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異色もん。

ドラえもん、もやしもん、くまもんに続く第四のもん

丸屋九兵衛トークライブ「Q-B-CONTINUED vol.4」腐女史会!

 はいまたまた行って参りましたよQ-B-CONTINUED。いやーしかしこれまた濃いネタだなー。しかしやっぱりきちゃった感もある腐の世界。文学や音楽に出てくる同性愛文化には多少親しんできてるけどBL物自体はあんまり詳しくないんだよなー。まあとにかく代官山シアターサイバードへ(今回は金曜夜ではなく日曜午後に)Let's go!
 (例によって以下のまとめは備忘録的なもので、あくまで自分が記憶している内容だけでまた話の順番などは入れ替えているところもあります。間違い等ありましたら御指摘いただければ幸いです)

 今回もスペシャルホストはサンユータツオ(米粒写経)さん。BL漫画がお好きとのことでググると以前から布教活動をされている様子。まさに最適な聞き手である。すっかりお馴染みになった(?)うっかり九兵衛のテーマにのって丸屋さん登場。(薄手のアームカバーをしたり普段とちょっと違ったファッションには理由があったのだー<後述)
 まずタツオさんから題目であるBLの定義の確認。丸屋さんは「現実もフィクションも含む」ということで二次元も三次元もあり。ちなみにタツオさんは二次元専門で「三次元はちょっと・・・」とのこと。ただ今回のテーマは「腐女子」ならぬ「腐女史」、「腐女子」視点で歴史上の人物を見つめるという会で三次元的なリアルな話はさほどでなかったけどね!(<さほど!?)
 さて開始早々スライドは若かりしサミュエル・R・ディレイニーのギターを抱えたハンサムなお写真(上半身ヌードの写真が選ばれてた(笑)。そしてビフォアアフターな現在のお写真・・・(例の杖持ってるやつ)。ま、まあ現在も常人離れした日常を超越した存在感ばっちり出てますが(笑)。あれこれ何の文脈で写真出たんだっけか。忘れたぞ。それはさておき本題でまず登場したのは前田利家織田信長。宴会で信長が「若い頃は毎晩利家を抱いたものだ」といって他の家臣がうらやましがったという逸話で知られる二人(<鶴の汁>でググると出てくる)。利家は182cmぐらいあったとのことで当時の平均身長(157cmぐらいらしい)からするとかなり大柄な人物で、信長はそれより少し低いぐらいでやはり大柄な人物で大きい二人であったという。するとどちらが攻めでどちらが受けかという話題でひとしきり(この間家康の犬千代だとかやりの又兵衛とかの名前でまた妄想力たくましくなる一幕も。うーんなるほどこれがBL者の想像力のあり方なんですね!<いや丸屋さんだけ?)。そうそう攻め受けという話題では丸屋さんがFacebookでやり取りをしているという「黒執事とシャーロックと東方神起が好きなベトナムの少女」の話も面白かったな。そのハンドル名は「私は受けではありません」だとか(笑)。ところで丸屋さんは先日あのクリス・ペプラーさんと話して(ラジオ番組内で)BLの話題が出て、「?」という反応だったものの丸屋さんが説明すると「ああ、Warrior cultureのある世界にはよくある」と返答し丸屋さんが感心したという。この言葉知らなかったのだが後の文脈からして単に戦闘的な文化というのとはちょっと違う感じで、軍事教練を行うような集団つまり世代の近い男性が上下関係の厳しい中で教育を受けるような世界で生まれやすいという話のようだ。なのでいわゆるエリート教育を受ける男性だけの集団も同系統に入るものと思われる。ということでいわゆるBL文化に接していない人の中にもある程度認識されているものなのだろう。なので秀吉はさっぱりだったという話(家臣が気を効かせてこれはという美少年を用意しても「姉か妹はいないのか?」と聞いたらしい。ググると羽柴長吉という人らしい)が出て、上流階級の趣味であった男色が庶民出身の秀吉には分からなかったということのようだ。なるほど。
 “Game of thrones”(『氷と炎の歌』)のスライドも登場(三次元腐画像につき閲覧注意→こちら)。この画像にはタツオさんも「これはいい!」と反応。ここで交わされる会話もなかなか熱い内容のようだ。このシリーズ小説もドラマも滅茶苦茶面白そうなんだけど長尺ものが苦手なのとドラマの方はケーブルテレビでやっていないのでフォローしていなかったんだけど、一部で“Gay of thrones”といわれるほどその手のネタが多いらしい。ちょっと気になってくるなーしかし長いしなー。さてフィクションということで話題はガンダムにおけるシャアとガルマ、ガッチャマンにおけるケンとジョーの話に。この辺りは友人の姉でやおい同人誌をやっていたという先駆者に小4時代に洗礼を受けたという丸屋さんの源流といえるだろう。「パタリロ」の話も出た。江戸時代を舞台にしたものがあるらしく(これかな)、その話題から江戸の男余り状況の話に。これは以前にどこかで読んだことがある。労働力として若い男が必要となり、江戸では男余りが生じていた。江戸では男:女=1.86:1にもなっていたという。そのため男娼も多かったらしい。また井原西鶴は男色をテーマとした『男色大鑑(なんしょくおおかがみ)』を著したが、これは大坂の西鶴がメジャーである京や江戸で名を高めたいということで人気のあった男色物を書いたということらしい。それだけ文化として定着していたのだろう(ここで謎のコール&レスポンス「だんしょくたいかん!」を丸屋さんが強要。タツオさんから「間違ったこと言わせてどうすんの!」とツッコミ(笑)。あと今では女性ファッションとして知られているセーラー服や袴や振り袖がそうではなかったという話題も出た。後の方の話題だけどアニメではアメリカのネタがきつ過ぎてシャレになってるのかなっていないのかいささか不明なQueer Duckというのも話題に出ていたなー(オカマのカモが主人公らしいがアリゲーターのOpenly GatorとかバイセクシュアルホッキョクグマBi-Polar BearとかヤマネコOscar Wildcatとかキャラクター名が強烈過ぎる)。
