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異色もん。

ドラえもん、もやしもん、くまもんに続く第四のもん

丸屋九兵衛トークライブ「Q-B-CONTINUED vol.3」今回のテーマは戦闘機!

 またまた行って参りました丸屋九兵衛さんのトークライブ!前回の下北沢から今回は代官山に舞台を移しての開催。オシャレな代官山の会場だけにシアターサイバードはすっきりと洗練された印象。しかも前回より広く、スペシャルホストのサンキュータツオさん(以下タツオさん)に冒頭から「前回不入りだったと聞いてますが、なぜ会場を大きくした!?」と突っ込まれていた(笑)。
 というわけで一人仕切りだった前回から今回はゲスト司会者として学者芸人としてお馴染みサンキュータツオさんが加わり(丸屋さんの大学の後輩にあたるのねー)、さらに予定時間も1時間から倍の2時間にパワーアップ!これはもう期待するなというのが無理というもの。テーマが戦闘機ということで大層メカ音痴(生まれてこのかたその手の世界にハマった記憶が皆無)の当ブログ主、正直若干の不安もあったのだがそこはそれ何がテーマでも全開のQBworld、大満足の楽しいトークでございましたよ。
 さて内容を書きたいのだが例によって予想の斜め上を尋常じゃない高さで遥かに超える展開のQBtalk、当ブログ主の体験した「Q-B-CONTINUEDvol.3」の備忘録であり、パラレルワールドでのQ-B-CONTINUEDや他の方の内宇宙のQ-B-CONTINUEDと内容や時系列が異なっても悪しからず。ちなみに今回は十分な時間あって、本当は真ん中に休憩が入り前後半別れどちらにもカッコいい入場のテーマ(m-floの☆Takuが作っていて、タツオさんに才能の大きな無駄遣いと評されていた(笑)が流れていたが、内容はつながっているので全体を通してまとめている。

