異色もん。

ドラえもん、もやしもん、くまもんに続く第四のもん。いつか鎌倉の老人になる日まで。(単なる読書系ブログです)

読書(海外SF)

2023年8月に読んだ本と怪奇幻想読書会(ポー)

ランキング参加中読書 今月も低調(悲)。 『幻の女』ウィリアム・アイリッシュ 幻の女〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)作者:ウイリアム アイリッシュ早川書房Amazon ミステリのオールタイムベストに挙げられる作品。予備知識があまりないままにタイトル…

7月に映画「少年と犬」を観たよ

X(元TwitterといわれていたSNS)で上映されていると知り、検索したら神奈川でまだやっている幸運に恵まれ(すっかり情報に疎くなっています(笑)、7/8に滑り込み気味に観てきたので備忘録。 ハーラン・エリスン原作のディストピアSFで、今回が日本初公開。…

2023年7月に読んだ本と怪奇幻想読書会

ランキング参加中読書 諸般の事情で読んだ本はちょっとだけ。 ◆『ピンポン』パク・ミンギュ 世界の命運を握るピンポンの試合にいじめられっ子二人が挑む!というフォーマットは魅力的なのだが、枝葉の部分にどうものれない部分があって個人的には今ひとつだ…

シミルボン、サービス終了

ご縁があり、開始当初から利用していたシミルボンが今年10月1日24時で終了するとのこと。 https://shimirubon.jp/columns/1711228 うーむ残念。 第3回シミルボンコラム大賞もいただいたりして、単なる読書好きながら、非常にモチベーションを高めてくれる読…

2023年6月に読んだ本

ランキング参加中読書 うーんあまり読めなかったなー。 ◆『ブエノスアイレス食堂』カルロス・バルマセーダ 原題はManual del caníbal。帯に"アルゼンチン・ノワール"のワードもあり、強烈な冒頭から始まる。ただし、いわゆるノワールっぽいパートは終盤で、…

2023年5月に読んだ本、参加した読書イベント

ランキング参加中読書◆『ドローンランド』トム・ヒレンブラント ドイツ作家による近未来ハードボイルドSF。覇権国が一変し、ドローンによる監視が当たり前となったヨーロッパで、議員の殺人事件の背景にある巨大な陰謀を追う刑事が主人公。ヴァーチャル世界…

2023年4月に読んだ本、参加した読書イベント

ランキング参加中読書◆『いかに終わるか 山野浩一発掘小説集』岡和田晃[編]山野浩一 山野浩一研究を継続的に行い、THの連載「山野浩一とその時代」で当時の時代というものまで詳細に伝えてくれる岡和田晃氏による編集のレア小説集。 1 「死滅世代」と一九…

2023年3月に読んだ本、と怪奇幻想読書会

◆『輝く断片』シオドア・スタージョン 再読。 「取り替え子」 遺産相続のため、赤ん坊の世話をして家庭的なところを親戚に見せなくてはいけない夫婦。偶然現れた赤ん坊はで、というコメディ。切れの良い会話が楽しい一作。 「ミドリザルとの情事」 冒頭いき…

2023年2月に読んだ本、参加した読書イベント

ランキング参加中読書←よくわからないけど参加してみることにしました ◆『澁澤龍彦訳 幻想怪奇短篇集』 『怪奇小説傑作集4』(以下『怪奇集4』)の収録作と『ふらんす怪談』が合わさった本らしく、再編集本といった感じなのかな。『怪奇集4』の方は既読なの…

2023年1月に読んだ本

ランキング参加中読書 一見それなりに読んでいる風にみえますが、小説誌とかは以前に読んだ感想も多いし、読み切り短篇の少ない雑誌も結構あるし、1月の読書時間の大部分は漫画です(笑)。 ◆『わが母なる暗黒』ジェイムズ・エルロイ 久しぶりにシミルボンに…

2022年ベストブック

ベストブックを昨年から選ぶようにしたけど、いきなりつまずいて、なかなか読書がはかどらず。特に今年は新刊を積んでばかりという有様。 まあ自分でもまとめとして整理できるので今年もやるか。 ◎新刊 ・『血を分けた子ども』オクテイヴィア・E・バトラー …

2022年12月に読んだ本

◆『二遊間の恋―大リーグ・ドレフュス事件』ピーター・レフコート メジャーリーグの二遊間で恋が芽生えるという話だが、ややゆったりした序盤から、後半の加速していく展開がお見事。やるせないユーモアが漂うも企画もの的な安易さはなく、ドレフュス事件と符…

2022年12月に読んだ本

◆『二遊間の恋―大リーグ・ドレフュス事件』ピーター・レフコート メジャーリーグの二遊間で恋が芽生えるという話だが、ややゆったりした序盤から、後半の加速していく展開がお見事。やるせないユーモアが漂うも企画もの的な安易さはなく、ドレフュス事件と符…

2022年11月に読んだ本

諸般の事情で積読本の消化を目指すも、相変わらず低調だなー。 ◆『ジョナサンと宇宙くじら』ロバート・F・ヤング 昔の版は「くじら」がひらがななのよね(2006年のはカタカナ)。 「九月は三十日あった」 未来で時代遅れとなってしまったアンドロイド教師を…

2022年9月に読んだ本

諸般の事情でしばらくは低調が続きそうです。 ◆『気分はもう戦争』矢作俊彦・大友克洋 昔読み逃していた作品。改変歴史ものの系統になんとなく最近興味が寄っていて、どうかなと思って初読。一時、享楽的な80年代のノリで戦争が描かれていたら残念だという迷…

2022年7月に読んだ本とSFセミナーとジュンク堂トークショー(バトラー)

◆『ベースボール・イズ・ミュージック! 音楽からはじまるメジャーリーグ入門』オカモト"MOBY"タクヤ 面白かったので、久々にシミルボンに投稿しました。 shimirubon.jphttps://shimirubon.jp/reviews/1708419 なんとなく積んでいた宇宙SFも読んでる。 ◆『ス…

丸屋九兵衛トークイベント6月は<BLACK MUSIC MONTH 2022>!!