 またソクラテスが「シビレエイ」のニックネームで弁舌巧みな美少年キラーであった話題などもあって次第に話題は国際的に。中国では「断袖」の話。哀帝が愛人である董賢と寝ていて目覚めた時自分の袖のところで董賢はまだ眠っていて、起こすのは忍びないので自らの袖を切り落とさせたといい、それが「断袖」。で出てきた映像がこれで、もっと二人とも若いはずなのになあと丸屋さん。さて同じ中華圏では「妄想BL中國史」萌え系の絵でBL視点の歴史本もあるらしい。台湾は親BL的文化が盛んらしく、一方で男装女子文化も活発らしい。また東京国際レズビアン&ゲイ映画祭というのがあって警官と犯罪者が深まっちゃう映画(タイトル忘れました)やイスラム圏のゲイ映画でマルヤンという人物が主人公(笑)の『愛のジハード』という作品の話も出た。
 さてそのイスラム圏はレゲエ文化と並んで同性愛嫌悪homophobicであることが知られている。しかし古くからそうであったわけではなく、規制はあるものの事実上広まっていた。たとえばある宗派では男色相手とその家族の女性との婚姻についての取り決めがあったり、また「ひげのない男性については未婚あるいは旅に出ている者についてはよい」というのもあるらしい。このひげのない男性というのは少年ということでその誘惑におぼれてはいけないと認識されいていたことがわかる(美女以上の誘惑があるという表現もあったようだ)。またこの旅に出ている者というのは隊商に関係することらしく、男性のみが隊商に出かけるのでこれまた男性のみの集団が形成されてというパターンのようだ。また権力のある人達の中でも男色はあった。コンスタンチノープルを陥落させたオスマン帝国の皇帝メフメト2世は美少年好きでてなづけたい被征服者に愛の手紙を送ったとか。アッバース1世もこんな絵が(ロブ・ハルフォード似とも)。一方成熟した男性同士(ひげのある男×ひげのある男)という文化もあったようだ(この辺は失念)。また国や文化を超えてというケースもあって、十字軍で戦っていたサラディンが敵のリチャード1世が病に倒れた際に山の雪で冷やしたシャーベットをわざわざ送っていて、またリチャードもサラディンに政略結婚の申し出をしていたということで相当アヤシイ(<ホントにアヤシイのか?)。
 あと羅列になるがサド関連で知られる青髭ジル・ド・レエ、ルードヴィッヒ2世とビスマルクオスカー・ワイルドアラン・チューリング、E・M・フォースターの話題(ヘンリー8世の股袋のスライドも出たが・・・ヘンリー8世は同性愛を禁じた方だったという文脈で出たのかもしれない)。E・M・フォースターは『モーリス』で知られるが、同性愛がテーマで自伝的要素もあるため初め1913年に書かれたものの結局出版に60年近くかかっている。これは20世紀に入っても同性愛が法的に禁じられいていたためで(アラン・チューリングの悲劇もそこにあった)、比較的近年まで厳しい法律だった。しかしTVドラマのシャーロック冒頭でワトスンの姉の話が出てくるように(これはっきりとは分かっていなかったなあ)、急激に時代は変わり同性婚が認められるようになっている(その時のシャーロックではまだ事実上の同性婚であるシビル・パートナーシップの段階のようだが)。同性愛に厳しかったイギリスが急速に進歩して同性婚が認められるようになった一方で、文化的には寛容であった日本で法整備が遅れているのはいかがなものか、と最後は「世直し九兵衛」という極めて真面目な話に着地したのだった。お見事!
 さて今回はさらにうれしいスペシャルイベントお茶会つきということだったのでもちろん参加したのだ~。たった一つ懸念があったが・・・。というのも今回のテーマがテーマだけに参加者は女性ばかりではないかと心配をしていたが、案の定20人余りの圧倒的多数は女性。他に男性の方も少しおられたので正直ほっとしたのだが。いずにれしてもサービス精神旺盛の丸屋さん、慣れないティーポットに苦戦しつつも自ら紅茶をついで下さり(不粋なもので紅茶の種類は忘れてしまいました)本番を引き継いでの濃ゆいトークで皆さんを楽しませてくれた。『黒執事』『紅茶王子』関連の話はちょっと分からなかったがおいおい把握していくとして、この日のファッションがシルク・パンクを意識したものだと明かしたところでケン・リュウの名が出なかったのがSFファンとして不覚だったなー。まだまだ精進が足りないぜ!というわけで丸屋さんタツオさんスタッフの皆さん楽しいイベントありがとうございました!次12/4も行くよ!(007も割と詳しくないんだよなー。近作DVDとかで観ておくかなー)