 今回も丸屋さんが用意したスライドに従ってトークが進行。テーマは戦闘機。丸屋さんが敬愛するという江畑謙介氏の映像が登場。シルエットのみで戦闘機の種類が分かったという民間の軍事評論家で、丸屋さんも中学の頃から戦闘機に詳しかったという。江畑謙介といえばわれわれ世代には湾岸戦争時に活躍し、独特な風貌と共に記憶に残っている人物。司馬遼太郎が評価したエピソードも紹介(とあるHPに紹介されているこの辺りの話だろうか)。自らを江畑氏の再来と自負する丸屋さん、その戦闘機知識がたっぷり(当然ながら幅広いジャンルを巻き込んで)披露された。そのきっかけは模型製作の部活に中学に入ったが偏りまくった顧問の先生の意向で、一番作りたかったガンダムのプラモデルいわゆるガンプラは全て禁止、エリア88のプラモデル製作のみ許されたという。まあかなり問題な先生であるようだが(笑)、本格的な戦闘機漫画であるため、結果戦闘機に造詣が深くなったというのだから世の中分からない。エリア88ぼんやりと内容を知る程度で読んだことはないのだが、他にホビージャパン航空ファンなどなど中高時代の航空研究会の連中の姿が思い出され実に懐かしい(笑)。
 (例により唐突だが)三千子さんとおっしゃる丸屋さんのお母様のお話も登場。(三千だけに)アンドレ3000に対抗心を燃やしているという大層これまたチャーミングな方とお見受けしたが、戦闘機について「人殺しの道具やろ」と批判。丸屋さんの意見は少々違い、総合格闘技で例えると戦闘機=打撃技、一方攻撃機爆撃機=寝技。「強力な打撃技は相手を寄せつけず抑止力になる」と戦闘機の凄さと思い入れを語る。(そういった分類自体を知らなかったのだが、こうした軍の航空機の総称が<軍用機>となる)ゲイリー・グッドリッジVSオレッグ・タクタロフ、ミルコ・クロコップVS藤田和之を例にとる(タツオさんから分かりにくいとのツッコミ(笑)。そこから丸屋さんの十八番ともいえるBoo-Ya Tribeネタへ(小錦の親戚が結成しているラップグループ。もちろん全員巨漢)。彼らの強面なハンドサインやらダンスがあるらしいのだが、体格も相まって相手に脅威を与えることになり実際の喧嘩や争いが避けられ抑止力になり得ると。実際ヒップホップの文化でのダンスバトルは喧嘩の代用物としての役割を持っているらしい。
 話は恐竜が進化して鳥になったために軽量化を図るための骨構造が継承されているといった話から零戦の軽量化の話が重ね合わされ、さらにVF-111 Sundownersという零戦撃墜した米軍海軍戦闘機チームの記念として旭日旗を尾翼に描かれるデザインがあるという倒錯した現象の話が加わる。なかなか興味深い現象だが、何はともあれ海軍は派手好きらしく遠目でも米軍と分かるようなデザインをつけてしまうらしい。またそうしたチーム内の団結心が強いのも特徴のようだ。あとkamikazeは既に英語として一般使用されているらしいが‛カマ・カーズィ’と発音されるという話も出た(シカゴ郊外出身のチープ・トリックの曲‛Auf Wiedersehen'の歌詞にもでてきていたがそういう発音だったね。ちなみに同じ曲に「ハラキリ=腹切り」も出てくるんだが「ハリカリ」に近い感じだったな)。
 戦闘機用語や構造の解説もあった。例えば単座(一人乗り)と複座(二人乗り)、単発(エンジン一つ)と双発(エンジン二つ)といったような。キイワードは「カッコいいので明日から使いたい!」とタツオさん。また航空機の部分部分を図解した親切なスライドもあり初心者にはありがたかった。長時間飛行距離を得るために予備の燃料を積んでいるタイプもあるのね(ただ他の機体に与えることはできないもよう)。
 まず基本的なことを知らなかったのだが、F-(数字)がFightのFで戦闘機、A-(数字)がAttackのAで攻撃機、B-(数字)がBomberのBで爆撃機(B-29のBか!)、X-(数字)がExperimentで実験機、Y-(数字)は試作機(英語は不明)。グラマン社の戦闘機はネコ科動物の名前がつけられ、マグダネル・ダグラス社ではバンシーやゴブリンなど幻獣的な名前がつけられている(妖怪シリーズと呼称されていた)。
 艦コレ的な萌え雑誌にも言及。(当然も当然だが)既に戦闘機も萌え美少女化。この辺りに詳しいらしいタツオさん、それまでと反応が違い大いに乗ってきた(笑)。戦闘機も萌え美少女化も詳しくない当ブログ主だが実際の戦闘機の特徴が微に入り細に入り咀嚼されキャラ化されるということを知り全くもって今更ながら感心した。ちなみに戦闘機ではスピードと運動性は両立せず、スピードを高めようとすると羽根は小さくなり直進しかできなくなるとのことだ(という話でよかったのかな)。で、それを両立させるために羽根の形を変える<可変翼>というのがあり、超時空要塞マクロスバルキリーがそうだという。あとアニメ系がらみでは「ガンダムはロボットアニメで初めてエアインテイクをつけた」という話もあってメカ音痴ガンダム音痴の当ブログ主には大変興味深かった。熱狂していた同級生たちはそういうところで反応してたのかもなあ。
 映画がらみでは1980年のカルト映画『ファイナル・カウントダウン』の話。現代(といっても80年当時だが)の空母が第二次大戦の時代にタイムスリップしてしまうというもの(これまた懐かしいが観てないんだよなあ)。映画で実在の飛行チーム<ジョリー・ロジャース>が扱われていたらしく、公開後チームの人気が高まってしまった。前記のようにこうしたチームの団結心は強いので、反対に他のチームの嫉妬心を煽ることになり、そうした問題を避けるためその後の戦闘機映画『トップガン』では完全に架空のチームが描かれたそうだ。また<ジョリー・ロジャース>の機体にはドクロマーク(調べたらスカル&クロスボーンというらしい)があるが、マクロスでも出てくるらしい。日本でも人気のある韓国のシンガー/俳優ピが戦闘機パイロット役で北朝鮮と戦う意味深というよりはむしろ直截的過ぎる映画も紹介された(ググる空軍が出費したっぽい)。ピの素晴らしい大胸筋の話も熱く紹介された(笑)。
