異色もん。

ドラえもん、もやしもん、くまもんに続く第四のもん

『海街diary6 四月になれば彼女は』 吉田秋生

海街diary(うみまちダイアリー)6 四月になれば彼女は (フラワーコミックス)



 鎌倉の三姉妹の元にやってきた亡くなった父親の愛人の高校生の娘と周囲の人々を描いたシリーズの第6巻。諸般の事情から読書意欲がいつにもまして減退気味なのだが、これは読むよ。必ずしも熱心な漫画読者とは自任していないが、これまでの暮らしのかなりの割合を神奈川を根城にしてきた当ブログ主にとって、しばしば神奈川を題材に取る吉田秋生の漫画は常に心の中に流れ続けている故郷の川の様な存在である。特に疲れた時や気持の沈んだ時必ず帰りたくなり、そんな時そっと気持に寄り添ってくれるような穏やかな日常を描いた作品が嬉しい。穏やかな日常と言っても、いつしか時は過ぎ心ならずも人々は去りゆく。今回は遺産相続を巡る騒動などから登場人物たちがやり直すことのできない過去を一抹の寂しさと諦念を交えながら振り返る。一方夢中で日々を送る高校生たちにも時は流れ別れと決断の日々が迫ってくる。世代の異なる人々の感慨が自然に同期しているところが素晴らしい。描かれる風景をよく知りディテールを堪能できる立場で吉田秋生の漫画を生涯の友としてきた自らの僥倖をかみしめている。