異色もん。

ドラえもん、もやしもん、くまもんに続く第四のもん。いつか鎌倉の老人になる日まで。

2021年3月に観たTVドラマ、ドキュメント、映画など

シリーズ江戸川乱歩短編集 - NHK
 NHK満島ひかりの乱歩シリーズ、今回は少年探偵団もの。期待通り面白かった。アニメなど変化に富んだ映像表現も良かったが、特にキャスティングがツボ。仲本工事、坂井真紀など、こちらの年齢層をターゲットにしていたのは丸わかりだが(笑)、ちゃんと元怪人二十面相団次郎(現在は団時朗)も登場しているのが素晴らしい。踊れる森山未來満島ひかりのダンスシーンをしっかり組み込んでいたのも良かった。
・『アガサ・クリスティの世界』(Eテレで録画視聴。NHKBSでやっていたこれ
 コンパクトに作品の特徴や背景にある人生の出来事に触れていて見やすかった。また近年のドキュメントで映像が美しく、グリーンウェイなど風光明媚な土地土地の映像も鮮やか。行ってみたいなあ。
・ららら♪クラシック  バート・バカラック〜名曲にクラシックのスパイスを〜」
 バカラックの曲は聴きやすいけど、難しいんだね。よくコンビを組んでいたディオンヌ・ワーウィックはとんでもない力量だったんだろうなあ。わかりやすい解説だったし、何より高齢のバカラックから、この厳しい世界状況の中、日本の視聴者に前向きなメッセージを発信していて、グッときた。
・「王立宇宙軍オネアミスの翼」(1987年)
 アニメはホントに表層ぐらいしかしらないのだが、これガイナックスの最初の作品なのね。いやー、よくこんな地味な内容のものを作ったなあというのが最初の感想。架空の星(とはいえテクノロジーの進歩具合は20世紀中盤の地球ぐらい)における、初の有人宇宙飛行プロジェクトもの。内容はいたってシリアスで、冴えない軍人の主人公が落ちこぼれの閑職だった宇宙軍で、敬虔な日々を送る娘との出会いからやる気に目覚めるが、国の上層部や他国の干渉で命を狙われるといった話。アクションや戦闘シーンもところどころにあって飽きさせないが、いかんせんいわゆるアニメ的な高揚感は終盤までは欠いている。一方異世界描写というか異文化描写は念入りでオネアミス王国というものが細部までしっかり描かれている。一件落着の後、ラストのラスト辺りに、この架空の星のテクノロジー開発史がモノトーンで描かれていくシーンにスタッフが描きたかったもののコアな部分が現われていたような気が個人的にしている。というわけで、いまでも映像的に古い感じが全くしない点など、力作ではあるが、売れ行きが上がらなかったのもやむを得ないだろう。しかも、これから船出というガイナックスでこの売り上げ度外視と思われても仕方のないチョイスは無謀過ぎる(苦笑)。ただまあこれも、こちらがオッサンだから思うことで、当時二十代中盤であったらしいガイナックスの面々の野心はむしろ十分すぎるほど伝わってくる。そして作品全体が、アニメ制作をめぐる苦闘のプロセスを反映しているところも、若さゆえの結果なのだが、かえって彩を添えて作品の寿命が延びそうなところが歴史の面白いところでもある。
 ちなみに音楽担当の坂本龍一インタビューでうまくいかなかった過去のアニメ仕事に言及していて、それがどうやらこの作品らしい。で、坂本の音楽は当時のアニメの曲調からすると、洗練されていてかなり高級感がある。ただ、そのため、アニメ全体のシリアスさがさらに強調されたきらいもなくもない。主演の声優森本レオにも同じようなところがある。森本レオは昔SF映画ファンに不安視されていたスターウォーズの吹き替え版のハン・ソロを見事にこなしたように、力量は間違いなく、この作品でも安定していてシリアスな演技につとめていた。ただ、全体がやや重い話なので、これまた声優が違えばどうなっただろうというところも考えてしまう。