異色もん。

ドラえもん、もやしもん、くまもんに続く第四のもん。いつか鎌倉の老人になる日まで。(単なる読書系ブログです)

読書(海外SF)

<シミルボン>再投稿 『翡翠都市』フォンダ・リー

ランキング参加中読書~特別な力を持つ”翡翠″をめぐり、血で血を洗う抗争が繰り広げられる傑作任侠小説~ 翡翠城市 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)作者:フォンダ リー早川書房Amazon それを持つ者に特別な力を与える”翡翠”。そんな”翡翠”によって、人々ひい…

<シミルボン>再投稿 『 天界の眼 切れ者キューゲルの冒険』 ジャック・ヴァンス

ランキング参加中読書~サイテー男が次々とやってくる難題をテキトーに乗り切る抱腹絶倒の冒険ファンタジー~ 天界の眼: 切れ者キューゲルの冒険 (ジャック・ヴァンス・トレジャリー)作者:ジャック・ヴァンス国書刊行会Amazon 鋭い批評眼でSFファン・ミステ…

2024年3月に読んだ本

ランキング参加中読書ランキング参加中音楽 引き続き低調。 ◆『一千億の針』ハル・クレメント 一千億の針【新版】 (創元SF文庫)作者:ハル・クレメント東京創元社Amazon 『20億の針』から28年経っての続編。長い時をはさんでの続編という当時の盛り上がりは想…

<シミルボン>再投稿 グラビンスキを読んでみた

ランキング参加中読書 2015年から3冊の短編集が刊行されたポーランドの作家グラビンスキ。 1887年オーストリア=ハンガリー帝国領ガリツィア生まれで20世紀前半に活躍したこの作家「ポーランドのポー」「ポーランドのラヴクラフト」の異名をもち<ポーランド…

<シミルボン>再投稿 『地下鉄道』コルソン・ホワイトヘッド

ランキング参加中読書~奴隷を解放する<地下鉄道>の走るもう一つの合衆国を描くずしりと読み応えのある作品~ 地下鉄道 (ハヤカワepi文庫)作者:コルソン ホワイトヘッド早川書房Amazon タイトルの<地下鉄道>Underground Railroadは19世紀半ばの合衆国で…

2024年2月に読んだ本

ランキング参加中読書 昨年話題になったSFを消化。 ◆『赦しへの四つの道』アーシュラ・K・ル・グィン 赦しへの四つの道 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)作者:アーシュラ K ル グィン早川書房Amazon ル・グィンを代表するSFシリーズ≪ハイニッシユ・ユニバース…

<シミルボン>再投稿 『迷宮1000』ヤン・ヴァイス

ランキング参加中読書~時代を超え英米の空想科学小説とはひと味もふた味も違うユニークな傑作~迷宮1000 (創元推理文庫)作者:ヤン・ヴァイス東京創元社Amazon 1987年初版、2016年東京創元社復刊フェアで刊行された作品。 本屋でなんとなく気になって購入し…

<シミルボン>再投稿 『隣接界』クリストファー・プリースト

ランキング参加中読書~作者の世界に存分に浸る幸福感が味わえる傑作~ 隣接界 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)作者:クリストファー プリースト早川書房Amazon ファン待望クリストファー・プリースト最新翻訳長編の登場である。 やや耳馴染みのない言葉がタイ…

2024年1月に読んだ本

ランキング参加中読書 年末年始には久しぶりに友人たちと会ったり、映画を観たりする予定だったのだが、体調を崩し、全部おじゃん(死語)。(現在は回復) ということで、自宅でダラダラ。そこで、積んでいたが肩の凝らなさそうな、北村薫<時と人 三部作>…

<シミルボン>再投稿 『虚ろなる十月の夜に』ロジャー・ゼラズニイ

ランキング参加中読書~オールスターキャストでお届けする最後まで予測不可能なゲーム小説~ 虚ろなる十月の夜に (竹書房文庫)作者:ロジャー・ゼラズニィ竹書房Amazon ロジャー・ゼラズニイといえば神話をベースにしたSFやファンタジーで知られ、一時代を形…

