異色もん。

ドラえもん、もやしもん、くまもんに続く第四のもん

映画『イミテーション・ゲーム』観た

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 コンピュータの元となるチューリング・マシンの生みの親であり、人工知能か人間かを判断するテストのチューリングテストで知られ、専門の世界に詳しくない当ブログ主でもSF好きであれば知っているといういわばポップアイコンともいえるアラン・チューリング。その孤高の天才の劇的な生涯の中でもある意味最も有名なエピソードである「第二次大戦中のナチス暗号<エニグマ>破り」をチューリング役にベネディクト・“シャーロック”・カンバーバッチで映画化するというのだから、もうこれは見逃せない。ということで観てきた。
 (以下内容に触れますので未見の方はご注意を)

 天才が故に他人との距離を上手に取ることが出来ないチューリングが周囲との軋轢や苦難を乗り越えて成功をするというメインのストーリーと並行して繊細な少年時代のストーリーも描かれる。主人公のエキセントリックさの描写は例えば映画『ソーシャル・ネットワーク』でのマーク・ザッカーバーグよりは控えめで、全体として気難しくも感情移入出来る範囲で描かれているように思われる。学者たちのインドアな日々の話だが、各所から集められた精鋭部隊による特殊作戦を遂行するチームの話でもあり、映画的なカタルシスを得やすいかたちにまとめられている。やや手堅過ぎる印象もあるが、さすがにカンバーバッチはハマり役で引き込まれるものがあった。脇を固めるキーラ・ナイトレイ、マシュー・グッドらもよかった。その悲劇的な最期については字幕でさらりと触れられていた程度だが、齧りかけのリンゴに青酸カリというまた謎めいた状況でこれでも映画が一本出来そうなくらいである(リンゴと青酸カリは本作でもチラッと登場している)。
 作品そのものはバランスよく出来ていたと思う。ただチューリングは非常に興味をそそられる存在なので、ついつい生涯そのものの本格的な伝記映画に期待してしまうが。難しいですかね。