異色もん。

ドラえもん、もやしもん、くまもんに続く第四のもん。いつか鎌倉の老人になる日まで。(単なる読書系ブログです)

『 蒲公英(ダンデライオン)王朝記 巻ノ一: 諸王の誉れ 』 ケン・リュウ

蒲公英(ダンデライオン)王朝記 巻ノ一: 諸王の誉れ (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

゛七つの国々からなるダラ諸島では、統一戦争に勝利したザナ国が他の六カ国を支配し、皇帝マビデレが圧政を敷いていた。喧嘩っ早いが陽気で誰からも愛される青年クニ・ガルは、日々気楽な暮らしを送りながらも、何か大きなことを成したいと夢見ていた。いっぽう皇帝に一族を殺され、過酷な運命をたどってきた青年マタ・ジンドゥは、皇帝を手にかけるその日のため研鑚を積んでいた。行く手に待ち受ける数多くの陰謀と困難を乗り越え、ふたりはともに帝国の打倒を目指す。権謀術数渦巻く国家と時代の流れに翻弄される人々を優しくも怜悧な視点で描き出す、ケン・リュウの幻想武侠巨篇、開幕。″(amazonの紹介より)

 短篇集『紙の動物園』で一躍人気作家になったケン・リュウの本格長篇はなんと異世界ファンタジー。どうなるかと思ったら骨太なスケールの大きい歴史ドラマでルーツである中華風味も生かされていてまたまたいい意味で驚かされた。元々引き出しの多い人なのだろう。激しい争いの中で命を奪われ次々と登場人粒が退場していく苛烈な世界と人情味あふれるクニの周囲とのコントラストが鮮やか。続篇ももうすぐ(6/23)刊行予定。楽しみだ。