<シミルボン>再投稿 『猫は宇宙で丸くなる 猫SF傑作選』中村融編

ランキング参加中読書~読めば読むほど謎が深まる不可思議な存在~猫SF傑作選 猫は宇宙で丸くなる (竹書房文庫)作者:シオドア・スタージョン,フリッツ・ライバー,他竹書房Amazon 空前の猫ブームだそうである。 ま、結構なんだが、猫だけ別格に人気がある感じ…

<シミルボン>再投稿 『盗まれた細菌/初めての飛行機』ウェルズ

ランキング参加中読書~SFの父ウェルズの多才な顔を伝えてくれるバラエティに富んだ短篇集~ 盗まれた細菌/初めての飛行機 (光文社古典新訳文庫)作者:ウェルズ光文社Amazon 時間旅行、火星人による侵略、人造生物などなど現在のSFへいまだに大きな影響を与…

<シミルボン>再投稿 『泰平ヨンの未来学会議』スタニスワフ・レム

ランキング参加中読書~薬物による人間のコントロールを描いたディストピアSF~ 泰平ヨンの未来学会議〔改訳版〕 (ハヤカワ文庫SF)作者:スタニスワフ レム早川書房Amazon 泰平ヨンはコスタリカで開かれる人口増加問題についての世界未来学会議に参加するが、…

<シミルボン>再投稿 『誰がスティーヴィ・クライを造ったのか?』マイクル・ビショップ

ランキング参加中読書※追記:昨年11/13に逝去。これを書いた後に『時の他に敵なし』が翻訳、こちらも大傑作であった。『樹海伝説』を読みたいと思っているのだが、今や古書サイトですら入手難しくなってきてしまったなあ。技量の高い作家であった。 ~SF界の…

2023年ベストブックス、他いろいろ年間まとめ

映画も観ていない、本も新刊1冊のみと散々な状態だが、やるか(割と美術展には行ったか)。 ◎新刊 『MOCT「ソ連」を伝えたモスクワ放送の日本人』青島顕 唯一の新刊が同級生の本というのも誤解を招きそうだが、ホントに面白いので多くの人に手に取って欲しい…

<シミルボン>再投稿 コラム「敵と味方をわけるもの」

ランキング参加中読書 <シミルボン再投稿シリーズですが、<シミルボン>では投稿を盛んにするためにお題の提供も定期的に行われていました。数は少ないのですが、そうした企画に合わせて書いたものもありました。以下のコラムのお題は「#おしえて、せんそ…

<シミルボン>再投稿 『夢幻諸島から』クリストファー・プリースト

ランキング参加中読書~技巧派SF作家が誘う、終わりのない旅~ 夢幻諸島から作者:クリストファー・プリースト早川書房Amazon 時空が歪み正確な地図の作成出来ない世界。南北の大陸に挟まれたミッドウェー海に浮かぶ<夢幻諸島>。 不思議な島々の風土、文化…

<シミルボン>再投稿 『第六ポンプ』パオロ・バチガルピ

ランキング参加中読書~閉塞した未来社会でもがく人々を描いた俊英のパンクな短篇集~第六ポンプ作者:パオロ バチガルピ早川書房Amazon 1972年生まれ、日本では2011年に「ねじまき少女」で紹介がはじまったばかりのバチガルピ。 現在のところ唯一の短篇集。 …

<シミルボン>再投稿 『洋梨形の男』ジョージ・R・R・マーティン

ランキング参加中読書~人気作家による抜群のリーダビリティを誇る傑作集~ 洋梨形の男 (奇想コレクション)作者:ジョージ・R・R・マーティン河出書房新社Amazon 今や≪ゲーム・オブ・スローンズ≫の原作者といった方が通りやすいのではないかと思われるジョ…

2023年11月に読んだ本とオンラインで聞いたイベント

ランキング参加中読書 低調が続いております。 ◆『流れよわが涙、と警官は言った』フィリップ・K・ディック流れよわが涙、と警官は言った作者:フィリップ K ディック,友枝 康子早川書房Amazon 長ーいこと積んであった課題本(の一つ)を読了。近未来社会でL…

<シミルボン>再投稿 『泰平ヨンの航星日記』スタニスワフ・レム

ランキング参加中読書~唯一無二の想像力を有するレムによる規格外のユーモア短篇集 スタニスワフ・レムのユーモア宇宙SFもの主人公“泰平ヨン”シリーズを代表する短篇集。~ 泰平ヨンの航星日記〔改訳版〕 (ハヤカワ文庫 SF レ 1-11)作者:スタニスワフ・レム…

