異色もん。

ドラえもん、もやしもん、くまもんに続く第四のもん。いつか鎌倉の老人になる日まで。(単なる読書系ブログです)

映画『ゴジラVSビオランテ』『ゴジラ×メガギラス』『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』

 日本映画専門チャンネルで5のつく日にやっているゴジラ映画特集。全てはなかなか観られず、ランダムになってしまうのだが最近やっているのは平成以降のゴジラ。平成ゴジラはまず1984年作の『ゴジラ』を元にタイトルにVSがついている平成VSシリーズが6本(1984年は平成ではないけど含むと7本)。で1999年だけどミレニアムというタイトルがついた『ゴジラ2000 ミレニアム』が6本ということのようである。平成でもこんなにあるんだねえ。当たり前とお思いの方も多いと思いますが詳しくないので備忘録として書いてます疎くてスンマセン。で、そのうち3本の感想。

「バイオテクノロジーとゴジラの細胞が生んだ謎の生物ビオランテゴジラの死闘を描いた平成ゴジラシリーズ第1弾。監督・脚本は大森一樹特技監督川北紘一。」

 ゴジラ細胞技術の争奪戦というアイディアはなるほど面白い。映像も迫力があるし、起伏に富んだストーリーも面白かった。指摘があちらこちらであるように、当時のバイオホラー小説ブームと重なる部分があってその辺も興味深い。というのもこれ1989年の作品で、鈴木光司『リング』(1991年刊行。wikiによると1989年に『リング』を出筆中)、瀬名秀明パラサイトイヴ』(1995年第2回ホラー小説大賞受賞)に先行しているからである。背景には医学部卒業である大森一樹のセンスもあるような気もするがどうなんだろう。また植物の怪獣というのはリトルショップオブホラーズの系譜でもあり、映画の伝統に忠実だなあとも思った。

ゴジラ×メガギラス~G消滅作戦~〈通常版〉 [DVD]

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ゴジラと超翔竜メガギラスとの壮絶な死闘を描いた、人気特撮映画「ゴジラ」のシリーズ第24作が登場!」

 1984年作観ていないのでつながりは分からない。何はともあれブラックホール兵器というスケールのでかいアイディアの割に少人数で行われる人間ドラマ風に回収されてこじんまりした感じも受けるし、渋谷攻撃がクライマックスというのもスケールの小ささを感じなくもないが、映像やメカなんかは割と良かったように思う。水没した渋谷のシーンはなかなか良かったね。2000年の作品だが、一瞬登場する渋谷センター街の看板が無いことが分かる(台風で看板が飛んだのは1997年らしい)。

ゴジラモスラキングギドラの最も人気のある3大怪獣が結集し、壮絶な戦いを繰り広げる。劇場公開された「ゴジラ モスラ キングギドラ大怪獣総攻撃」がDVDで登場。」

 これはミレニアムシリーズの2作目。シンプルに怪獣が大暴れするという意味ではシンプルで映像も迫力があって非常に良かったと思う。どうも設定をいじり過ぎという批判もあるようで、要はリーズを通しての一貫性に欠けるのは大変問題ということは分かるね。これまでのファンが離れるかもしれないしね。個人的には「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」の宇崎竜童が横浜を守るといった展開には神奈川県民としてツボだった(笑)。
(以下少しネタばれ)


 警告を発する老教授が当初から幽霊であることが分かる描写になっていて、最終的にやはり幽霊であったという印象を強めるエピソードが出てくるが、ゴジラが科学技術の暴走を語った作品とすると幽霊的な要素はミスマッチというのが理由、と思ったがもっとシンプルにミレニアム以降にしては幽霊の描写がオーソドックス過ぎたことかもしれない(向こうが透けて見える存在、種明かしの現代だったら年齢が合わないことが分かる会話とか)もし描くなら、現代にふさわしい幽霊の描写や、幽霊ではない可能性もある両義的な描写にして欲しかった。

 


※追記 『VSビオランテ』では原発が危機にさらされていたり、『大怪獣総攻撃』では軍の出撃が描かれたり、振り返ると幅広く日本の問題というのを扱っていて興味深い。丸屋九兵衛さんがスタートレックシリーズのニコ生やTV特番で随所にアメリカの歴史そのものを反映した内容となっていることを絶賛しておられたが、日本のゴジラシリーズにもそんな面があるかもしれない。それだけにハリウッド版ゴジラの内容が楽しみである。