれも見て帰った。非常に充実した展示でこれも堪能。