異色もん。

ドラえもん、もやしもん、くまもんに続く第四のもん

読書(海外SF)

『ゼンデギ』 グレッグ・イーガン

第一部2012年不安定な政治状況のイラン、取材を行う新聞記者の主人公マーティン。一方そんなイランからアメリカに亡命しゲーム会社<ゼンデギ>に努める科学者ナシム。そして第二部2027年、イラン女性と結婚し男の子の父親となったマーティン。一方ナシムら…

『プロット・アゲンスト・アメリカ もしもアメリカが・・・』フィリップ・ロス 『ユダヤ警官同盟』マイケル・シェイボン TV映画『ヒットラー』

ナチスのユダヤ人差別をテーマにした歴史改変ものを続けて読んでみた。 もしも第二次大戦時に元飛行士で反ユダヤ主義者リンドバーグが大統領になっていたら・・・。 7歳の少年の目線で差別にさらされる恐怖と家族・民族・国家を描く、ロス最高傑作とも評され…

映画『コングレス未来学会議』

映画『コングレス未来学会議』公式サイト 『泰平ヨンの未来学会議』の映画化作品。とはいえ原作自体も様々な思考実験が魅力で、しかもテーマが現実の不確実性ときているので、ストーリーやプロットがどうのこうのという作品ではない。そこで監督は大胆かつ大…

『聖なる侵入 [新訳版] 』 フィリップ・K・ディック

<ヴァリス>三部作が現在どのように受け止められているかわからないが、1980年代ディックの評価が急速に高まり初めて刊行された時代はいち読者の印象としては「かなり難解」あるいは「わけがわかならい」というあたり。当ブログ主は「SFファンやディックフ…

<「ヴァルカンの鉄鎚」刊行/P・K・ディックSF長編全作翻訳記念トーク>@Cafe Live Wire に参加

さて久しぶりのCafe Live Wire。ディックネタでは以前新訳「ヴァリス」のトークショーもあり参加したが、今回は「ヴァルカンの鉄鎚」でディックの長編全作が翻訳された記念のトークショー。で、主役は何といっても山野浩一さん!競馬評論家としても知られる…

『ヴァルカンの鉄鎚』 フィリップ・K・ディック

ある意味ディックのマイナー作品の代名詞として有名な作品である。つまりマイナー作品なのに有名という変なポジションを獲得した一作でもある。で、結局これが最後の未訳作品だった(一部雑誌で訳されたり、アマチュア出版で出たりはあったようだ)。 核戦争…

『泰平ヨンの未来学会議』 スタニスワフ・レム

さて待望の復刊が登場、買ったら思ったより薄かったので早速読んでみた。いやーやっぱり(期待通り)変な作品だった。(以下内容に触れます) 泰平ヨンはコスタリカで開かれる人口増加問題についての世界未来学会議に参加するが、テロが勃発。さらに混乱の真…

『ニューヨークの世紀末』 巽孝之

ニューヨークが描かれている小説やフィクションに興味がある。ニューヨークがテーマとなると、ともすると都会的・ソフィスティケイトといった方向に話題がいってしまうかもしれないが、もっと多様な面があるのではないかと思っている(例えば当ブログ主が好…

現代詩手帖2015年5月号 [特集]SF×詩

詩には疎いブログ主であるが、なかなか面白そうな特集で作家の顔ぶれもいいので買ってみた。予想以上に興味深い内容だった。 (目次とは入れ替えて並べてあります。またあくまでも今号の一部)鼎談 増田まもる×水無田気流×河野聡子 世界観を変える力 翻訳さ…

『エデン』 スタニスワフ・レム

今月はハヤカワ文庫から『泰平ヨンの未来学会議』が再刊され、国書刊行会から『短篇ベスト10』も出る。前者については映画も公開されるというちょっとしたレム祭りがやってくるので肩慣らしに積んでいた『エデン』を読んでみた。 (短めの感想ですがいつもな…

SFセミナー2015

今年も行って参りました。去年は結局レポートを書けなかったが、今回はちょっとまとめておこうかな。 まず昼の本会から。 1.東山彰良インタビュー(聞き手 大森望) 『ブラックライダー』のタイトルだけは知っていたが、台湾生まれの方で子供の頃に日本に定住…

『紙の動物園』 ケン・リュウ

2012年に初紹介された1976年生まれの中国系米作家。帯にあるようにヒューゴー賞・ネビュラ賞・世界幻想文学大賞を受賞している注目の新鋭の日本オリジナル短篇集。予想以上に面白く多彩な内容。かなりの大物が登場した感じだ。 (以下多少内容に触れるので未…

『世界受容』<サザン・リーチ>3 ジェフ・ヴァンダミア

やや長さが気になったもののシリーズ2巻目『監視機構』までは謎の解明がないことにさほど不満はなかったのだが・・・。より複雑な語りを持ちこむことによって読みにくさが増し、どういったことを描きたいのか読んでいる身としてうまくシンクロすることができ…

第2回名古屋SF読書会『虎よ、虎よ!』に参加

当ブログ主はオサーンSFファンでファン歴は長いのだが個人としてイベントを見聞きするといったパターンが長く続いていたので、読書会に参加するのはわずか。読書会、と銘打ったものははじめて(ということで名古屋SF読書会もはじめて)。まあでも長く本を読…

大阪の古本屋回り

用事があって大阪に行った。観光するほどの時間はなかったので、本好きの方から秘密情報を得て古本屋回りをすることに。大阪の古本屋は初めて。 早速収穫の方から これを出先から持って帰るんだから、我ながら酔狂者だ(苦笑)。いやー予定外なんだけど。でも…