<シミルボン>再投稿 『クロックワーク・ロケット』グレッグ・イーガン

ランキング参加中読書『クロックワーク・ロケット』グレッグ・イーガン ~ハードなアイディアを徹底的に推し進めた一大プロジェクト小説~ 物理法則の異なった世界が舞台の三部作の一作目。物理法則の異なった世界を徹底的に書き込むという現代ハードSFの極…

<シミルボン>再投稿 連載「奇妙な味を求めて」 第6回『ゴッド・ガン』バリントン・J・ベイリー

ランキング参加中読書ゴッド・ガン (ハヤカワ文庫SF)作者:バリントン J ベイリー早川書房Amazon~SF界屈指の鬼才の魅力がコンパクトに提示された、入門に最適の短編集~ ニューウェーヴ世代の作家ながら、荒唐無稽なアイディアが作品のコアになるあまりに独…

<シミルボン>再投稿 連載「奇妙な味を求めて」 第5回『金剛石のレンズ』フィッツ・ジェイムス・オブライエン

ランキング参加中読書~19世紀生まれの先駆的作家による傑作短篇集~ 以前はサンリオSF文庫で刊行されていた知る人ぞ知る名短篇集の復刊。とはいえ再刊されるまで本書のことはあまりよく知らず、19世紀中頃の早世した作家であることもこの本を通じて知った。…

<シミルボン>再投稿 連載「奇妙な味を求めて」第1回異色作家短篇集ベスト

ランキング参加中読書 さて<シミルボン>に投稿した書評の再投稿ですが、今回からもう一つ連載形式にした「奇妙な味を求めて」の方に入ります。 第1回として異色作家短篇集の自分なりの楽しみ方を自己紹介のようなつもりで書いて、その後は異色作家短篇集好…

<シミルボン>再投稿 連載「放克犬のおすすめポピュラー音楽本」 第12回『タイムラインの殺人者』アナリー・ニューイッツ

ランキング参加中音楽ランキング参加中読書タイムラインの殺人者 (ハヤカワ文庫SF)作者:アナリー ニューイッツ早川書房Amazon~真のパンク精神に満ちた、歴史改変SFの傑作~ 2022年からの時間旅行者テスは、1992年カリフォルニア州のアーヴァインで行われる…

<シミルボン>再投稿 連載「放克犬のおすすめポピュラー音楽本」 第9 回『ハウス・ミュージック-その真実の物語』

ランキング参加中音楽ランキング参加中読書ハウス・ミュージック──その真実の物語 (ele-king books)作者:ジェシー サンダースPヴァインAmazon~変化の激しい新しい音楽ジャンルをはじめ、生き抜いてきた人物の自伝~ ふとしたきっかけで最近ハウス・ミュージ…

<シミルボン>再投稿 連載「放克犬のおすすめポピュラー音楽本 第3回『デヴィッド・ボウイ 変幻するカルト・スター』野中 モモ

ランキング参加中音楽ランキング参加中読書 『デヴィッド・ボウイ 変幻するカルト・スター』野中 モモ ~様々な顔を持つポップスターのキャリアをコンパクトにまとめた入門書として最適な一冊~ 2016年1月10日世界中の人々を魅了し様々な分野に影響を与えた…

<シミルボン>再投稿 今度は第3回シミルボンコラム大賞落選作の2本目 泰平ヨンの時間SF

ランキング参加中読書 (まあこれも踏み込みが足りなくて考察が甘い感じ。では以下が本文) 泰平ヨンの時間SF(※追記 スタニスワフ・レムの<泰平ヨン>シリーズについてのコラム) 偉大な作家となれば、あるテーマにどのようなアプローチをしたかをみること…

<シミルボン>再投稿 今度は第3回シミルボンコラム大賞落選作の1本目(笑) J・G・バラード作品と時間

ランキング参加中読書 ※この頃シミルボンが楽しくて。 第3回シミルボンコラム大賞(お題「時間とSF」)に3本も応募していたわけです(元気だったなあ(笑)。 で、落選作の1つ目「J・G・バラード作品と時間」です。 さて落選理由だが(牧さんに指摘されて納…