異色もん。

ドラえもん、もやしもん、くまもんに続く第四のもん。いつか鎌倉の老人になる日まで。(単なる読書系ブログです)

2019年11月に読んだ本、参加した読書イベント、観たドラマも

諸般の事情で読書は相変わらず低空飛行(映画も全く観ていない)

『カメラ・オブ・スクーラ』ナボコフ

 ナボコフの初期作品で、古典新訳文庫なので、解説が充実していて、本作の背景がよくわかるのだが、まだシンプルなつくりになっていて、ナボコフの好むモチーフなどがわかりやすくなっているところが興味深かった。

 あと紀伊國屋書店新宿本店のナボコフのトークイベントも参加した。ナボコフの小説における視点の移動とか、亡命作家内での評価が当初芳しくなかったことなどなど限られた時間ながらいろいろな話をうかがうことが出来て本当に良かった。

翡翠城市』フォンダ・リー

 久しぶりにシミルボンに投稿しました。

 

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『異説ガルガンチュア物語』

 ドレの挿画と詩人、アーティスト(紹介にはヴィジュアルアーキテクトとある)である谷口江里也の文章からなっている。シンプルにわかりやすくなっていたのでササっと読めた。「世界文学大図鑑」とか見るともっとめちゃくちゃな話みたいだけどねえ。

 『クネレルのサマーキャンプ』エドガル・ケレット

 『銀河の果ての落とし穴』が面白かったので、こちらも読んでみた。表題作は自殺した者たちで構成された世界での物語で、他にも意表を突く発想があったり一見平凡な日常から異様な方向にねじ曲がっていく話があったりショートスケッチみたいな小説があったり、技巧的な面と人を食ったユーモアが同居してるのが大きな魅力だ。(2019年12/8追記。映画製作にも関わっている人で、10月に来日して、映画祭もあったんだよね。興味はあったのだが忙しくて行けなかった。行っておけば良かったなと少し後悔している)

「小鳥のくる日」(1999年)

 随分前にBS12で録画した向田邦子ドラマ傑作選の一つで、以前観た「空の羊」(1997年)と母親と三姉妹の女優4人と小林薫が出てくるところが同じ上に内容的にかぶりながら少しずつ設定が違うので混乱した(苦笑)。おそらく「空の羊」が好評だったので続編的につくられたのだろう。ちなみに本作での若いダメ男は「空の羊」の西島秀俊から町田康に代わっている。いかにも向田作品らしい、とりようによっては女性への視点的にコンサーバティブな要素は否めないところがあるので、合わない人もいると思うが、設定は戦前だし非常によく構築され、最後のオチはなかなか巧みでやはり侮れない。しかし小説の方はまだ読めていないのだよね。そろそろ読んでみないとなあ。

 

 あとチャンネル銀河でオスマン帝国外伝シーズン3観ていて、そろそろ最終盤。このドラマ、扇情的なところが売りなんだけど、偉い人達の争いが、手下に対してそれこそ中2同士のタイマンレベルで「おめえ、これやらなきゃコロス!」みたいなことを言ってるのが楽しんだよなあ。一方意外なところが史実に忠実だったりしてそれもまたハマる理由なのね(一応ネタバレ回避で色変えておくけど、例えばルトフィーがシャー皇女を殴ったというのはwikiに載ってるんだよね)。それにしても、シーズン2→1→3の順番で観ているのだが、ずっと出ている主要登場人物たちがだんだん退場していって一抹の寂しさは感じたり。まあ相変わらず面白いので、シーズン4やれば観るけど。