『監視機構』<サザン・リーチ>2 ジェフ・ヴァンダミア

謎の領域<エリアX>を監視機構<サザーン・リーチ>が調査するという<サザン・リーチ>三部作の2作目。 1作目『全滅領域』では<エリアX>の謎を解き明かそうとする調査隊の姿が描かれていたが、今回はそれを送りだした監視機構<サザン・リーチ>の話。 …

『ドリフトグラス』 サミュエル・R・ディレイニー

本を見た感想、「白い」。読んだ感想、やはりディレイニーは難しい。 ひとまず各作品の感想。 「スター・ピット」宇宙の彼方にたどりつけない人類というテーマと思ったが、コミュニティやニューヨークを描写したところなど別な面もありそう。 「コロナ」 音…

『全滅領域』<サザン・リーチ>1 ジェフ・ヴァンダミア

ジェフ・ヴァンダミアの名を初めて知ったのはSFマガジン2004年6月号のスプロールフィクション特集Ⅱだったと思う。このスプロール・フィクション、保守化していく主流派に対しジャンルを越境し革新を図っていく伴流<スリップストリーム>文学をギブスンのス…

第26回SFマガジン読者賞に投票

第26回SFマガジン読者賞投票した。 来年からSFマガジン隔月になるということで、ちょっと今回は区切りとしてなるべく読み切り作品を読んで投票してみることにした(もちろん誰に頼まれた訳でもないが(笑) なにはともあれ期限が近付いたのでとりあえず投函。気…

<R.A.ラファティ生誕100年祭 一期一宴>@Cafe Live Wire に参加してきた

去る11月7日ラファティのトークイベントがあったの参加してきた。いつもながら備忘録的に簡易レポート。(ラファティは近年ようやく少しずつ楽しめるようになったかなーというブログ主なので、いつもよりさらに間違いがあるかも知れず悪しからず)。また話の順…

『イースターワインに到着』 R・A・ラファティ

30年はいかないけど20年ぐらいは積んでいたかもしれない。 名うてのSF読み巧者の方々からラファティ凄い凄いといわれ、少しずつ翻訳が出てつき合ううちに遅い歩みながら良さがだんだん分かってきたというブログ主。ついに11月7日にはLive Wireでの生誕百年祝…

SFマガジン 2014年12月号<R・A・ラファティ 生誕100年記念特集>

予想をはるかに上回る大充実の特集だったので書影も大きくしてみた(笑) 誰でも楽しめるめちゃくちゃ面白い『九百人のお祖母さん』や名作短篇で不動のユーモアSF作家の位置を築きあげた一方で、人を人とも思わぬ残酷さと底知れぬ深淵さと放り投げた様な印象…

『フィーメール・マン』 ジョアンナ・ラス

フィーメール・マン (1981年) (サンリオSF文庫)=フィーメール・マン 数年前に初読、久しぶりに再読。 基本的には並行世界ものと言えるだろうか。ラジカルに男性原理を糾弾する内容でSF史に残る作品だが、その強烈なメッセージ性以前にニューウェーヴSFの時代…

『スニーカー』<ナイトヴィジョン> モダンホラーセレクション

1990年5月31日発行と書かれている。原書は1988年、NIGHT VISIONS 5とありググるとDark Harvest Booksから12まで出ているアンソロジー・シリーズだったんだね。基本3人の作家で作品数もバラバラという思いきったというかユルいところがちょっとユニークで、ハ…

SFマガジン2014年 11月号<30年目のサイバーパンク>

ちょっと読書意欲が下がっており、リハビリを兼ねて雑誌短篇を読んでみた。S-Fマガジン 2014年 11月号 [雑誌]著者 : 早川書房発売日 : 2014-09-25ブクログでレビューを見る»特集”30年目のサーバーパンク”の短篇だけ読んでの感想。「パパの楽園」ウォルター・…

SFファン交流会゛徹底解剖! サンリオSF文庫”に参加してきた

毎月行われているSFファンの集まりSFファン交流会。プロの方々や様々な読書好きの方々が中身の濃いお話をフランクにたっぷりしていただける楽しい場で、時々参加させていただいている(若い方も結構多い)。今回は『サンリオSF文庫総解説』(以下『総解説』)が…

『アルベマス』 フィリップ・K・ディック

先日の『ヴァリス』でも話題に出ていた、いわば別ヴァージョンの『ヴァリス』。死後発見されたということで、本人としては納得できなかったものなのだろう。 フィル・ディックが主人公の一人ではあるが、話の中心はもう一人の主人公であるニコラス・ブレイデ…

『ヴァリス[新訳版]』 フィリップ・K・ディック

ヴァリス〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫SF)作者: フィリップ・K・ディック,山形浩生出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2014/05/09メディア: 文庫この商品を含むブログ (14件) を見る さて『ヴァリス[新訳版]』の自分の感想も書いておくか。 周囲の人々の死をき…

『アルファ系衛星の氏族たち』 フィリップ・K・ディック

アルファ系衛星の氏族たち (サンリオSF文庫)「かつて植民化が企てられ、その後4半世紀にわたって放置されたままのアルファ系衛星には、いまだに地球人が生存していた。アルファ3M2―宇宙系間相互の植民地化という異常で過剰な重圧によって精神の参ってしまっ…

ダニエル・キイス逝去

ダニエル・キイスが亡くなったそうである。 ダニエル・キイスは何より『アルジャーノンに花束を』で知られる作家である。知的障害を持つ主人公チャーリーが完成したばかりの医療技術によって急に天才となるが思わぬ副作用に襲われる、という話である。同作は…