異色もん。

ドラえもん、もやしもん、くまもんに続く第四のもん。いつか鎌倉の老人になる日まで。(単なる読書系ブログです)

CSで映画『ゴジラの逆襲』

「『透明人間』の小田基義が監督を務めたシリーズ第2作。再び現れたゴジラは、新たな巨大怪獣・アンギラスと格闘しつつ海中へ。政府はゴジラの本土上陸を阻止せんとするが、脱走した囚人の起こした火災がゴジラアンギラスを大阪に誘導してしまう。」

 SFファンだが実は怪獣映画全般ほとんど観ていない。理由は思いつかなくも無いが、大したものではなくまあたまたま縁がなかったということだろう。というわけで、ゴジラ映画の系譜も全く知らなかったのだが、1954年の最初の『ゴジラ』の後、本多猪四郎伊福部昭不参加で1955年に本作が製作、その後1962年再び本多・伊福部参加の『キングコング対ゴジラ』が大成功を収め、ゴジラシリーズが完全に定着するといった流れのようであり、本作は突貫工事で作られた評価のやや落ちる作品ということのようだ。たしかに前作のみなぎるテンションや重層的なテーマ性に比べると全体的にゆるい印象がある。しかし円谷特技監督の映像は見事で前作もそうだが暗いモノクロの画面と相まって(変にセットの細かいところに目がいかないせいか)迫力はあるし、飛行隊と無線係の昭和を感じさせる懐かしいテイストの人間ドラマと怪獣映画が奇妙な融合をしているのもそれはそれで味がある。飽きずに観られたのは監督の手腕と千秋実の人懐っこいキャラクターによるところが大きいのかもしれない。