ランキング参加中音楽お馴染み丸屋九兵衛さんのトークイベント。 今回は<BLACK MUSIC MONTH 2022>。 本人の紹介文をそのまま引用しよう。”6月は黒人音楽月間だ。 1979年6月、南部をレプリゼントするジミー・カーター大統領時代に"Black Music Month"として…

2022年6月に読んだ本

ジェイムズ・アラン・ガードナーをまとめて読んだりしてました(まとめ読みはあまりしないので珍しく。ただまあ大した分量ではありませんな(苦笑)。 『プラネットハザードー惑星探査員帰還せず』(上・下)ジェイムズ・アラン・ガードナー 原題Expendable…

2022年5月に読んだ本・漫画、鎌倉文学館

◆『羅陵王』佐藤史生 去年創元から出た『SFマンガ傑作選』(福井健太編)で遅ればせながら初めて読んで、ユニークかつ面白かったのと、twitterで言及されていて興味を持ったので買って読んでみた。どの作品も性差の難しい問題を繊細にくみとっているSF/ファ…

2022年3月に読んだ本と100分で名著ポー・スペシャル

◆『ニュー・ゴシック―ポーの末裔たち』鈴木晶・森田義信編訳 1992年刊行の日本で編訳された本。「偉大なアメリカ小説(グレート・アメリカン・ノヴェル」の伝統から長編を中心としてきたアメリカ文学の歴史が、1960年代以降変質して短編小説が大きな潮流とな…

丸屋さんトーク2-3月は【恒例! 旧正月アジアフェス2022】

旧暦主義者の丸屋九兵衛氏、2月が新年イベントとなる。 というわけで2-3月の【恒例! 旧正月アジアフェス2022】を例によって聴いた。 ・【ASIAN MUSIC REVIEW】旧正月音楽祭! 越境アジア系R&Bとヒップホップの宴 一向に現在のR&Bやヒップホップに明るくなら…

今年も森下一仁さんの「ベストSF2021」に参加。あと過去の投票結果も。

今年も森下一仁さんのSFガイド「ベストSF2021」に参加しました。 nukunuku.michikusa.jp 投票はこんな感じ。 『時の他に敵なし』マイクル・ビショップ 1.5点 『三体Ⅲ 死神永生〈上・下〉』 劉慈欣 1.5点 『人之彼岸【ひとのひがん】』郝景芳 0.667点 『移動…

2022年2月に読んだ本

諸般の事情でまた低調気味。 まあ仕方ありませんな ◆『HHhH』ローラン・ビネ 実際にあった、ナチス高官ハイドリヒ襲撃事件を題材にした小説。とはいえ通常の歴史小説とはやや趣が異なり、語り手が事件の取材を進めていく過程と実在の人物の歩みが重なるユニ…

第2回みんなのつぶやき文学賞に投票しました。あとこれまでのTwitter文学賞~みんなのつぶやき文学賞の投票内容

ベストブック選びとかをしていると、過去のベスト投票のこととかを振り返ってみたくなる。 当ブログ主だと森下一仁さんのSFガイドに毎年投票しているが、そういえばTwitter文学賞にも投票をしていた。 現在は「みんなのつぶやき文学賞」に移行している。 twi…

2022年1月に読んだ本と聴いたトークイベント

古い雑誌ばかり読んでましたね。 あとちょうど先ほどオンラインイベントを聞いたのでまずそれから。 ・【月刊ALL REVIEWS】牧 眞司 × 豊崎 由美、アドルフォ・ビオイ=カサーレス『英雄たちの夢』(水声社)を読む 小説の紹介者として大変信頼すべき(しかも息…

2021年12月に読んだ本と参加したトークショー

あけましておめでとうございます。今年もボチボチですが、ブログ継続しますのでよろしくお願いいたします。 さて新年一発目は12月に読んだ本と読書関係で参加したトークショー。 まずはトークショーの方から。 最近訳書が連続して刊行されたシルビナ・オカン…

2021年ベストブックス

SFベストは森下一仁さんのところに毎年参加させていただいているけど、今後は年末までにベストブックを列挙しようかな。 ◎新刊 ・『中国・アメリカ 謎SF』柴田元幸編 ・『人之彼岸【ひとのひがん】』郝景芳 ・『三体Ⅲ 死神永生』劉慈欣(2020年刊行の『三体Ⅱ…

意識したわけではないが

J.G.バラードのバッグ持って(中には短編全集3巻)、精神科クリニックにきてる(付き添い)。なんの符号なのか…

丸屋九兵衛さんイベント【秋の万物文化祭2021】

さて丸屋さん。 2021年10月から11月にかけては、<文化と読書に縁が深い3つのトピックをセレクトしたオンライン・イベント・シリーズ【秋の万物文化祭2021】>とのこと。 ・【Soul Food Assassins vol.24】 ~ジョーダン・ピールとキャンディマンに捧ぐ、ト…

エレガントな解答

たまには誰もわからない話でもするか(え?大概いつも話題の範囲は狭いんじゃないかって?まあそうですな)。 当ブログ主は一浪して大学に入学した。 浪人の時の話をしたい。 浪人した理由もみっともないもので、志望学部を変えてやり直したいと親にねだった…