異色もん。

ドラえもん、もやしもん、くまもんに続く第四のもん。いつか鎌倉の老人になる日まで。(単なる読書系ブログです)

SFマガジン読者賞投票(第25回)してみた

 投票したりしなかったりのSFマガジン読者賞だが、今年はまあまあSFを読んだので投票してみた。(2013年SFマガジン1~2月号に掲載された作品から、海外作品・国内作品・イラストレーターの3部門、それから海外・国内SFのベスト5)

SFマガジン掲載作品
1.海外部門 「パリンプセスト」(11~12月号) チャールズ・ストロス
2.国内部門 「コルタサル・パス」(4月号) 円城塔

3.イラストレータ部門 (これはいつも困るんだよなー選ぶ自信が無いから。2月号の表紙の方にしました)

◎SFベスト(2012年11月~2013年10月までに出版された新作SFから)

○海外作品

1位 「夢幻諸島から」 クリストファー・プリースト
2位 「言語都市」 チャイナ・ミエヴィル
3位 「蛇の卵」 R・A・ラファティ
4位 「ブラインドサイト」 ピーター・ワッツ

5位 「第四の館」 R・A・ラファティ

○国内作品

1位 「皆勤の徒」 酉島伝法

2位 「ヨハネスブルグの天使たち」 宮内悠介

3位 「Gene Mapperーfull buildー藤井太洋

 

正直読み残してるんだけど・・・・。まずSFマガジン掲載作品。海外作品については12月号ヴァンス特集は当然嬉しかったんだけど、まあ殿堂入りということで
「クリストファー・レイヴン」シオドラ・ゴス(2月号)

「選択」ポール・J・マコーリイ(3月号)

「霧に橋を架けた男」キジ・ジョンスン(3~4月号)
「小さな供物」パオロ・バチガルピ(4月号)
あたりと迷ったんだけど、意外にキジ・ジョンスンが地味めだったり、バチガルピは短すぎたりなかなか決定打が無いんで一番無茶苦茶なストロスにしときました。女子校ホラーのゴスはオススメ。
日本作品については洗練されたポスト・サイバーパンク「コラボレーション」藤井太洋(2月号)、甘粕事件をモチーフに当時の日本を描く「無政府主義者の帰還」横山三英(2~4月号)も面白かったが、結局何重にもカッコにくくられた空理空論が可笑しい円城作品に。あと8月号の日本ファンタジー特集もいい作品が揃っていた。

さてSFベストの方も大して読んでいないので迷ったが、まあ今年は海外・国内とも素晴らしい作品が多かったので不完全ながらも参加してみることにした。海外はもちろんプリースト!疑似旅行記が時空を超えた空想の世界に広がっていく楽しさは他に類をみないものだった。ミエヴィルやワッツのような最先端のアイディアSFが紹介されるのは嬉しいなあ。あれだけ変な異星人を思いつく人はちょっと見当たらないのでミエヴィルを上にしたけど、ポスト・ヒューマン系の流れを把握していないのでその辺によってはブラインドサイトの凄味がもう一つ自分には掴めていないのかもしれない。さてラファティは今年前半に長篇が2つも訳されるという異常事態(笑)になったが、「第四の館」はどうにも難しい面があり、距離を感じた(いまだに感想も書けていない)。今のところはとぼけて残酷な青心社作品の方が肌に合う感じ。

国内作品はさらに読めていないのでこっそりと(苦笑)。「皆勤の徒」は驚愕だね。是非とも凄腕翻訳家が登場して、世界進出へ!感想ではいろいろ注文つけちゃったけど宮内悠介はとても質の高い書き手だと思うし、現代的にサイバーパンクをブラッシュアップしてくれそうな藤井太洋にも期待大で、日本SFも目が離せないね。