(新企画はじめたけど宇宙にも出かけるよー)
“突如地球を包囲した65536個の流星の正体は、異星からの探査機だった。調査のために出発した宇宙船に乗り組むのは、吸血鬼、四重人格の言語学者、感覚器官を機械化した生物学者、平和主義者の軍人、そして脳の半分を失った男。彼らは人類の最終局面を目撃するー(紹介より)”
最先端の科学知識をガンガンぶち込んだハードSF。宇宙からの侵略者、ハードSF仕様の吸血鬼、意識と知性についての論考、などなど幅広いアイディアがテンコ盛りだったが、意表をついた「吸血鬼がチームリーダー」という設定に代表されるホラー風味のところが面白く、特に中盤に正体不明のエイリアンが襲撃するパートが良かった。そこから怒涛の展開で宇宙全体を巻き込むようなディザスターに流れ込むのかと思ったら、そこまではいかなかったのでいささか拍子抜けする様な感じも無くは無かったものの、(どなたかが書いていたが)主人公たちがどれも通常の人間の主人公ではないので、ちょっと見方を変えるとこれはそうしたポストヒューマンたちのサバイバルゲームなのかもしれないなーと思われ、そうなると納得させられる地点に着地している。また巻末の参考文献(+自己解説)の部分はノリノリで、とても好感のもてる感じだった。