 ポピュラー音楽ネタでは‛I believe I can fly'という曲がありながら飛行機嫌いのR&BシンガーR・ケリーのネタも(飛行機嫌いはアリサ・フランクリンなどR&B系の人に結構いるようだ)。R・ケリーは来日について問われると「今船をつくっている」と答えたらしい。その可能性について丸屋さんが空母の速度から一週間あればと計算、もちろんタツオさんからこのネタが必要だったかのツッコミ(笑)。あとまだスリムだったマライア・キャリーのミュージックビデオに一般に知られている前の最先端の戦闘機上で歌うシーンがあることを指摘。破格の扱いだろうとのこと。ウィル・スミスの戦闘機映画も紹介された。
 戦闘機の形・大きさには土地柄お国柄が出るらしい。経済的政治的といった事情を超えて、好みがあるらしいのだ。例えばヨーロッパでは水平尾翼なしの傾向があるとか。丸屋さんの御贔屓はロシアのSu-27。「首長の美女(うっとり)」といえば丸屋さんにとってはリアル女性のことではなく、このSu-27スホーイのことだそうだ。たしかに主翼のつけ根から先端までが長く、たしかに「首が長い」(リンクしたwikiで「鶴」の非公式愛称があると書かれている)。Su-27を縦に立たせるというとんでもない技ができるパイロットがいたらしく、それはコブラというニックネームがつけられている。このwikiに出てくる図が登場したのだが、それと丸屋さんの説明だけで「コブラみたいですね」と名前を当ててしまったタツオさんのセンスと当てたのにさらっと流したお二人に個人的にはすごくウケてしまった(笑)。丸屋さんによるとロシアの技術というのは米国と違った特徴があって、現実的なところにある種の凄さがあるという。例えば機関銃の話で命中率は必ずしも高くないが比較的簡単なメンテナンスで非常に長期間使いうるものが作られた。米国は命中率は高いものの毎日キチンとしたメンテナンスが必要で数年で使えなくなってしまうような質の高さを追及してしまう欠点があるという。宇宙技術でもそうでロシアの宇宙服は一人で着られ、宇宙ステーションも区画毎に別に昨日できるようになっていて、いざという事態に対応しやすいになっているらしい(米国のは違うというのに逆に驚かされる)。また比較的規則正しく整理された番号でつけられ部外者にも把握しやすい米国戦闘機のF-(数字)と対照的にカオスとしか思えないロシアの戦闘機のバラバラな番号づけのスライドにも笑った。ロシアから戦闘機を購入して解体し似たような自前の戦闘機をつくった中国は知的財産権にふれるかとか、あからさまに高い機能の戦闘機を売ることのできないアメリカにスペックの低い機しか用意してもらえず自前のものを作ってしまった台湾とか、複雑な中台関係の中で売られている「中国空母に戦闘機が着陸成功した記念」の模型とかいろいろ興味深い話題も出た。
◎(9/22追記)軍事的な装備として世界の中で突出した存在となった米国だが、主力戦闘機はF-15からF-22に移行。ただF-22は機密のかたまりということで同盟国にすら売ることができない上に開発費がかかったため値段が高く軍ですら思ったほど購入してくれないということで、開発費を回収するのが大変という有様。さらに新しい戦闘機にF-35がある。このF-35は5000万円(?)のディスプレイ型ヘルメット、タッチパネルで攻撃など従来と全く異なるコックピット。またいわゆる<製作委員会方式>を取っていて、開発段階に大きく出費した国は開発にあたって装備などに注文をつけることができるそうだ。日本も購入したそうだが開発段階で全く出費していないので、発言権はないとのこと。米国の戦闘機は(ロシアと違い)開発に従って番号が一つ一つきちんと繰り上がっていたのだが、F-22からF-35は番号が飛んでいる。これは後者がX-35だったものをF-35としたからで、この雑なナンバリングは今後有人戦闘機を開発する気がないからで無人機の方に移行するだろうとのこと。兵士の犠牲が少ない方が政府にとっても批判や多額の賠償が避けられるなどメリットが大きいからである。遠隔操作ができるという事は本国で普通の日常を行いながら任務を遂行できるということだが、いいことばかりではなく実は戦地に直接行った兵士よりPTSDが多いという意外な問題点が浮かび上がっている(この話はこの記事あたり。2013年にも記事があるね)。◎(9/22追記ここまで)
 こうした軍事の知識は好戦的に見られがちだが現実の戦闘を知る必要が大きいという話が最後に出てきたが、非常によく分かる。どちらかというとメカ音痴という自分の属性もあり自分も若い頃こうしが話題を好戦的と考える方だったが、やっぱり知らないことはよくないと後から気づいた。社会のもろもろとこうした技術は(特に先端技術)がつながっているのは当然で、切り離して考えることはできないと思うようになったからである。
 五里霧中でありながら思いのほか首尾一貫だったりする丸屋さんトークに、いつのまにか巻き込まれてちょっと悔しいみたいなタツオさんのツッコミがよくかみ合っていたのも大変良かった。オタク的な部分がありながらもジャンルがずれるという二人の対比の妙もあったと思う。結局トータル2時間半弱(休憩があったので実質2時間強ぐらいかな)だが、どれも面白く発見が多かった。4回目も是非実現していただきたい。定期的なイベントになるといいなあ。

