異色もん。

ドラえもん、もやしもん、くまもんに続く第四のもん。いつか鎌倉の老人になる日まで。(単なる読書系ブログです)

『ウィザード』 Ⅰ・Ⅱ ジーン・ウルフ

ウィザードI (ウィザード・ナイト)
ウィザードII (ウィザード・ナイト)

“ドラゴンとの激闘で死んだはずのエイブルが、スカイからもどってきた!主君との誓いどおり峠の守りに立った彼の前に、三人の謎の騎士があらわれる。一方、エイブルの従者トゥッグは、セリドン王アーンソールの命により巨人族の王ギリングとの和平交渉のため、北方ヨツンランドへ向かう男爵ビエル一行に仕えて大活躍する。王に対峙する勇敢なる黒猫マーニ、暗躍するエルフ乙女のウリとバキ。やがて何者かによってギリング王の命が狙われ、風雲急を告げるウートガルト城―エイブルは天翔る馬クラウドにまたがり颯爽と城を目指す!巨匠ウルフによる本格的ファンタジー大作“ウィザード・ナイト”第2部『ウィザード』開幕!”(amazonの『ウィザードⅠ』紹介より)

 さて『ウィザード・ナイト』後半。主人公エイブルが不在の間様々なキャラクターが交代で話の中心となり、それぞれの思惑が入り乱れる一触即発の権謀術数劇が展開されるじりじりとするようなⅠを過ぎると、後は怒涛の展開で主要登場人物が一堂に会しての大活劇が繰り広げられ多くの謎が解き明かされる。まあそこはウルフだけに謎が謎を呼んだりするんだけどね・・・。さらには訳者あとがきの用語解説から知る作品背景の広さ深さに浅学菲才の身としては軽くめまいを覚える(勢いでThe Wizard Knight CompanionとついでにLexicon Ulthusポチってしまった(苦笑)。
 何はともあれスケールが大きく非常に濃密な大作。オールタイムベスト級だろう。