異色もん。

ドラえもん、もやしもん、くまもんに続く第四のもん。いつか鎌倉の老人になる日まで。(単なる読書系ブログです)

映画 『怪物の花嫁』

 12/27新橋文化劇場で、伝説のエド・ウッド監督作品を観てきた。
 エド・ウッドといえばティム・バートンの作品でお馴染み、最低監督の代名詞となっているお方である。
 さてはてその作品であるが・・・。いやこれは(苦笑)。
 一応あらすじとしては、不気味な森の中で実験を繰り返すマッド・サイエンティストがいて怖ろしい化け物を作っている。その森で行方不明者が相次ぎ、謎を解くために恋人である警察官と新聞記者が立ち上がるという話。
 ティム・バートンの映画でも撮影費用をまかなうために四苦八苦する様子が描かれているが、まさにこの映画がそのためにキャストを出資してくれるという素人達に役をあてがったりしたもののようで、初手からかなり苦しんでいるようだ(こちらのサイトによる。ちなみにベラ・ルゴシの有名な格闘シーンのエピソードがバートン作品で感動的な見せ場なのだが、どうもルゴシじゃなさそうとのこと。ま、まーそうかもしれないよな現実は)。
 張りぼてのタコの怪物が動かないので襲われる人物が明らかに無理矢理動かしてるんだけど、それだけではなくいろいろおかしい(笑) ざっと個人的に変に思ったところを羅列。
・冒頭二人の登場人物が訪ねて来て泊めてくれというのに博士はいきなり追い返す。しかし結局化け物に襲わせたり捕えて人体実験を行ったりする(最初から泊めて襲えばいいのに)。
・博士の実験のため3カ月(だっけ?)雨が続いているといいながら、映像ではそんな雨が降っているようには見えない。
・博士の実験は大きなタコを作るのか人体実験が目的なのかどっちかよく分からない。
・博士が不気味な機械のスイッチを入れると光るんだけど、その後特に新しいことは起こらないので、どういう意味があって光るのかよく分からない。
 とまあざっと思いつくだけでもいろいろあるんだけど、全体としてリズムもギクシャクしていて(行き当たりばったりで作ってるから当然か)テンポが悪いので、観てて何度もズッコケてしまう。こういう説明をしていると、「逆に面白いじゃないか!」という人も少なからずあろうかとも思うが、実際には結構キツいんですよ。1時間半余りの短さなのに途中強烈な眠気に襲われたし(苦笑)。映像にノっていけないのが原因だと思う。
 えーと見どころを強いていえば、ベラ・ルゴシかな。さきほとのサイトによると撮影からほどなくして亡くなったとのことで体調もすぐれなかったようだが、往年のホラー俳優らしく存在感がある。手が大きく指が長いので、ヒラヒラさせると不気味さがでるんだよな。
 しかしまー世の中にはこういう映画もあるんだな。まあ独特な体験をさせてもらった、そんな一本。