※追記 とりあえず書き終えて(誤字脱字誤記は別にして)安心していたら、タイトルがあったことを忘れてた!今回のタイトルは「永遠の100」。もちろんこれは百田尚樹『永遠のゼロ』が戦闘機を題材にしているからなんであるが、まあこれはほとんど前フリでした(笑)百田氏の意外なスズメバチ小説『風の中のマリア』(スズメバチが主人公の本格昆虫小説)と米軍の戦闘機F-18ホーネット(やはりスズメバチ)、さらにはNBAホーネッツのことが出て、日本人よりスズメバチに恐怖感がないのではないかという話になったが実は前フリで後につながらない(笑)。おそらく本当のタイトル(?)はスライドで登場した「江畑謙介の再来、丸屋九兵衛はいかにして作られたか」であろう。
※さらに追記 ああもう一つ肝心(!)なネタを忘れていた。月刊OUTアニメージュを愛読していたアニオタだった丸屋少年の友人のお姉さんがガンダムやおい同人だったらしい(早い!時代的に!)。その方に感化されて今の丸屋さんがあるそうだ。おおこれは知らなかった。若い皆さんにもこうした素敵な出会いがありますように!

※さらに追記(9/21) 丸屋さんから事実誤認の部分をご指摘いただいたので、当該部分をいったん削除します。

※さらにさらに追記(9/22) 最初誤認して記載してしまった部分をいったん削除しましたが訂正して再度追加しました(◎の部分で、現在の米国戦闘機事情です。最初にはF-15を16と書き、F-22F-35がごっちゃごちゃになってました<滅茶苦茶だ・・・。もう一つスズメバチ関係の上記の追記で、スズメバチを意味するドイツ語ホルニッセが『SF3D/マシーネン・クリーガー』という世界に登場する架空の戦闘機だということも御指摘いただきました。ドイツ軍の戦闘機と間違って書いていしまいました。丸屋さん御指摘ありがとうございました)。