異色もん。

ドラえもん、もやしもん、くまもんに続く第四のもん。いつか鎌倉の老人になる日まで。(単なる読書系ブログです)

映画『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』

 評判が良いので観てきた。
前作『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』はDVDで観て、割と好きだった。このシーンがいいんだよね。
Star Spangled Man - Captain America: The First ...
これはまだヒーローとしての地位が確立する前に、軍のプロパガンダのためにしぶしぶチャラいショウの主役をさせられたりしているシーンで、1940年代という時代設定によるファッションや風物何かがよく生きている。こういう古き良き(白人)アメリカ文化みたいなノリは1980年代に若者だった自分には当時最もダサい位置にあったものだった気がするが(流行が終わってしばらくはどんなものもそういう時期を迎える)、さらに時代は回ってダサいどころか結構カッコよく感じられたりする(個人的にはこの辺りの音楽が今や一番興味があったりする)が、そのOKになった時期を逃さず(もちろん現代的にアレンジして)洒落た映像に仕上げるというセンスに感心した。(エンディングも同様のテイストで素晴らしかった)
 今回は舞台を現代に移して、前作のレトロで時にコミカルな雰囲気から一転アクションを前面によく出来たストーリーをテンポの良く隙なく見せるきっちりとした娯楽作に仕上げてきた。なるほどねえ。非常にバランスの良く作られており、例えばヒーロー揃い踏みの祝祭的作品であった、『アベンジャーズ』楽しんだ口ではあるのだが、今から思うとどのヒーローも見せ場を作らなくてはいけない制約ゆえの窮屈さも感じられた。今回は超人的ヒーロー(キャプテン、ブラック・ウィドウ)、超人敵役(ウィンター・ソルジャー)とコアの人間を絞って、その他半超人的に活躍する敵味方数名を配してごちゃごちゃし過ぎないようににしているのが良かった。またロバート・レッドフォードも存在感あったねえ、こういう大物がいるとグッと映画全体の腰が据わるよね。
 レトロな持ち味は控えめ、だけど随所に効果的に使われている。キャプテン・アメリカ自身は軍人で例えばアイアンマンのスタークとは違い優等生過ぎて基本的にはちょっと親しめない部分もあるんだが、昔堅気なのは昔の人だからという設定が裏にあるために納得できる。そこもまた巧いんだよね。前作のDVDのメイキングではクリス・エヴァンズが適役だという話がさかんに出ていたけど、ムキムキなんだけど頑固ででもちょっと憂いのある感じがチャーミングでたしかにハマり役だと思う。
 次への引っ張りもたっぷりあったし、いやはや次も観なくちゃだねえ。アベンジャーズ商法に乗せられておりますよ。

※追記 そういえばマーヴィン・ゲイのトラブル・マンが大事なところで使われていたけど、今一つ理由が分からなかったなあ。あれなんだろうな?